【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

桑田真澄・佐山和夫『スポーツの品格』集英社新書、2013年

2014-02-14 21:27:44 | スポーツ/登山/将棋

             

  対談形式。スポーツの「品格」と標題にあるが、要するに「フェア・プレイ」精神を貫こう、ということである。当たり前のことなのだが、スポーツ技術を高めるためと称して、「暴力」が後を絶たない。日本のスポーツ界では、何度もその体質が取沙汰されたが、最近また、高校のスポーツクラブや女子柔道で、「暴力」が明るみになった。

  元読売ジャイアンツの投手、桑田さんは小中学校時代、そうした「暴力」を受けたし、またみてきたという。チームのある一人がエラーや失敗をすると、メンバー全員が「鉄拳」を受けるということもあったらしい。勝利至上主義が背景にある。

  著者たちに共通しているのは、スポーツの喜びは、勝利を目指すそのプロセスにあるのであって、「暴力」によっては技術は向上しないということである。

  本書の後半は、現在、東大野球部で指導している桑田さんの体験記である。「自分で試行錯誤して、考えて、発見する」ことが大事なのである。桑田さんはまた、ロシアの少年、少女にも野球を教えている。その話も面白い。この話も含めて、スポーツの価値、真髄を示す、生きたエピソードが話題になっているのも、楽しい。


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