実戦教師塾・琴寄政人の〈場所〉

震災と原発で大揺れの日本、私たちにとって不動の場所とは何か

NG 実戦教師塾通信八百八十三号

2023-10-20 11:26:32 | ニュースの読み方

NG

 ~「いつか来た道」・下~

 

 ☆初めに☆

原発事故が裁判になったのは何故か、ここで振り返るのも良さそうです。それは、東電が「我々に責任はない」と堂々の姿を見せたからです。あんな甚大な災害を想定できるものか、と胸を張ったからです。謝罪はしているのですから、当然、何のための謝罪かと思います。原発事故で、はしなくも露呈した「誰も責任をとらない」システムは、我が国の伝統なのでしょうか。さて、ジャニーズ問題の後編です。原発事故とは違ってますが、取ろうとしない「責任」について考えます。「世間知らず」ということか、もともと「仕組まれた」ことだったらどうなのか、の辺りです。

 

 1 「責任」の所在

 新しい事務所に誰が残る(移るでも事態は同じことだ)のか、スポンサーが契約を継続するか等がニュースを賑わしている。そうして、ほぼ総ぐるみで「後ろを振り向かない」「前ばかり向いた」状態となってる。過去をどう検証し、どう対処するかが問われているというのに、「ジャニーズを全て清算」の中で「新たな過去」が積みあがっている。見過ごしてはならない。ここまでで顕著だったのは、会見で見せたジャニーズ事務所の「無防備」、ないしは「狡猾(こうかつ)な」スタンスだ。主催はジャニーズ事務所、しかし、運営は「別会社(FTI)」なのだ。事務所が「別会社を雇った」のではなく「任せた」ものとなっているのが、大体おかしい。以下は、一般紙とスポーツ紙、ネットやテレビを参考にするものだ。事実は伝えられているが、何が起きているのか分かりづらいものとなっている。ジャニーズ事務所は今まで、スポーツ紙記者にだけ会見終了後の囲み取材を許可して来た。そこを頭に置いて読んで欲しい。前出の「大人たちの姿を見せたい」副社長発言に「多数の取材陣から拍手」を思い出すと分かりやすい。

 問われるべきは、もちろんNGリストである。この時のやり取りは重要。事務所側はリストの存在を「知っていた」が「(どの記者も)当てないとだめですよ」と念を押した。にもかかわらず「聞き入れられなかった」(だと?)と、記事(中日スポーツ:以下同じ)にはある。どこまで本当なのか分からないが、これは運営会社のコンテ(台本)を検討中の出来事だ。打ち合わせ段階からリストがあったことを誰もが否定していない。つまり、少なくとも二点において、ジャニーズ側は決定的な間違いをおかしている。①NGリストを使ってはダメと「申し入れ」た。②それを相手会社が「NO」と言った。ことである。どっちが雇ってどっちが雇われているのだ? 「申し入れ」るのでなく「命令」ではないのか。「NO」と言わせてたらダメだろ。その後のことで、さらに愕然とする。「約束が守られなかった」ので、「謝罪して欲しいお願いした」のである。下線部が重要だ。この会社「外資なので謝罪には許可が必要」な、エライ会社のようだ。裁判に訴えられかねないとでも言うか。謝罪はさすがに「ジャニーズ側にせよ」と求めたんだろな。まさか、ジャニーズファンや報道陣に対してではあるまい。そっちに謝罪するのは、ジャニーズ事務所の方だ。

 

 2 頼みの綱

 運営会社は、リスト作成の理由を「限られた時間の中での円滑な運営のため」(朝日:以下同じ)だったとする。それでも、進行は「幅広い記者の皆さまにご質問を頂戴」したという。大荒れの会見は、当社運営の賜物(たまもの)とでも言うか。私たちが注視しないといけないのは、ジャニーズ側と運営会社の間で「会見が荒れた責任」の検証が行われないことだ。その一因となった「会見2時間」「一社一問」「追加質問なし」のルールについて、ジャニーズ側から同意があったのか、そもそもジャニーズ側からの提案だったのか、私たちは未だ分からずにいる。説明の柱が「誠実」ではなく「円滑」となる会見が紛糾するのは、ここの読者なら原発事故や大川小学校、舘山いじめ問題などから、当然と思うだろう。「リスト禁止の申し入れ」や「謝罪のお願い」という、世間では通用しないみっともない経過は、他でもないジャニーズ側が公表したのだ。自らの恥じと言っていいことを、どこに訴えたかったのか。こんなジャニーズ側がすがれる場所は、自分たちをまだ必要としているジャニーズファン以外にはない。事実、ジャニーズ事務所を、ジャニーズファンの殆どが見放していないという世論調査もあるようだ。彼らには「再生を願う事務所」が、ここまでひどい目にあうことはないと映っている。ファンが行きつく批判の対象は、執拗に追及する報道陣(の一部)や運営会社となる。しかし、運営会社は「謝罪できる立場にない」が「会見はちゃんとやった」という。「誰も責任を取ろうとしない」我が国の伝統は、また引き継がれる。飛躍するようだが、歴史のひとコマを振り返っておく。

命令によって中止を求めなかったのは、運営会社の地位を尊重し、自発的に中止を求めようとしたためであるのに対して、運営会社事務所の意中を無視して強行し、事務所の信頼を裏切った」

これは満州・ノモンハン事件への参謀本部作戦課長の述懐である。つまり、下線部は私の創作であって、正しくは、

「大命によって中止を求めなかったのは、関東軍の地位を尊重し、自発的に中止を求めようとしたためであるのに対して、関東軍は中央部の意中を無視して強行し、中央部の信頼を裏切った」

のが、当時の作戦課長の感想だ。このいい加減な意思疎通が、戦争を泥沼へと導いていく。

 

 ☆後記☆

子ども食堂「うさぎとカメ」、明日となりました。明日向けの記事(裏側)お送りしま~す。藤井君で~す☖⛊👍

今年も庭の金木犀が、むせかえるような香りを送ってくれてます。今日あたりはもう散り始めてますが、感謝です🌺

サバが美味しい🐡 ブリが美味しい🐟 かつ丼が美味い🍚 秋よありがとう!

来週は宇都宮からのレポートになります。それにしても、アメリカが許せません。


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