なでしこジャパン、8大会連続W杯出場権獲得おめでとう!!
昨晩のオーストラリア戦。『火垂るの墓』の緊急放送で日本中がどんよりとした雰囲気の中、親戚のおばさんのいびりに耐える清太の如く、序盤はオーストラリアの猛攻に耐えに耐える我慢の展開となりました。
清太もなでしこジャパンも逃げ出さずに必死に耐え、反撃の糸口を探ります。ところがパスの精度があまりにも低く、前半は自滅していた印象です。
そして後半、ワンツーで左サイドを深くえぐった長谷川選手からの折り返しに対し、フリーで待っていた阪口選手が左足でGKのニアサイドをブチ抜くゴール。長谷川選手は試合後のインタビューで、阪口選手が左足でニアを狙うところまで予測してパスを出したと語っています。
七輪を買ってきて自炊を始める清太を見たおばさんは「あてつけやん」と嘆きますが、清太は本当にそこまで考えていたのでしょうか。私はそうは思いません。そこに長谷川選手と清太の経験値の違いが見え隠れしますし、トップ選手のプレーは本当に奥が深いなぁと感心させられます。
最後5分間のパス回しも見応え十分。選手も監督も攻めて勝ちたかったでしょうけれど、そこをグッとこらえて飛び出さず、ボールを回して試合を終わらせに行きました。清太は親戚のおばさんのいびりに耐え切れず、家を飛び出し節子と壕で暮らし始めましたが、それを機に飢えとの戦いという悲劇が始まるわけです。清太もわずか14歳ですから、冷静な判断をしろというのは無理があるのかも知れません。しかしながら、浅はかな感情で親戚の家を飛び出し、妹を餓死に追いやった清太の罪は非常に重いと言わざるを得ません。妹のことを想うなら、なでしこジャパンのように一時の感情をグッと押し殺し、おばさんの家に留まる勇気を持つべきでした。
ラスト5分のプレーに関しては何やら批判的な意見も耳にしますし、解説陣もこのプレーには苦言を呈していたように感じましたが、この大会のミッションを考えればいい判断だったと思います。あそこで攻めに行けと言ってる方々は、ドーハの時のT先輩のプレーに関しても肯定的でいられるのでしょうか?相手がボールを取りに来ないのだから無理に攻める必要はありません。あそこはあれでOKです。ですからね、やはり清太は土下座してでもおばさんの家へ戻るべきだったと思うのです。そうすれば、少なくともふたりとも死ぬことはなかったはずです。
韓国にしてみれば苦々しい思いでしょうけれど、批判するなら同点ゴールを認めた主審にその矛先を向けて欲しいです。あれはファウルでノーゴールだったとしても不思議ではないプレーだったはずです。まぁ主審が認めたのだから仕方がないですけれど・・・韓国にはぜひ順位決定戦でW杯出場権を獲得して欲しいですね。
ひとつだけ文句を言うなら、本来なら最後は逃げ切って勝利しなければならなかった試合だったということ。最後の最後に(ファウルっぽかったですけど)押し込まれて追いつかれているという部分は大いに反省しなければなりません。
というわけで、清太にはなでしこジャパンを見習い、冷静に人生という試合運びを実現し、運命の分かれ目を乗り切っていただきたかったと。私はそのように思う次第であります。