とのさま不経済新聞 by 雲葉

「よるのとのさま」から改題(2013年2月1日)

駅のエスカレータ考

2006年07月05日 | 新聞×読み
  新聞の投書欄などでもエスカレータの乗り方については議論がかまびすしいところです。やれ片側は急ぐ人のために空けろとか、それは間違った乗り方だと双方に主張がある。一応の正しい乗り方は業界団体が提示していますけど、あまりにも実態にかけ離れすぎ、もはや非現実的と言えましょう。

  それはさておき、拙者としては駅に限ってはエスカレータは原則不要ではないかと考えます。せいぜいホームと改札など1フロア分の上下しかありませんし、バリアフリーならエレベータで事足りると思うのです。(地下5階のような地底駅については改めて考えることにします)

  そのエスカレータも、昇降口が2か所あれば、それぞれに上りと下りを分けて作ればいいものを、同じ側に上下を作って、しかも階段を併設しないから余計に始末が悪い。これでは急ぐなら階段を使えと言われても著しい迂回を強いられ、かえって時間がかかります。

  しかもホーム→改札方向のは電車到着時以外は無人なので甚だ効率が悪い。東急でも東横線の武蔵小杉や日吉のように、分けて設置した例はすでにあるのに、新しくなった反町や目黒線の武蔵小山、西小山ではまた同じ愚を繰り返しているのはどうしたことか。おそらく保守点検の作業性優先で利用者の身になぞなっていないのでしょう。

  同じように何人もが一度に通れる広い階段を潰して上下1基ずつのエスカレータにしてしまった南武線の武蔵小杉は、電車到着のたびにホームが大混雑するようになってしまい明らかな失敗です。さらにエスカレータの混雑を嫌った人々が階段に近い車輌に集中するようになり、特定の車輌が大混雑するという弊害も起こっています。これは鉄道側にとってもデメリットでしょう。

  交通バリアフリー法の下で画一的にでも設置を進めねばならないのでしょうが、乗客の流れなど少しシミュレートしてみればより良い方法が浮かぶはずです。それとも「エスカレータなんか付けてもかえって混乱するだけだぞ」という点を示すための、国に対する無言の抗議なのでしょうか。