WEリーグチェアにJリーグチェアマンが兼任で就任

女子プロサッカーリーグ、WEリーグが今週末開幕いたします！

･･･はい。皆さん、ご存じないでしょう？

然もありなん、然もありなん。

WEリーグはとにかくプロモーションが下手なんですよ。開幕を数日後に控えたこのタイミングでもなお、「WEリーグ」「女子サッカー」のキーワードがテレビや雑誌から入って来ないのはやっぱりおかしいです。

SNS意外ではほぼ試合が周知されていないので、集客にも苦労しています。3シーズン目だった昨シーズン1試合の平均観客動員数は1723人。プロリーグスタート時、3年前にWEリーグが掲げた目標が平均5000人なので、その半分にも満たないというのが現実です。
JFAはWEリーグスタート時、最低でも5年はリーグを維持することを保障しています。しかしそれは裏を返せば「5年で結果が出なければプロリーグは打ち切り」になるということ。WEリーグが存続できるか否かはあと2シーズンの結果で評価されます。その目安となるのは当然、観客動員数です。

「女性」を強調すれば集客できるかと思っていたのに、思うように観客が来てくれない。

WEリーグは焦り始めました。さて困った。

･･･そうだ、Jリーグに全面協力してもらおう！

という話があったかどうかはわかりませんが、今後はそれが現実のものとなるかも知れません。Ｊリーグの野々村チェアマンがＷＥリーグ3代目チェアに兼任で就任、JFAの宮本会長が兼任で副会長に就任することが報じられました。

【プレスリリース】
役員改選に関するお知らせ

✅https://t.co/uBAb0VeL5O#WEリーグ

— WEリーグ｜日本女子プロサッカーリーグ (@WE_League_JP) September 11, 2024

【役員改選】
WEリーグが次期役員候補者を発表…野々村芳和氏が理事長、宮本恒靖氏が副理事長に就任へhttps://t.co/aor8BVjhv3

🗣️編集部より
「この度承認された次期役員候補者は今月26日に開催予定の定時社員総会ならびに理事会の決議をもって正式に役職が決定することとなります」

— サッカーキング (@SoccerKingJP) September 11, 2024

WEリーグ最大の失敗は「なでしこリーグ」の名称を捨てたこと。これに尽きると思うんです。

WEリーグクラブや関係者は自分たちをどこか特別な存在だと思っている節がありますけど、そこに世間とのズレが生じています。残念ながら「WEリーグ」の名称は一部の女子サッカーマニア、サッカーフリーク以外にはほとんど知られていません。
高田チェアはなでしこリーグ理事長も務めており、水面下でなでしこリーグとの統合を模索していましたが、それに対してはWEリーグ関係者からの反発が非常に強かったそうです。

サッカーWEリーグ理事長、野々村チェアマンが兼任へ - 日本経済新聞

一般人にとっては「なでしこリーグ」のネームバリューは今も絶大です。高田チェアは女子サッカーの象徴として「なでしこリーグ」の名称を取り戻そうとしていたのに、その思いは最後まで関係者に伝わりませんでした。

ある意味で権力闘争に敗れた高田チェアは任期満了で退任。結局、あれだけ「女性の活躍」を謳っていたWEリーグが選んだのは「Jリーグとの協力関係の強化」という道でした。
WEリーグは設立当初の理念を捨て、遂に禁断の果実に手を付けてしまいました。これが吉と出るか、凶と出るか。捨て身の覚悟で最後の賭けに出たような印象は拭えません。

WEリーグは今週末開幕です･･･。

あ、なでしこリーグはまだシーズン真っ只中ですよ～。

女子サッカー、とっても面白いですから、お願いだから皆さん興味を持ってあげてください。