千の天使がバスケットボールする

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ウィーン・ヴィルトゥオーゼン

2009-10-12 21:53:33 | Classic
ウィーンが呼んでいる。されど、音楽の都は遠し。今年もやってきたウィーン・フィル、、、なのにチケットとれず。
という私のような自由な時間も運もない者をなぐさめてくれるようなのが「ウィーン・ヴィルトゥオーゼン」のコンサートである。秋から冬にかけて、なんでもかんでも○○ウィーンだの、ウィーン××の文字がチラシで躍る東京。はてはて、だったらウィーン・ヴィルトゥオーゼンとはなにものぞと調べれば、ウィーン国立歌劇団&ウィーン・フィルの首席クラリネット奏者エルンスト・オッテンザマーが創立したのだが、弦楽四重奏とコントラバスに木管五重奏を加えた構成を原型に、レパートリーによってはアンサンブルにフレキシブルな編成をこころみるのがコンセプト。ひと言で言ったら、”こじんまり”。

だって、あのモーツァルトの交響曲第29番を弦楽器5人と管楽器4人のたった!合計9名で演奏しようとするのだから。着メロではないぞ。しかし、ある意味では演奏者にとっては通常のオケで弾く(吹く)よりも難しい。ひとりひとりがソロとして優れた演奏をしないと、全くさえない演奏となってしまうからだ。オケの迫力こそ足りなかったのはいたしかたがないが、音の美しさは本当に評判どおり。演奏の華やかさを意識してよく練られた構成と、アンサンブルの精緻さ。”こじんまり”も、その一粒一粒がカラヤンの言う「音の宝石箱」たるサントリーホールにふさわしい宝石の輝きを放っている。さすがに、ウィーン・フィルのメンバーを集めただけはある。コンサートマスターのフォルクハルト・シュトイデが奏でるストラディバリウスの音も美しく優雅である。
ただこの曲は4楽章あるのに楽章ごとに拍手がわくのも、さすがにいかがと懸念していたが、「リゴレット・ファンタジー」では演奏途中の拍手にクラリネット奏者のエルンスト・オッテンザマー氏から「スミマセン。チョットマッテクダサイ」との声がかかり、場内は軽い笑いに包まれた。

出色はフルート奏者のウォルター・アウアーがソロで演奏した「カルメン・ファンタジー」である。軽めの音質のフルートにも関わらず、カルメンの情念とドラマチックさをよく表現している。この方はとても巧いと思ったら、首席も務めながらソリストや室内楽奏者としてもご活躍されているとのこと。後半は、アンコール曲も含めてウィーンらしい音楽で盛り上がる。遠目にも燕尾服に白い蝶ネクタイとカマーベルトがりっぱな体格にはえる。この音がもっと豊かになったウィーン・フィルを想像すると、やはり世界最高峰のウィーン・フィルになるか・・・。

-------- 10月12日 サントリーホール ---------------

ウィーン・ヴィルトゥオーゼン

モーツァルト:フルートと管弦楽のためのアンダンテ ハ長調k.315
モーツァルト:交響曲第29番 イ長調 k.201
R・シュトラウス/ハーゼネール編:もうひとりのティル・オイレンシュピーゲル
 (交響詩「ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら」より)
ビゼー/プルヌ編:カルメン・ファンタジー
ヴェルディ/バッシ編:リゴレット・ファンタジー
R・シュトラウス:ばらの騎士ワルツ
J・シュトラウス2世:アンネン・プルカ
J・シュトラウス2世:ウィーン気質

■アンコール
ハンガリー舞曲第1番
トレッチ・トラッチ・ポルカ


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