インド人には、ふたつのタイプしかいない。ほんのごく一握りの富豪(大金持とは違う)と、貧民である。
それが90年代、政府の自由化政策により世界中から仕事を需給し、情報産業を牽引き役として近年急成長してきた。エール大学大学院を卒業して、ゴールドマン・サックス時代著名なアナリストととしてBRICsレポートを書いたレーバーさんによると、21世紀の世界経済を担うのは欧米ではないと言う。年率6%でGDPの伸びているインドは、2030年には日本を超える。インド人は、歴史上初めてかもしれない「今日よりは明日の方が良い暮らしができる」という希望の光が見えているのである。その光をつかんだ富豪と貧民の間に位置する「中間層」が育ちつつある。年間2500万人誕生しているという貧困をぬけだした中間層は、消費の喜びと購買意欲が旺盛である。
ニューデリーから車で1時間。郊外に高層マンション群が建っている。このグルガオン地区にターガルさんは妻と一人娘と暮らしている。大学卒業後、マーケティング関係の仕事をして、新婚時代は年収230万円ほどで両親の家を間借りしてスタート。15年たった今では、年収1300万円で3年前に620万円で購入したマンションが2700万円に高騰。マンション内での彼らの室内は、欧米風に整えられたインテリアで快適そうだ。お小遣いは、インド株の投資で捻出するが35%アップで今のところ不自由はしていない。週末は、家族で巨大なショッピング・モールで2時間かけて買物を楽しむ。その消費欲は、豊富な商品とこれまでの耐乏生活の飢餓感がクロスしてパワーに溢れている。
こうした消費者をめあてにお買物天国を提供しようというのが、先のG・Sから転進してきたレーバーさんたちが経営する「Big Bazaar」である。不衛生で質の悪い商品を市場で売る従来の買物形式を変え、欧米流の高品質、品揃えが豊富で清潔で整然とした売り場の巨大スーパーを出店。今はムンバイから離れた郊外スーラトに出店の準備で忙しい。スタッフに掃除と棚の整理を教育し、増えつつある共働き家庭用にインスタント食品も陳列。新鮮で質の高さにこだわるために生鮮食品は3割を廃棄処分する徹底ぶり。おかげで初日は2万人もの買物客で終日ごったがえした。この旺盛な買物を支えるのが中間層ばかりでもない。徐々にスラムで生活するような貧困家庭にも広がり始めている。小さな小屋に3世帯が同居しているような家族にも、お金をせっせと貯めてテレビを買おうという意欲もわいている。
そしてただ買物をするだけで満足してきた人々から、あらたなタイプも生まれてきつつあるのがインド市場だ。左の画像は東京リアルクローズではないが、サリーではないインド・リアルクローズを身にまとったモデルが次々に登場するファッションショー。豊満がインド女性の美の基準だったのも今は昔。国が豊かになるのに反比例して、インドでも女性の体重は減少する傾向にある。99年00年とミス・ワールド1位の栄冠に輝いた世紀の美女は、スリムで長身の欧米スタイルのインド女性だった。自ら働きお金を手にしたインドの女性たちが、ファッションに費やす行動は日本と変わらない。さらに裕福になった人々は、モノを所有する満足から、次はいかに美しく趣味のよいモノで自分の環境を整えるかに関心が向いている。将来性の豊かな家電市場でも同様であるが、先行隊である安い韓国製品に、日本の優秀な家電は苦戦を強いられている。巻き返しを図るには、高性能にグッド・デザインをアピールすることを模索中。
11億の旺盛な消費欲は、海外も大きな商売のチャンスとばかりに注目されているが、このような現象をインド人のあるべき姿ではないと苦々しく感じている人々もいる。インド建国の父であるマハトマ・ガンジーは、生涯貧しいままだった。そんなガンジーの遺した言葉は、今日も尚重々しく彼らの胸に鎮座している。
「貧しくとも独自の価値観を大切に」
しかし一度豊かさを手にした人々が、快適な生活から国レベルで国家を考える視点をもつのは難しそうだ。
それが90年代、政府の自由化政策により世界中から仕事を需給し、情報産業を牽引き役として近年急成長してきた。エール大学大学院を卒業して、ゴールドマン・サックス時代著名なアナリストととしてBRICsレポートを書いたレーバーさんによると、21世紀の世界経済を担うのは欧米ではないと言う。年率6%でGDPの伸びているインドは、2030年には日本を超える。インド人は、歴史上初めてかもしれない「今日よりは明日の方が良い暮らしができる」という希望の光が見えているのである。その光をつかんだ富豪と貧民の間に位置する「中間層」が育ちつつある。年間2500万人誕生しているという貧困をぬけだした中間層は、消費の喜びと購買意欲が旺盛である。
ニューデリーから車で1時間。郊外に高層マンション群が建っている。このグルガオン地区にターガルさんは妻と一人娘と暮らしている。大学卒業後、マーケティング関係の仕事をして、新婚時代は年収230万円ほどで両親の家を間借りしてスタート。15年たった今では、年収1300万円で3年前に620万円で購入したマンションが2700万円に高騰。マンション内での彼らの室内は、欧米風に整えられたインテリアで快適そうだ。お小遣いは、インド株の投資で捻出するが35%アップで今のところ不自由はしていない。週末は、家族で巨大なショッピング・モールで2時間かけて買物を楽しむ。その消費欲は、豊富な商品とこれまでの耐乏生活の飢餓感がクロスしてパワーに溢れている。


11億の旺盛な消費欲は、海外も大きな商売のチャンスとばかりに注目されているが、このような現象をインド人のあるべき姿ではないと苦々しく感じている人々もいる。インド建国の父であるマハトマ・ガンジーは、生涯貧しいままだった。そんなガンジーの遺した言葉は、今日も尚重々しく彼らの胸に鎮座している。
「貧しくとも独自の価値観を大切に」
しかし一度豊かさを手にした人々が、快適な生活から国レベルで国家を考える視点をもつのは難しそうだ。
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