朝日新聞6月29日付「天声人語」欄に、聖書のマタイ福音書19章21節を引用して、米国のある富豪が、別の富豪が運営する慈善財団に私財を寄附したことに関する記述がありました。その節の内容は以下のとおり。
イエスは言われた。「もし完全になりたいのなら、行って持ち物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから、わたしに従いなさい。」 (新共同訳、天声人語も同訳から引用)
大統領をはじめ、保守的なキリスト教徒が多い米国では、こうした考え方が根付いていても不思議ではないでしょう。聖書の中では他にも、神が古代イスラエル人に与えた律法の中で、畑の収穫物を端まで刈り取ってはならない、というものがあります。つまり残りを貧しい人のために取り置くようにというのです。こうしたことで人間が傲慢になることなく、万物の創造主に対する感謝を表わすようにという側面もあったようです。
では日本の場合はどうでしょうか。表題のセリフを述べたファンドの社長といいIT業者の元社長といい、お金儲けをして、それで何がしたかったのかが伝わってこないのです。巷の書店にお金儲けの本は数多く並んでても、お金の使い方を書いた本は人気がないのか、あまり見かけません。散財のノウハウなら多いですが。
自分ひとりで稼いだ金を好きに使って何が悪いという考えもあるでしょう。しかしそれにはひとつの間違いがあります。ではあなたが口にしている食物や水は、いったいどこから来たものですか? 野菜や肉を作る人がいなかったら、何を食べますか? 株券や紙幣を食べて生きますか? 「自分ひとり」などということなど、決してありえないのです。
慈善事業に限らず、教育やスポーツ振興など、社会貢献の方法はいくらでもあるでしょう。IT業者の元社長がプロ野球球団を買うと立ち上がったときは意気込みを感じたものですけど、単なる売名行為だったと聞かされると残念に感じます。
別の日の新聞記事には、「日本は金持ちに冷たい」と言って海外に出て行った人のことが紹介されていました。では金持ちは社会に優しかったでしょうか。かつては優しい人もたくさんいました。でも今はどうでしょう。ただの業突く張りばかりのように思えてなりません。
もちろん受ける側も、施しを期待していては同じことです。それならみんなで金儲けすれば無問題、とはいきません。そこには“インフレ”という、中学生でも分かる経済原理が生じてくるのです。
結論としては、拙者は金儲け自体が悪いとは思いません。問題は儲けた結果に対する責任と自覚、そして常に感謝の気持ちを忘れないことに尽きると思うのです。
え?ただの貧乏人の僻み? そうかもしれませんね。でも金持ちと成金の違いは理解しているつもりですし、同じく聖書には「金持ちが神の国に入るより、らくだが針の穴を通るほうがたやすい」とも書かれております。
イエスは言われた。「もし完全になりたいのなら、行って持ち物を売り払い、貧しい人々に施しなさい。そうすれば、天に富を積むことになる。それから、わたしに従いなさい。」 (新共同訳、天声人語も同訳から引用)
大統領をはじめ、保守的なキリスト教徒が多い米国では、こうした考え方が根付いていても不思議ではないでしょう。聖書の中では他にも、神が古代イスラエル人に与えた律法の中で、畑の収穫物を端まで刈り取ってはならない、というものがあります。つまり残りを貧しい人のために取り置くようにというのです。こうしたことで人間が傲慢になることなく、万物の創造主に対する感謝を表わすようにという側面もあったようです。
では日本の場合はどうでしょうか。表題のセリフを述べたファンドの社長といいIT業者の元社長といい、お金儲けをして、それで何がしたかったのかが伝わってこないのです。巷の書店にお金儲けの本は数多く並んでても、お金の使い方を書いた本は人気がないのか、あまり見かけません。散財のノウハウなら多いですが。
自分ひとりで稼いだ金を好きに使って何が悪いという考えもあるでしょう。しかしそれにはひとつの間違いがあります。ではあなたが口にしている食物や水は、いったいどこから来たものですか? 野菜や肉を作る人がいなかったら、何を食べますか? 株券や紙幣を食べて生きますか? 「自分ひとり」などということなど、決してありえないのです。
慈善事業に限らず、教育やスポーツ振興など、社会貢献の方法はいくらでもあるでしょう。IT業者の元社長がプロ野球球団を買うと立ち上がったときは意気込みを感じたものですけど、単なる売名行為だったと聞かされると残念に感じます。
別の日の新聞記事には、「日本は金持ちに冷たい」と言って海外に出て行った人のことが紹介されていました。では金持ちは社会に優しかったでしょうか。かつては優しい人もたくさんいました。でも今はどうでしょう。ただの業突く張りばかりのように思えてなりません。
もちろん受ける側も、施しを期待していては同じことです。それならみんなで金儲けすれば無問題、とはいきません。そこには“インフレ”という、中学生でも分かる経済原理が生じてくるのです。
結論としては、拙者は金儲け自体が悪いとは思いません。問題は儲けた結果に対する責任と自覚、そして常に感謝の気持ちを忘れないことに尽きると思うのです。
え?ただの貧乏人の僻み? そうかもしれませんね。でも金持ちと成金の違いは理解しているつもりですし、同じく聖書には「金持ちが神の国に入るより、らくだが針の穴を通るほうがたやすい」とも書かれております。