タミフルについての東洋医学的考察

私がまだ小学生だった頃、日曜日の朝は『アーノルド坊やは人気者』を観るのを楽しみにしておりました。最近はアメリカのホームドラマってめっきり放送が減っちゃいましたねぇ。『ファミリータイズ』も観てましたけど、やっぱりアーノルド坊やの印象の方が強いです。




黒人兄弟が富豪の白人家庭の養子に迎えられ、人種差別や薬物など幾多のトラブルを乗り越えながら家族の絆を強くし、愛情たっぷりに育てられるというホームコメディの王道を行く作品でございます。私はこの作品から家族愛とデメキンの水葬を学びました（＾＾；）
先日、人種の壁を超えて第44代アメリカ大統領に就任したバラク・オバマ大統領。アメリカ初の黒人大統領が誕生した今、人種の壁を超えた絆で結ばれたドラモンド＆ジャクソン一家のドラマをもう一度観たいと思っている方も多いはず。日本ではDVDの発売予定すらないですし（海外では2シリーズがDVD化されているらしいです）たぶん無理なんでしょうけれど、何とかならないものかしら・・・。

ブッチャマンがいまだに気になって仕方ありません。
はいどーも。今日は懐かしのドラマから入ってみました、院長でございます。
さて、本日の本題はこちら。

インフルエンザ、全国に拡大＝「Ａソ連型」が中心か－感染研(時事通信) - goo ニュース

我が家が壊滅させられたのはA香港型でございました。そのため全員タミフルがよく効きまして、最後に発病した娘も今日の夕方にはすっかりいつも通り元気に回復致しております。
しかしこれで油断していると、今度は型の違うインフルエンザに罹患してしまう可能性だってございます。引き続きうがい＆手洗いは徹底して参りたいと思っております。

さてそれでは、インフルエンザの時の脈の変化をね、ちょっと語ってみようかなぁと思います。
何かの参考になるかも知れませんのでね。

比較対照として、まずは普通のカゼの場合。
外邪の進入経路ってのはパターン化しておりましてね。先日関東支部の相澤先生の講義を受講された方はおわかりだと思いますが、外邪は太陽経実熱→陽明経実熱→肺（実）熱→胃（実）熱→少陽経実熱→肝実熱→腎実熱という具合に進行して行きます。我々が臨床で診るのはせいぜい胃実熱くらいまで。それ以上進行すると通常は入院コースなので、とりあえず胃に外邪が停滞しているあたりまで把握しておけばOKだと思います。

一方、インフルエンザの場合はちょっと違う。
肺虚から始まるのは同じなのですが、ここから外邪が一気に胃までズドーンと深襲致します。悪寒から発熱、諸症状の出現までの進行が急速なのはこのためだと推測されます。
体力があればこの状態で数日苦しんで解熱するわけですが、体力が低下しているとどんどん外邪は進行して死に至る事もあるというわけでございます。

通常のカゼの場合、体は停滞している外邪（実熱）を発散して治そうと致します。ほら、水分をたっぷり摂って、お布団に入ってたくさん汗をかきますよね。すると熱が発散されて、朝方にはすっきり解熱する。

それではタミフルを飲むとどうなるのか？

そもそもタミフルはウイルスを殺すお薬ではありません。ウイルスの活性化を防ぎ、増殖を抑えるお薬でございます。
という事は、外邪が停滞している場所は服用後も変わらず、それどころかかえって長時間同じ場所に実熱が停滞する結果になります（タミフルによって外邪が動けなくなるため）。要するに、躁状態の時と同じ状況が出来上がるというわけでございます。
これが一連の異常行動と呼ばれる副作用の一因じゃなかろうかとね、今回思ったわけですよ。

こういう状態はタミフルを使用しなくても起こるでしょうし、タミフルを使用したからといって誰もが起こすとも限りません（体質的に脾虚の方が起こしやすいのだと思います）。
異常行動がタミフルによるものか否かの判断が難しいのはこのためですが、異常行動が子どもに多かったのは臓腑の気が未発達な子どもは体質的に脾虚である事が多いためではないかと考えております。

「体質的に脾虚の人が（タミフルによるものも含め）一定時間脾虚胃実熱証を経験すると、躁状態を引き起こす可能性がある」
というのが私の結論でございます。

でもね、何も怖がる事はないです。いいお薬ですよ、タミフル自体は。
使わなくても治りますけどね。便利なお薬だとは思いました。