『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』第603号 別冊編集後記
第603号(No.603) 2021/9/18
「創刊600号突破記念―
私が影響を受けた左利き研究家・活動家(3)第二期・紙の時代―その2」
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※『週刊ヒッキイ』は、
・ 2014年7月より
月二回(第一・第三土曜日)の発行に変更しました。
・ 2019年10月より
第一・第三土曜日の発行は、新規配信
第二・第四土曜日の発行は、バックナンバーからの再配信
に変更しました。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆
引き続き、再配信はしばらくお休みとします。
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◇◆◇◆◇◆ 左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii ◆◇◆◇◆◇
【左利きを考えるレフティやすおの左組通信】メールマガジン
右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第603号(No.603) 2021/9/18
「創刊600号突破記念─ 私が影響を受けた左利き研究家・活動家(3)
第二期・紙の時代─その2」
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創刊600号突破記念―
私が影響を受けた左利き研究家・活動家(3)
第二期・紙の時代─その2─斎藤茂太先生他
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「創刊600号突破記念」として書き始めた
「私が影響を受けた左利き研究家・活動家」の3回目です。
1954-1989(0-35)
第一期「左利きライフ研究家以前」では、箱崎総一先生。
1990-2000(36-46)
第二期「左利きライフ研究家・紙の時代」では、○○さんか?
2001-(47-)
第三期「左利きライフ研究家・ネットの時代」では、××さんら?
さて今回は、「第二期・紙の時代」編の2回目。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
<私が影響を受けた左利き研究家・活動家> (3)
第二期・紙の時代から―その2―
◆ 斎藤茂太先生他 ◆
第二期・紙の時代―当時読んだ左利き関連本について
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
●第二期・紙の時代―当時読んだ左利き関連本について
前回も、当時読んだ左利きの本のことを書きました。
私が本格的に左利きの活動を始めることになったきっかけは、
やはり1991年の『モノ・マガジン』の左利き特集号でした。
こういう雑誌以外で、いわゆる書籍には、
主に、「左利きの人への応援歌」的な本と、「左利きの科学」的な本、
左利きの人が登場する小説と、
大きく分けると3つのジャンルの本がありました。
ここまでは前回に書いたかと思います。
では、もう少し詳しく書いてみましょう。
●本屋さんで見つけた本から
30代で仕事に追われる日々の中、
次に私が手にした左利きの本といいますと、1991年6月、
1989年刊の前原勝矢著『右利き・左利きの科学』でした。
・前原勝矢著『右利き・左利きの科学』講談社 ブルーバックス
これは文字通り「左利きの科学」本で、
左利きを学問的に知ることができました。
一部この著者の考えに賛同できない部分はありましたが、
新書という廉価で手に入れやすい叢書での出版で、
利き手・利き側について手軽に学べる貴重な著作でした。
その次に手にしたのが、1993年4月、
文庫本で再刊された、斎藤茂太さんの1987年の著作『左ききの本』――
・『左ききの人はなぜ才能があるのか―左ききの性格分析』斎藤茂太
KKベストセラーズ/ワニ文庫 1993/3/1
*(元の本)
『左ききの人の本 右にでるモノがない!』斎藤茂太 エムジー 1987/9/1
『左腕の誇り―江夏豊自伝』 新潮文庫 2010/2/26
左利きの人への応援本です。
のちに、「元々は右利きだった」と自伝の記述で判明した
左腕投手・江夏豊さんを左利きの代表の一人にあげて解説している点は、
今となっては複雑ですけれど。
5月に新刊の文庫本『右脳革命』は、大前研一の本訳で巻末には、
新たに対談が収録されていました。
脳科学的な説明で左利きにもふれています。
・『右脳革命―創造力活性化の決め手―』T・R・ブレークスリー
新潮文庫 1993/4/1
1994年2月に、今も「左利きは短命」説で有名になった
スタンレー・コレン著『左利きは危険がいっぱい』を見つけ購入。
のちに、偶然のぞいた本屋さんで『かくれた左利きと右脳』を見つける。
・『左利きは危険がいっぱい』スタンレー・コレン
石山鈴子訳 文藝春秋
・『かくれた左利きと右脳』坂野登 青木書店 1982/12/1
――利き脳と言う言葉を知る。腕組みや指組みで左右どちらが上に来るか
で、その人の脳にある潜在的な「利き」がわかるという。
自分の方に流れが来ているな、と感じたものでした。
当時はネットもない(か、私には使えないか)という状況で、
左利きの本を探すといっても、自分の足で本屋さんをめぐるか、
出版社の出している解説目録を当たるか、
先に読んだ本の引用・参考文献等の巻末資料や出版社の広告で探すか、
図書館で棚をさがすか、蔵書カードを当たるか、
司書さんに調べてもらうか、といったところでした。
それだけに偶然入った本屋さんで見つけたりするのは、
「これぞ、運命!」と感じたものでした。
翌1995年は、左利きの画家が登場する、推理小説『左ききの名画』。
1996年には、左利きの主人公が左右が反転した世界に迷い込むSF
『鏡の国のアリス』を発見。
・『左ききの名画』ロジャー・オームロッド 野中千恵子訳 社会思想社
現代教養文庫〈ミステリ・ボックス〉 1993/3/1(原著1988)
・『鏡の国のアリス』広瀬正 集英社文庫 広瀬正小説全集4
改訂新版 2008/10/17
1993年に見つけていたのが、アメリカ大リーグ初の女性左腕投手の物語。
1995年に古本屋で見つけたのが、日本プロ野球初の女性左腕投手の物語。
・『赤毛のサウスポー』ロスワイラー 集英社文庫 1979/4/20
・『勝利投手』梅田香子 河出文庫 1989/4/1
左利きに関連する本として、
左右のあれこれを考えるという雑学的な本も見つけました。
・『左右学への招待―自然・生命・文化―』西山賢一 風濤社 1995/10/1
●図書館で見つけた本から
そして、図書館でも左利きの本を探してみました。
当時見つけたものを上げてみますと――
書名通りの自然界に見られる左右の科学の本で、左利きの章を含む
『新版・自然界における左と右』。
大脳半球の左右の違いを解説した『左の脳と右の脳』という専門書など。
・マイケル・ガードナー著『新版・自然界における左と右』
坪井忠二、児島弘訳 紀伊国屋書店 1992
・『左の脳と右の脳』サリー P.スプリンガー ゲオルク・ドイチュ
Springer Deutsch
監訳福井圀彦、河内十郎 宮森孝史 松嵜英士 医学書院 1985
(第2版 1997/10/1)
左利きのイラストレーターでデザイナーの秋山孝さんのイラスト集
『左手のことば』には、日本語英語の対訳でご自身の書名の由来とか、
子供時代の左利きの「矯正」を拒否した話などのエッセイがありました。
・『左手のことば』秋山孝 日貿出版社 1990
左利きの少年の絵物語を発見したのもそのころでしょうか。
1995
・『左手のパズル(絵物語永遠の一瞬)』萩尾望都・文 東逸子・絵
新書館 1995/7/13
●季刊誌『LL(レフティーズ・ライフ)』で紹介した本から
私の手作り左利き通信である、
季刊誌『LL(レフティーズ・ライフ)』の連載コラム
「左利きの本だなぁ」で紹介した本を上げてみます。
・『左利きは危険がいっぱい』スタンレー・コレン
・『左ききの人はなぜ才能があるのか―左ききの性格分析』斎藤茂太
・『左ききの名画』ロジャー・オームロッド
・『勝利投手』梅田香子≪日米プロ野球女性サウスポー対決その一≫
・『赤毛のサウスポー』ロスワイラー
≪日米プロ野球女性サウスポー対決その二≫
掲載した本のそれぞれの出版社に『LL』を入れて送ったところ、
斎藤茂太先生からお礼のおハガキをいただいたものでした。
★「レフティやすおの左利き自分史年表」から――
--
1995(平成7)4/3、『LL』No.5で
『左ききの人はなぜ才能があるのか―左ききの性格分析』を
取り上げることを報告したところ、斎藤茂太さんからお葉書をいただく。
6/28、Left-handers Clubの会報「The Left-hander」No.20が届く。
1面で「A warm welcome to the LHC of JAPAN」として
私の手紙と小冊子『LL』が紹介される。
7/31、斎藤茂太さんに『LL』No.5を送るとまたお葉書をいただく。
--
左利きを応援してくださった斎藤茂太さんからいただいたお葉書は
私の宝物の1つです。
●第二期・紙の時代後期において影響を受けた人物
さて、この時代、
私が影響を受けた左利き研究家・活動家と呼べる人物は、
これといえる適当な人がいらっしゃいません。
強いて上げるならば――
1.励ましのお葉書をいただいた、「斎藤茂太」先生
2.「左利きの人は左利き用の道具を!」という私の考えが
間違いではなかったと確信できた、「スタンレー・コレン」
3.右利きと左利きの恋人たちが同じパレットをはさんで一つの風景を描く
という素敵な情景を描いた小説を書いた、「ロジャー・オームロッド」
という三人でしょうか。
(画像 :『LL(レフティーズ・ライフ)』での著書紹介の報告および送付のお礼に斎藤茂太先生からいただいたお葉書裏面)
(画像:『LL(レフティーズ・ライフ)』での著書紹介の報告および送付のお礼に斎藤茂太先生からいただいたお葉書表面(差出人名))
(画像:斎藤茂太先生の著書『左ききの人はなぜ才能があるのか―左ききの性格分析』――1987年の著作『左ききの本』が1993年に文庫版で再刊された)
(画像:「左利きは左利き用の道具や機械を使うべきだ」という私の持論を裏付けてくれた著書、スタンレー・コレン著『左利きは危険がいっぱい』の書影)
(画像:右利きと左利きの恋人たちが一つのパレットをはさんで風景を描くという“理想的”なあり方を示した小説、ロジャー・オームロッド著『左ききの名画』の書影)
・・・
――次回は、いよいよネットの時代に入ります。
今も活躍中のこの人や、
今では知らない人も多くなってしまったかもしれない
あの人も登場!?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
★600号までの道のり(3)第61号~第80号
第61号(No.61) 2006/12/23「<左利きプチ・アンケート>第36回」
第36回 利き手は変えられると思いますか
第62号(No.62) 2006/12/30
冬季臨時増刊「既刊号一覧・2006年後期」
第63号(No.63) 2007/1/6「<左利きQ&A>(4)」
左利きの人はズボンの左側のポケットが傷みやすいの?
第64号(No.64) 2007/1/13「左手で字を―&<LYグランプリ>」
第65号(No.65) 2007/1/20「私にとっての左利き活動(9)」自分の物差し
第66号(No.66) 2007/1/27「<左利きプチ・アンケート>第37回」
新版・利き手調査第3回―H.N.きき手テスト
第67号(No.67) 2007/2/3「<左利きQ&A>(5)
利き手の変更は可能か?」
第68号(No.68) 2007/2/10「左手で字を書くために(11)&LYG2007」
第69号(No.69) 2007/2/17「私にとっての左利き活動(10)」
私の左利き活動の歴史
第70号(No.70) 2007/2/24「<左利きプチ・アンケート>第38回」
LYグランプリ2006 があったら…
第71号(No.71) 2007/3/3「<左利きQ&A>(6)新小一の準備は?」
第72号(No.72) 2007/3/10 「左利き子育て相談の疑問(1)」
「両手が使えるようになるといいね」について
第73号(No.73) 2007/3/17「私にとっての左利き活動(11)」
頭と心・身体の戦い
第74号(No.74) 2007/3/24「<左利きプチ・アンケート>第39回」
新版・利き手調査第4回chapman利き手テスト
第75号(No.75) 2007/3/31「テーマ別BN1/左利き実用講座」
第76号(No.76) 2007/4/7「<左利きQ&A>(7)左利きと家族」
第77号(No.77) 2007/4/14「左利き子育て相談の疑問(2)」
「左手使いに違和感を持つ人もいるから」の不思議
第78号(No.78) 2007/4/21「私にとっての左利き活動(12)」
『モノ・マガジン』左利きの商品学
第79号(No.79) 2007/4/28「<左利きプチ・アンケート>第40回」
スポーツで左利きは有利だと思いますか
第80号(No.80) 2007/5/5「こどもの日特集:紙工作で遊ぼ!」
1・ゴム動力紙パック外輪船 /2・風力帆掛け段ボールカー
――このころは、毎週異なるテーマで書いていました。
第一土曜は、<左利きQ&A>、
第二土曜は、左手で字を書くために → 左利き子育て相談の疑問
第三土曜は、私にとっての左利き活動
第四土曜は、<左利きプチ・アンケート>
第五土曜があるときは、臨時増刊で、バックナンバーの紹介
*各号のタイトルを見て、「これ気になるなあ、読んでみたいなあ」
というものがございましたら、リクエストをお願いいたします。
再配信なり、現時点での加筆・修正を行っての配信など、
改めてお届けすることも考えています。
リクエストは、本誌に返信してください。
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本誌では、「創刊600号突破記念―私が影響を受けた左利き研究家・活動家(3)第二期・紙の時代―その2」と題して、今回も全紹介です。
今回も「創刊600号突破記念」エッセイということで「私が影響を受けた左利き研究家・活動家」について三回目です。
第二期「左利きライフ研究家・紙の時代」は、1990-2000年(36-46歳)です。
今回は、お読みいただいたように、当時読んだ左利き関連本について書いています。
その中から、私が何らかの影響を受けた人たちについて簡単にふれています。
次回はいよいよネットの時代に入ります。
お楽しみに!
・・・
これを機会に、本誌をご購読の上でお楽しみいただけると幸いです。
(ご登録・ご購読は無料です。ご登録をいただくと毎号メールで送られてきます。読み落としを避けることができます。読む読まないは自由ですし、いつでも好きなときにお読みいただけるので便利だと思います。不要の折には解除も自由です。)
*本誌のお申し込み等は、下↓から
(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ
--
『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
私が影響を受けた左利き研究家・活動家(3)第二期・紙の時代2(創刊600号突破記念)-週刊ヒッキイ第603号
--
第603号(No.603) 2021/9/18
「創刊600号突破記念―
私が影響を受けた左利き研究家・活動家(3)第二期・紙の時代―その2」
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※『週刊ヒッキイ』は、
・ 2014年7月より
月二回(第一・第三土曜日)の発行に変更しました。
・ 2019年10月より
第一・第三土曜日の発行は、新規配信
第二・第四土曜日の発行は、バックナンバーからの再配信
に変更しました。
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右利きにも左利きにも優しい左右共存共生社会の実現をめざして
左利きおよび利き手についていっしょに考えてゆきましょう!
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第603号(No.603) 2021/9/18
「創刊600号突破記念─ 私が影響を受けた左利き研究家・活動家(3)
第二期・紙の時代─その2」
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創刊600号突破記念―
私が影響を受けた左利き研究家・活動家(3)
第二期・紙の時代─その2─斎藤茂太先生他
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「創刊600号突破記念」として書き始めた
「私が影響を受けた左利き研究家・活動家」の3回目です。
1954-1989(0-35)
第一期「左利きライフ研究家以前」では、箱崎総一先生。
1990-2000(36-46)
第二期「左利きライフ研究家・紙の時代」では、○○さんか?
2001-(47-)
第三期「左利きライフ研究家・ネットの時代」では、××さんら?
さて今回は、「第二期・紙の時代」編の2回目。
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<私が影響を受けた左利き研究家・活動家> (3)
第二期・紙の時代から―その2―
◆ 斎藤茂太先生他 ◆
第二期・紙の時代―当時読んだ左利き関連本について
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●第二期・紙の時代―当時読んだ左利き関連本について
前回も、当時読んだ左利きの本のことを書きました。
私が本格的に左利きの活動を始めることになったきっかけは、
やはり1991年の『モノ・マガジン』の左利き特集号でした。
こういう雑誌以外で、いわゆる書籍には、
主に、「左利きの人への応援歌」的な本と、「左利きの科学」的な本、
左利きの人が登場する小説と、
大きく分けると3つのジャンルの本がありました。
ここまでは前回に書いたかと思います。
では、もう少し詳しく書いてみましょう。
●本屋さんで見つけた本から
30代で仕事に追われる日々の中、
次に私が手にした左利きの本といいますと、1991年6月、
1989年刊の前原勝矢著『右利き・左利きの科学』でした。
・前原勝矢著『右利き・左利きの科学』講談社 ブルーバックス
これは文字通り「左利きの科学」本で、
左利きを学問的に知ることができました。
一部この著者の考えに賛同できない部分はありましたが、
新書という廉価で手に入れやすい叢書での出版で、
利き手・利き側について手軽に学べる貴重な著作でした。
その次に手にしたのが、1993年4月、
文庫本で再刊された、斎藤茂太さんの1987年の著作『左ききの本』――
・『左ききの人はなぜ才能があるのか―左ききの性格分析』斎藤茂太
KKベストセラーズ/ワニ文庫 1993/3/1
*(元の本)
『左ききの人の本 右にでるモノがない!』斎藤茂太 エムジー 1987/9/1
『左腕の誇り―江夏豊自伝』 新潮文庫 2010/2/26
左利きの人への応援本です。
のちに、「元々は右利きだった」と自伝の記述で判明した
左腕投手・江夏豊さんを左利きの代表の一人にあげて解説している点は、
今となっては複雑ですけれど。
5月に新刊の文庫本『右脳革命』は、大前研一の本訳で巻末には、
新たに対談が収録されていました。
脳科学的な説明で左利きにもふれています。
・『右脳革命―創造力活性化の決め手―』T・R・ブレークスリー
新潮文庫 1993/4/1
1994年2月に、今も「左利きは短命」説で有名になった
スタンレー・コレン著『左利きは危険がいっぱい』を見つけ購入。
のちに、偶然のぞいた本屋さんで『かくれた左利きと右脳』を見つける。
・『左利きは危険がいっぱい』スタンレー・コレン
石山鈴子訳 文藝春秋
・『かくれた左利きと右脳』坂野登 青木書店 1982/12/1
――利き脳と言う言葉を知る。腕組みや指組みで左右どちらが上に来るか
で、その人の脳にある潜在的な「利き」がわかるという。
自分の方に流れが来ているな、と感じたものでした。
当時はネットもない(か、私には使えないか)という状況で、
左利きの本を探すといっても、自分の足で本屋さんをめぐるか、
出版社の出している解説目録を当たるか、
先に読んだ本の引用・参考文献等の巻末資料や出版社の広告で探すか、
図書館で棚をさがすか、蔵書カードを当たるか、
司書さんに調べてもらうか、といったところでした。
それだけに偶然入った本屋さんで見つけたりするのは、
「これぞ、運命!」と感じたものでした。
翌1995年は、左利きの画家が登場する、推理小説『左ききの名画』。
1996年には、左利きの主人公が左右が反転した世界に迷い込むSF
『鏡の国のアリス』を発見。
・『左ききの名画』ロジャー・オームロッド 野中千恵子訳 社会思想社
現代教養文庫〈ミステリ・ボックス〉 1993/3/1(原著1988)
・『鏡の国のアリス』広瀬正 集英社文庫 広瀬正小説全集4
改訂新版 2008/10/17
1993年に見つけていたのが、アメリカ大リーグ初の女性左腕投手の物語。
1995年に古本屋で見つけたのが、日本プロ野球初の女性左腕投手の物語。
・『赤毛のサウスポー』ロスワイラー 集英社文庫 1979/4/20
・『勝利投手』梅田香子 河出文庫 1989/4/1
左利きに関連する本として、
左右のあれこれを考えるという雑学的な本も見つけました。
・『左右学への招待―自然・生命・文化―』西山賢一 風濤社 1995/10/1
●図書館で見つけた本から
そして、図書館でも左利きの本を探してみました。
当時見つけたものを上げてみますと――
書名通りの自然界に見られる左右の科学の本で、左利きの章を含む
『新版・自然界における左と右』。
大脳半球の左右の違いを解説した『左の脳と右の脳』という専門書など。
・マイケル・ガードナー著『新版・自然界における左と右』
坪井忠二、児島弘訳 紀伊国屋書店 1992
・『左の脳と右の脳』サリー P.スプリンガー ゲオルク・ドイチュ
Springer Deutsch
監訳福井圀彦、河内十郎 宮森孝史 松嵜英士 医学書院 1985
(第2版 1997/10/1)
左利きのイラストレーターでデザイナーの秋山孝さんのイラスト集
『左手のことば』には、日本語英語の対訳でご自身の書名の由来とか、
子供時代の左利きの「矯正」を拒否した話などのエッセイがありました。
・『左手のことば』秋山孝 日貿出版社 1990
左利きの少年の絵物語を発見したのもそのころでしょうか。
1995
・『左手のパズル(絵物語永遠の一瞬)』萩尾望都・文 東逸子・絵
新書館 1995/7/13
●季刊誌『LL(レフティーズ・ライフ)』で紹介した本から
私の手作り左利き通信である、
季刊誌『LL(レフティーズ・ライフ)』の連載コラム
「左利きの本だなぁ」で紹介した本を上げてみます。
・『左利きは危険がいっぱい』スタンレー・コレン
・『左ききの人はなぜ才能があるのか―左ききの性格分析』斎藤茂太
・『左ききの名画』ロジャー・オームロッド
・『勝利投手』梅田香子≪日米プロ野球女性サウスポー対決その一≫
・『赤毛のサウスポー』ロスワイラー
≪日米プロ野球女性サウスポー対決その二≫
掲載した本のそれぞれの出版社に『LL』を入れて送ったところ、
斎藤茂太先生からお礼のおハガキをいただいたものでした。
★「レフティやすおの左利き自分史年表」から――
--
1995(平成7)4/3、『LL』No.5で
『左ききの人はなぜ才能があるのか―左ききの性格分析』を
取り上げることを報告したところ、斎藤茂太さんからお葉書をいただく。
6/28、Left-handers Clubの会報「The Left-hander」No.20が届く。
1面で「A warm welcome to the LHC of JAPAN」として
私の手紙と小冊子『LL』が紹介される。
7/31、斎藤茂太さんに『LL』No.5を送るとまたお葉書をいただく。
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左利きを応援してくださった斎藤茂太さんからいただいたお葉書は
私の宝物の1つです。
●第二期・紙の時代後期において影響を受けた人物
さて、この時代、
私が影響を受けた左利き研究家・活動家と呼べる人物は、
これといえる適当な人がいらっしゃいません。
強いて上げるならば――
1.励ましのお葉書をいただいた、「斎藤茂太」先生
2.「左利きの人は左利き用の道具を!」という私の考えが
間違いではなかったと確信できた、「スタンレー・コレン」
3.右利きと左利きの恋人たちが同じパレットをはさんで一つの風景を描く
という素敵な情景を描いた小説を書いた、「ロジャー・オームロッド」
という三人でしょうか。
(画像 :『LL(レフティーズ・ライフ)』での著書紹介の報告および送付のお礼に斎藤茂太先生からいただいたお葉書裏面)
(画像:『LL(レフティーズ・ライフ)』での著書紹介の報告および送付のお礼に斎藤茂太先生からいただいたお葉書表面(差出人名))
(画像:斎藤茂太先生の著書『左ききの人はなぜ才能があるのか―左ききの性格分析』――1987年の著作『左ききの本』が1993年に文庫版で再刊された)
(画像:「左利きは左利き用の道具や機械を使うべきだ」という私の持論を裏付けてくれた著書、スタンレー・コレン著『左利きは危険がいっぱい』の書影)
(画像:右利きと左利きの恋人たちが一つのパレットをはさんで風景を描くという“理想的”なあり方を示した小説、ロジャー・オームロッド著『左ききの名画』の書影)
・・・
――次回は、いよいよネットの時代に入ります。
今も活躍中のこの人や、
今では知らない人も多くなってしまったかもしれない
あの人も登場!?
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★600号までの道のり(3)第61号~第80号
第61号(No.61) 2006/12/23「<左利きプチ・アンケート>第36回」
第36回 利き手は変えられると思いますか
第62号(No.62) 2006/12/30
冬季臨時増刊「既刊号一覧・2006年後期」
第63号(No.63) 2007/1/6「<左利きQ&A>(4)」
左利きの人はズボンの左側のポケットが傷みやすいの?
第64号(No.64) 2007/1/13「左手で字を―&<LYグランプリ>」
第65号(No.65) 2007/1/20「私にとっての左利き活動(9)」自分の物差し
第66号(No.66) 2007/1/27「<左利きプチ・アンケート>第37回」
新版・利き手調査第3回―H.N.きき手テスト
第67号(No.67) 2007/2/3「<左利きQ&A>(5)
利き手の変更は可能か?」
第68号(No.68) 2007/2/10「左手で字を書くために(11)&LYG2007」
第69号(No.69) 2007/2/17「私にとっての左利き活動(10)」
私の左利き活動の歴史
第70号(No.70) 2007/2/24「<左利きプチ・アンケート>第38回」
LYグランプリ2006 があったら…
第71号(No.71) 2007/3/3「<左利きQ&A>(6)新小一の準備は?」
第72号(No.72) 2007/3/10 「左利き子育て相談の疑問(1)」
「両手が使えるようになるといいね」について
第73号(No.73) 2007/3/17「私にとっての左利き活動(11)」
頭と心・身体の戦い
第74号(No.74) 2007/3/24「<左利きプチ・アンケート>第39回」
新版・利き手調査第4回chapman利き手テスト
第75号(No.75) 2007/3/31「テーマ別BN1/左利き実用講座」
第76号(No.76) 2007/4/7「<左利きQ&A>(7)左利きと家族」
第77号(No.77) 2007/4/14「左利き子育て相談の疑問(2)」
「左手使いに違和感を持つ人もいるから」の不思議
第78号(No.78) 2007/4/21「私にとっての左利き活動(12)」
『モノ・マガジン』左利きの商品学
第79号(No.79) 2007/4/28「<左利きプチ・アンケート>第40回」
スポーツで左利きは有利だと思いますか
第80号(No.80) 2007/5/5「こどもの日特集:紙工作で遊ぼ!」
1・ゴム動力紙パック外輪船 /2・風力帆掛け段ボールカー
――このころは、毎週異なるテーマで書いていました。
第一土曜は、<左利きQ&A>、
第二土曜は、左手で字を書くために → 左利き子育て相談の疑問
第三土曜は、私にとっての左利き活動
第四土曜は、<左利きプチ・アンケート>
第五土曜があるときは、臨時増刊で、バックナンバーの紹介
*各号のタイトルを見て、「これ気になるなあ、読んでみたいなあ」
というものがございましたら、リクエストをお願いいたします。
再配信なり、現時点での加筆・修正を行っての配信など、
改めてお届けすることも考えています。
リクエストは、本誌に返信してください。
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本誌では、「創刊600号突破記念―私が影響を受けた左利き研究家・活動家(3)第二期・紙の時代―その2」と題して、今回も全紹介です。
今回も「創刊600号突破記念」エッセイということで「私が影響を受けた左利き研究家・活動家」について三回目です。
第二期「左利きライフ研究家・紙の時代」は、1990-2000年(36-46歳)です。
今回は、お読みいただいたように、当時読んだ左利き関連本について書いています。
その中から、私が何らかの影響を受けた人たちについて簡単にふれています。
次回はいよいよネットの時代に入ります。
お楽しみに!
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これを機会に、本誌をご購読の上でお楽しみいただけると幸いです。
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(まぐまぐ!)『左利きで生きるには 週刊ヒッキイhikkii』
『レフティやすおのお茶でっせ』〈左利きメルマガ〉カテゴリ
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『レフティやすおのお茶でっせ』より転載
私が影響を受けた左利き研究家・活動家(3)第二期・紙の時代2(創刊600号突破記念)-週刊ヒッキイ第603号
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