千の天使がバスケットボールする

クラシック音楽、映画、本、たわいないこと、そしてGackt・・・日々感じることの事件?と記録  TB&コメントにも☆

『ぼくのメジャーリーグ』

2006-01-13 22:44:29 | Movie
友人に、ある球団に所属しているS選手の熱烈なファンがいる。投げる姿が綺麗だと惚れているピッチャーへのほれっぷりを、私はそこまでイケばもはや”ストーカー”の域と揶揄しているのであるが、なにしろ年間シートは勿論抑えていて、できうる限り試合のある日は、熱があっても球場にたどり着く。場合によっては、地方へも遠征する。球団主宰の高額な福袋も、指輪を買ったつもりで♪と家族にわけのわからない煙幕をはって説明して申し込み、見事当選。家族とS選手との大金のかかった写真を含めて、ツーショット写真を眺めるその姿は年齢を遡り、恐いくらい清純な恋する乙女に見える。
そんな彼女の恋バナで、私がいたく感動したのは、S選手の西武球場における重要な試合の時、彼女は試合中ずっと呑まず食わず(実際は呑めず食えずだったらしい)トイレも行かずに、一瞬の時も見逃すまいと視線がグランドにはりついていたというエピソードだ。

この恋は、本物だ。
私がGacktを好きなように・・・。

世に熱烈な野球狂は多い。友人は誰にも迷惑をかけず、仕事も家庭生活も実際は愛情をもってこなしているから、その追っかけぶりも含めて個性として認知されているのだろう。しかし、こんな野球狂の男は、どうだろうか。

その男は、高校数学教師。ちょっとふとめだが、真面目でチャーミングなベン(ジミー・フェロン)はボストンに住み、冬の公園で素適な女性リンジー(ドリュー・バリモア)とお知り会いになる。キャリアを積んで昇進する野心を持ち、尚且つジムでボディを整えるいけてる女リンジーには、可愛い結婚願望もある。欲望と願望が一致する年頃のふたりが、知り合いから体の相性も確認した”愛”に移行するのに、そう時間はかからないのは日本と同じ。いち高校教師と花形企業の役員近しという”身分”の差、収入の格差、育った家庭環境の違い、スリムなリンジーとの体重差を乗り越えて、友人の冷やかしもなんのその、彼らは一気にゴールインしそうな熱々ぶりだったのだが・・・。
春の兆しとともにふたりの間に、まるで嵐のような難問がやってくる。
プロ野球開幕だーーーっ!

この日を待ちわびている方は多いだろう。レッドソックスの熱狂的なファンである彼にとって、開幕戦とともにやってくる野球シーズンは、実に多忙な生活へと一変する。全試合を観戦すべく、カレンダーには予定がうまっていく。彼にとっては、このシーズンなによりも最も重要で大事なコトは、レッドソックスの試合である。

リンジーは、彼の趣味をはじめは寛大な気持ちで理解をしめし、歩み寄ろうと努力するのだが、その一般人の予測を超える熱狂振りに不安がこみあげ、最後には怒りが爆発する。リンジーの気持ちもよくわかる。部屋中レッドソックスのグッズに囲まれて幸福感を味わい、戦績に一喜一憂する男の幼児性と単純さにあきれ、こんな男だったら、出産途中も妻を放り出し、野球場にかけつけそうではないか。

もう、ついていけない。。。リンジーだけでなくても、私だってそう思う。
でも、でも、ふたりにとって、一番素適なことはなんだったのか、それを忘れられないのである。

「メリーに首ったけ」を手がけた自らレッドソックスファンでもあるファレリー兄弟の最新作「Fever Pitch」(ぼくのメジャーリーグ)は、典型的な今時のラブコメである。
男性よりも女性の方が社会的な地位が高い、収入も高くて高級なアパート住まい、男性が太めだが女性はスリムでキュートであるところがポイント。恋のアドバイスや相談にのってくれる本音で話せる何人かの友人グループは、競争の厳しい米国都心では必要不可欠。男が、にくめない変人である。電車男みたいだ。そんなごく普通の男性のささやかな願望を、少女漫画のようなノリで描いた映画である。
ニューヨークヤンキースの松井選手が、重要な場面でヒットを放つ場面や、本物のレッドソックスの選手も登場。
(日本未公開)


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2 コメント

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*こんにちは! (ダーリン/Oh-Well)
2006-09-10 14:41:47
★樹衣子さん、こんにちは~。



『二番目のキス』でのTBをお寄せ頂きありがとうございました!

先ほど、『メトロポリス』の方に頂いたコメントも拝読しました!

(―『メトロポリス』のエントリーにも間違って『二番目のキス』のTBを送ってしまいましたので(汗;)、お暇なおりに御削除お願いいたします~)



>当初の邦題は『僕のメジャーリーグ』だったのですが



もう、これで良かったですよネ!!



『二番目のキス』という邦題には、最早、“Fever Pitch”という、サッカーを扱った原作の存在も垣間見えて来ませんしねぇ…。



そう、オーストラリアの公開時は“Perfect Catch”というタイトルに変えて公開されたらしいのですが、これは、野球というもの、そして、恋愛映画に於けるハッピー・エンディングの示唆というものがいやらしく無く素朴に重ねられているかと思え、僕は好感を持てています。



***



樹衣子さんのエントリー、女性の視点からあのベンというキャラクターをすくいとられていてスリリングに拝読できました。^^



僕は、この映画から、一つには、MLB/アメリカ野球というものの輝きを引き立てようとする姿勢を感じ取れました。ボール・パークにワクワクと集まって来る観客たち、スタンド観戦する観客たちの喜怒哀楽の表情、姿というものがとても良かったです!



それではまた!

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ハンカチ王子旋風に寄せて (樹衣子)
2006-09-11 22:10:17
ご丁寧にコメントをありがとうございます。



>一つには、MLB/アメリカ野球というものの輝きを引き立てようとする姿勢を感じ取れました。ボール・パークにワクワクと集まって来る観客たち、スタンド観戦する観客たちの喜怒哀楽の表情、姿というものがとても良かったです!



この映画の最大の魅力は、これですね!

私は熱心な野球ファンというわけではありませんが、野球はあらゆるスポーツで最高におもしろいゲームだと思います。米国人の野球に対する熱意と愛情を描いた映画『プリティ・リーグ』『フィールド・オブ・ドリームス』に通じるものがありましたね。



>恋愛映画に於けるハッピー・エンディングの示唆



愛は勝つ。笑。。。

野球もいいけれど、女性との歴史は鑑賞というわけにはいきませんからね。キャッチボールは、何よりも大事。
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