千の天使がバスケットボールする

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『僕の彼女を紹介します』

2005-06-20 22:09:12 | Movie
172センチの長身でロングヘアーの巡査ヨ・ギョンジン(チョン・ジヒョン)が持ち前の正義感から、静かに、しかし怒るととってもかっこいいのである。従来の外見上の女らしさの殻をやぶった女性像が、韓国でも大人気とは!そして武闘派でありながら、実は繊細で一途に人を愛する表情がとってもとっても可愛い。

ふたりの出会いは、なんとひったくりの誤認逮捕。本来だったら不名誉なだけでなく、これだけ罵倒されてイタめつけられたら逆ギレされて訴訟にまで発展しそうなのだが、気が弱くて人のいい女子高の教師、コ・ミュンウ(チャン・ヒョク)の場合は、必死に弁解するだけで哀れさをそそる。いや笑いをそそる。。おまけに又々彼女の勘違いで麻薬取引現場にまで、手錠で繋がれたままひきづられ、さんざん振り回されて銃撃戦にまきこまれ命からがらで難から逃れる。ふたりの手錠がまるで「女主人と召使」の関係を表しているようなみじめなミュンウの姿に、同情する。いややっぱり大笑いする。

そして手錠で繋がれたこの日から、ふたりの「主人と奴隷」の関係は、一生の恋人への関係に自然になる。この初々しい巡査と教師のふたりの恋物語には、観客の誰もが微笑むだろう。そしてオンボロ車で旅行に出かけた帰り、大雨による土砂に車が流され、ミュンウは一度死にかけるがギョンジンの必死の救出によって命を救われる。その雨に濡れたギョンジンの必死な姿が、愛するものを失ったときの救いようのない絶望感を予感させる。

「猟奇的な彼女」からこの映画は二番目という予想を裏切り、前作におとらぬ作品に仕上がっている。チャン・ヒョクも知性的でよい俳優だとは思うのだが、なんといってもこういう役は、その容姿を含めて。チャン・テヒョンが最もはまり役と感じる私も、おおい満足させられる隠し球が最後にちゃんと用意されている。そしてタイトルにこめられたメッセージは、観客にとってもひとつの紙飛行機かもしれない。そんなファンのツボをおさえたような演出に、監督の余裕とセンスが見受けられる

冒頭にソウルの夜景のシーンがあるのだが、ため息がでるくらいに、そして意外といっては失礼だがNY並に綺麗なのだ。空爆の恐れから日没後の空中撮影が禁止されている政府を説得して、今回このような素適なシーンを見ることができたのだ。のんびりした日本とは違った、生々しい韓国の事情をしるエピソードでもある。後半の「奇跡」を「ファンタジー」ととらえれば、奇跡を信じないリアリストの方でも納得いく泣ける娯楽作品であろう。

電車のガード下の焼き鳥やで、ほろ酔い気分になりたくなる映画である。そういう時はスカートでなくパンツで、かっこよく。

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2 コメント

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はじめまして (wasewase)
2005-06-20 22:59:09
TBありがとうございます。おっしゃるように、こういう役はチャン・テヒョンが最もはまり役だと、私も思います。チャン・ヒョクも「英語完全征服」ではいい味を出してましたが(笑)。TBさせて頂きますね。これからも宜しくお願いします。
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「英語完全制服」観なくちゃ (樹衣子)
2005-06-22 18:28:12
ご丁寧にコメントもありがとうございます。

多少、チャン・テヒョンの方が好みというひいきめもありますが。

韓国のマスコミでは「2時間のCM」という批判もあったのですね。これは娯楽映画で、ファンタジーですから、別の視点で楽しめればよいかなと思います。wasewaseさまの非日常要素についていけない、という部分も理解できます。ちょっと泣ける映画というキャッチコピーが、安っぽくなってしまい残念。
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