南斗屋のブログ

基本、月曜と木曜に更新します

自動車保険の被害者納得度?

2016年12月26日 | 未分類
自動車保険のコマーシャルで、事故時のお客様の満足度というものが出てきますね。満足度は90パーセント以上といっています。


では、被害者側からの納得度というものはどうなんでしょうか?
(少なくとも広告では全く触れられません・・・)

任意保険会社の電話受付はいまだに午後5時までの対応です。しかも電話対応か、郵便対応ですよね。保険の申込みはネット対応など便宜をはかっている保険会社ですが、被害者対応は昔から全く変わっていません。
仕事をしている被害者にしてみれば、午後5時までに電話することができない方も多いでしょうし、保険会社との対応はストレスフルであるとは、ご相談をお聞きしてよく耳にすることです。


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茂原市で歴史講座を聴講

2016年12月11日 | 未分類
茂原市東部台文化会館で開催された
「郷土の歴史文化講座~古文書調査からの発見~」
を聴講。

3回シリーズの第二回目で、演題は「明治維新と房総移封の駿遠諸藩-鶴舞藩から松尾藩まで-」でした。
講師は、
   加藤 時男 氏。

同氏は千葉県文書館古文書調査員をされておられ、最近出版された「藤田嗣治 妻とみへの手紙 1913-1916」の校訂を手がけています。
加藤陽子東大教授から、「崩し字の解読において右に並ぶ者のない歴史家」と評されている(毎日新聞2016年11月13日書評欄)。
また、茂原市立美術館・郷土資料館にて、平成28年度の古文書講座を担当されています。

本日の講義の内容は、「房総移封の駿遠諸藩」。これだけでは、何のことやらわかりませんが、明治維新になってから、駿河や遠江(今の静岡県)にあった藩が房総に移ってきたということ。

その理由は、徳川宗家は明治維新によって将軍職は降りますが、その存続を許され、駿遠地方(今の静岡県)に70万石の領地の所持を許されます。そこで、玉突きでそれらの領地の藩主が房総地方に移封されました。

明治維新後も藩があったんだというところにまず軽く驚きますが、よく考えてみると、廃藩置県というのは明治に入ってからのことですから、それまでは藩が存続していたのは当たり前といえば当たり前です。
明治維新は1867年で、廃藩置県は1871年ですから、明治に入ってからも4年間は藩が存在していたのですね。

本講座では主に鶴舞藩と松尾藩が取り上げられていました。
浜松藩(藩主井上氏)→鶴舞藩
掛川藩(藩主太田氏)→松尾藩
掛川藩の藩主である太田氏は太田道灌の子孫だそうです。

松尾藩は、松尾というのは現在の山武市ですが(旧松尾町)、松尾藩の資料館というものがあり、そこでも松尾藩について知ることができます。


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千葉地裁民事4部の担当

2016年11月06日 | 未分類
千葉地裁(本庁)の民事部は5部までありますが、千葉地裁のホームページを見ると、担当裁判官は民事1部、2部、3部、5部の4つだけで「民事4部」という記載がありません。

これは、裁判(訴訟)を担当する裁判官を掲載しているからであって、「民事4部」が欠番なのではありません。

民事4部は、破産、民事執行、民事保全を担当しています。
これらはいずれも法廷を使わないので、民事4部の裁判官が法廷にはでないからです。
裁判官=法廷の人というイメージが強いのですが、法廷にでない裁判官もいるのです。

そういう裁判官は普段どんなことをやっているのか、破産手続きを例にとって説明しましょう。

破産の手続きは、申立人が申立書を提出することから始まります。
まずは、書記官という役職の事務方が、必要書類の有無をチェック、裁判官に書類を回します。

裁判官の役割は、申立てを認めるか否かを判断することです。
まず申立書類を読んで、問題がないかどうかを考えます。
この書類を読むというのが、裁判官の最も時間を使う仕事ですので、必然的に執務室にいる時間が長くなります。腰を落ち着けて記録を読めない人は裁判官には向いていないと言われたりします。

破産申立の件数は以前に比べるとだいぶ減りましたが、それでも平成25年の統計で7万2000件ほど(全国で)ありますから、数をこなさなければなりません。

破産申立を認めるか否かに際して、裁判官は申立人(又はその代理人)と面接をします。普通の会議室みたいなところで行いますので、裁判官も法服は着ていません。面接が終われば、執務室に戻って、書記官に破産開始決定を出す指示などをします。
書記官が作成した決定案をチェックして最終的にGOサインを出すのは裁判官の役割です。
このように、裁判官は書面を読み、それをチェックし、判断するというのが仕事で、仕事中は裁判所からは出ません。
弁護士は事務所にいるだけではなく、裁判所に行ったり、調査で他の場所に行ったりと、警察署で逮捕勾留されている人とあったりと、しょっちゅう出たり入ったりしているので、この辺が一番の違いです。


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2016年赤い本

2016年02月09日 | 未分類
2016年の「赤い本」が2月5日に発売になりました。
2015年版は2800円でしたが、200円値上がりして3000円。
上下巻のセットというスタイルには変更ありません。

下巻は交通部の部総括裁判官による東京地裁民事交通訴訟の実情という好例の講演のほか、損害賠償額の算定に関する裁判官の講演が掲載されています。
3講演が行われており、演題は次のとおりです。

①時間的、場所的に近接しない複数の事故により同一部位を受傷した場合における民法719条1項後段の適用可否等
②後部座席シートベルト、チャイルドシート不装着の場合における過失相殺等
③入院付添費について

東京地裁交通部の交通事故訴訟数ですが、平成26年に新しく受け付けた数は1891件で前年(平成25年)の1844件から微増。平成20年度(1370件)と比較すると38%の増加となっています。
交通事故の発生件数自体は減っていますが、それにも関わらず東京地裁の新受件数は増えています。
森冨裁判官はこの原因について、
「経済情勢、権利意識の変化、弁護士費用特約の存在、高次脳機能障害の有無等の複雑困難な問題点を含む事件の増加」をあげていますが、「経済情勢」というのがどのような意味あいでいっているのかよくわかりません。

気前よく払っていた任意保険会社が払い渋りで支払わなくなった、対応もよくないということで訴訟になるケースは確かにあるので、そうであれば納得ですが、経済情勢という抽象的な言葉でまとめられてもどうかなと思います。
「権利意識の変化」というのも弁護士サイドからすると疑問で、日本人は裁判をするというのは基本的に嫌がる傾向にあり、どうしてもやらざるを得ないとき以外は裁判にはなりません。

弁護士費用特約があってもそれは同じで、できるだけ裁判は避けたいと思うのが日本人です。
そんなことを考えておりますと、「交通事故訴訟件数の増加傾向は今後も続く」との森冨裁判官の話しをそのまま受け止めてよいかどうか。事故の発生件数自体が減っている以上、早晩裁判の件数も減ってくるのではないかと考えております。



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依頼した弁護士と連絡がとれない、とりづらい

2016年01月30日 | 未分類
依頼したのに弁護士と連絡がとれない、とりづらいという経験をされた方はおられるでしょうか。

近時、弁護士の売上は低くなってきており、また弁護士数の増加もあって競争が激化しています。
そのため、自分で処理できる以上の案件数を抱え込んでしまう弁護士が出てきております。

弁護士が真面目にやろうとしているかどうかとは、案件の抱え込みとは関係がありません。真面目にやろうとすればするほど、頼まれると断れず、自分の限界をわきまえないで案件を抱えてしまうことがあるからです。

処理の限界を超えると、案件の処理が遅れます。弁護士本人は真面目に案件を処理しようと思っているので、「すぐにやります」等と答えるのですが、一向に進まないというのはかなりマズイ状況です。
本人が真面目にやろうと思っているだけに、事態を変えるのは容易ではありません。

このような弁護士かどうか見抜くのは、依頼する段階では困難です。
弁護士がどの程度の案件数を持っているのかは話しをしているだけではわからないからです。

案件が進むに連れて、全然処理が進まなくなって初めてわかることになります。

怪しいと思ったら、他の弁護士に相談をしていく、セカンドオピニオンを求めていくほかありません。

処理が遅れているなと思っていても、それが通常と比べてどの程度遅いかは他の弁護士でないとわからないからです。

高いお金を払って弁護士に依頼しているのに、他の弁護士に相談までしなければならないとは忌々しい限りですが、現在の状況からするとこのようなことが起こってもおかしかないのです。


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精神障害。自賠で14級認定。判決では12級。

2013年07月08日 | 未分類
 交通事故を原因として精神障害になったとして,自賠では14級認定。訴え提起して判決では12級となったケースがありましたので紹介します。

 神戸地裁平成25年1月28日判決(自保ジャーナル1896号124頁)

1 このケースでは,交通事故と被害者の精神障害が因果関係があるのかが争われました。
 裁判所は,
 ① 事故前は普通に働いていたし,症状もなかった。事故後は働けなくなっているし,症状も存在する
ことを第1の理由としてあげています。
 被告は,「事故から発症までの期間が空いている」と主張したのですが,これに対しては,
 ② 事故から6ヶ月以内に原告の精神障害が発症していたことが認められるから,発症までの期間が長期間に及んでいるとはいえない
と判断しました。

 精神障害は,事故からすぐに発症するものではなく,一定期間が経過してから,受診することが普通です。
 この間隔がどのくらい空いていても認められるのかは一つの問題ですが,この裁判官は「6ヶ月以内」という線引きをしており,参考になります。

2 等級は自賠では14級でした。
 裁判所は,原告の症状を認定し,日常生活において頻繁に支障が生じているといえるので,12級であると認定しています。
 自賠の見解を割と簡単に否定しているので,この点についての自賠見解と裁判所の見方は違うと考えることもできるかもしれません。

3 なお,本件では50%の素因減額がされています。

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遠方の病院での治療費は認められるか?

2013年06月28日 | 未分類
 自分の住んでいない地域周辺では良い病院がない。色々調べてみたら,遠方ではあるが良い病院が見つかった。
 こういうケースで,遠方の病院での治療費が認められるかが問題になった裁判例があります。

 横浜地裁平成25年3月26日判決(自保ジャーナル1895号)

 被害者は関東在住。交通事故で右腕神経叢損傷となりました。
 できる限り元の状態に戻したいと,肩,肘だけではなく,手指の機能再建治療まで行っている病院を探したところ,関東では適当な病院がなく,山口県の病院がそのような治療をしていることがわかったので,山口の病院で治療。
 訴訟となり,山口での治療費が問題になりました。

 裁判所の判断
 「治療の結果,肘が胸のところまで上がるようになり,指を少し動かせるようになった等,一定の効果があったから,治療の必要性があった。治療費は認められる」

 この裁判例のポイントは,

 ・山口県にしか治療方法を実施している病院がなかった
 ・治療に一定の効果があった
というところにあると思います。

 いずれかが欠けても,治療費が認められなかったかもしれません。
 治療に一定の効果があるかどうかは,事前にはわからないですから,治療費が支払われないリスクを考えて治療する必要があることになります。

 病院を変えようと思っているが,任意保険会社が同意してくれない,支払ってくれないというトラブルは時々起こりますので,このようなときはどの程度リスクがあるのかを知る上でも,弁護士に相談されることをお勧めします。


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人身傷害補償保険

2013年06月03日 | 未分類
 人身傷害補償保険(人傷保険)というものが自動車の保険にはある。

 これは特約,つまりオプションになるので,保険に入る場合には自分でオプションとして契約しておかなければならないもの。

 この人傷保険,入っておいた方がよい。
 というのは,過失相殺分を補う機能があるからだ。

 この保険は,自動車事故で被保険者が,被保険自動車の運行に起因する事故によって傷害を負った場合に発生する損害を支払ってもらえるもので,過失相殺があるかどうかは問わないからだ。

 もっとも,被保険者の故意又は極めて重大な過失によって生じた傷害に対しては,保険金は支払われない(免責事由)から注意が必要。

 「極めて重大な過失」についての裁判例としては,札幌高裁平成23年9月30日判決(自保ジャーナル1894号)がある。
 運転中,信号無視を発見されて,パトカーに発見されて逃走。
 高速度(75キロ)でカーブを曲がりきれず,民家の塀に衝突して死亡したケースでは,「極めて重大な過失」ありとされ,人傷保険の請求が否定されている。


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自転車事故のADRセンター設立

2013年02月26日 | 未分類
自転車事故による損害賠償請求が問題となっています。

自転車事故には、加害者側に保険がかかっていない場合もあります。

処理手順も自動車に比べると、確立していません。

自転車事故のADRセンターも設立されていますので、双方の立場が対立した場合は、このような機関も活用するとよいでしょう。

2/26開設 自転車事故専門の自転車ADRセンター
http://www.cyclesports.jp/depot/detail.php?id=5964


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心因性の疾患(うつ状態)で後遺障害3級を認めた裁判例

2013年02月04日 | 未分類
被害者の後遺障害について、心因性の疾患(うつ状態)であるとしながら、後遺障害の等級は3級であるとした裁判例を見かけましたので、紹介します。

大阪地裁平成24年3月23日判決(自保ジャーナル1877号19頁)です。

被害者は、高次脳機能障害であると主張していたのですが、その点については裁判所は認めず。
被害者の症状は、本件事故も一因となった心因性の疾患(うつ状態)であると裁判所は判断しました。

このように判断された場合は、等級は高くても9級にとどまる裁判例が多かったはずですが、この判決は、
「精神手帳1級を取得していることからすれば、自賠等級は3級」
と認定しました。

ここが多くの裁判例と違う特徴的なところです。
この3級の判断を前提として、
 日額3000円の介護費用や逸失利益を認めています(もっとも、素因減額が40%されています)。

心因性の疾患で3級を認めたケースは、かなり珍しいと思われます。
本件は控訴されているようなので、控訴審での判断が注目されます。



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