はじめての鍼

突然、患者さんがひとこと。
「今日は鍼をやってみたいと思うのですが・・・」

一瞬、僕も間があいて、次に出た言葉は「わかりました、今日は鍼で治療してみましょう！」

初診は５年以上も前の患者さん。これまで定期的に通ってくださっていましたが「鍼は怖いのでお灸で」との要望があり、今まで一度も鍼をした事はありません。本治法（気の過不足を調整する大切な治療）は『てい鍼（刺さない鍼）』を使用し、その他は全て温灸と直接肌にすえる透熱灸のみで対応していました。

鍼は怖いからお灸で・・・。こういう患者さんは意外と少なくありません。そういう時には「鍼をやってみたくなったらいつでも相談して」と伝えていますが、患者さんの好みもありますから無理に鍼治療を勧めるような事はしていません。そもそも無理強いの治療が効くとも思えませんしね。

それが突然「鍼をやってみようかと・・・」という言葉を聞いたものですから、そりゃ驚きました。でもそれと同時に『興味を持って頂けた』という事に対してとても嬉しい気持になりました。
５年間脈を診て、お腹を診て、お灸をしてきましたが、鍼をするのは今日が初めての日となりました。

治療後。

「こんなに気持ち良いならもっと早くやってみれば良かった」
次からも鍼で対応しましょうね。あ、せっかくなのでお灸も取り入れて治療を組み立てましょう！