きた産業のスローなブログ

会社のトピックスや出来事を、「スロー」に記録・発信するブログ。文章は、当社の各部門のスタッフが書きます。

熊本にて、「本格焼酎技術研究会」

2010年07月08日 10時26分07秒 | Weblog

77日、七夕の日、九州・熊本市で「本格焼酎技術研究会」に参加しました。光栄なことに講師のご指名をいただき、「発泡性アルコール飲料の製造方法と設備」という演題で講演させていただきました。参加者は約100人、九州各地、そして沖縄の焼酎・泡盛関係者の皆さんです。

 


 

講演サブタイトル 

ご覧の通り、サブタイトルは「本格焼酎+炭酸?」。「甲類焼酎+炭酸」(いわゆる「酎ハイ」)ならぬ、「本格焼酎に炭酸」とは「?(ギモン)」、な方も多いのではないかと思いますが、皆さんには熱心にお聞きいただきました。


 


20100708-2 

これは、本論の前に、「本格焼酎」、「泡盛」、「甲類焼酎」の3種の過去半世紀の出荷量を統計データで示しているところ。

 

 



そのデータをアップでご紹介(といってもブログ写真では見にくいと思いますが)。10年刻みで1960年から2010年までの50年間を俯瞰すると、上段の「本格焼酎」と中段の「泡盛」は、ほぼ半世紀続いた増加局面から減少に転じたところ。一方、下段の「甲類焼酎」は一見、まだ数量維持しているように見えますが、「甲乙混和」(棒グラフの上部の濃い紫の部分)を除くと、減少局面であることがわかりますね。

 

 

 


三和酒類様講演 

こちらは三和酒類の岡崎さんのご講演。日本と同じ、麹でお酒を作る中国・アジア圏のお酒のお話。写真は、「生」と「蒸した」場合の、「リゾープスかび」と「黄麹」の繁殖状況の比較。

 



いいちこ カナダ向けラベル 

カナダ向けラベル。原材料は、Barley, Water, Barley Koji (Barley Mould Culture)と、「麹」を明記されています。海外に向けての麹文化の発信は、大変大事なことだと改めて感じました。海外市場における韓国の「焼酒(Soju)」と日本の「焼酎」の区分に、ちらりと言及されたのも個人的には印象に残りました。

 

 

 


酒類の食品学的機能性 

崇城大学の大庭教授の、「酒類の食品学的機能性」というご講演。「フレンチパラドックス」(フランス人は肉をたくさん食べるのに心疾患が少ない)以来、この15年ほどで急激にクローズアップされてきた「生体調節機能(=抗がん性、抗酸化機能、血圧降下作用、血栓溶解作用など)」についてのお話。

 



酒類の機能性における将来性 

酒類の機能性をさらにアピールする必要性のほか、「香りに可能性があるのではないか」、という示唆に富んだご講演でした。

 

 

 

懇親会 

さて、講演会が終わって懇親会。演壇で乾杯の音頭を取られるのは、熊本大学の木田教授。本格焼酎技術研究会の会長で、醗酵がご専門。乾杯は意外にもビール(!)でしたが、その後はもちろん本格焼酎(10銘柄ほど)、そして地元熊本の清酒、「香露」(熊本県酒造研究所)もでてきて、楽しく情報交換をさせていただきました。



お世話をいただいた熊本と沖縄の国税局・鑑定官室の方々、そしてお話させていただいたみなさん、ありがとうございました。

 

喜多常夫 (代表取締役)