【岩崎俊夫BLOG】社会統計学論文ARCHIVES

社会統計学分野の旧い論文の要約が日課です。

時々、読書、旅、散策、映画・音楽等の鑑賞、料理とお酒で一息つきます。

わたしが読んだ2冊目の東野さんのミステリー「ブルータスの心臓」

2010-02-05 00:13:54 | 小説
東野圭吾『ブルータスの心臓』光文社、1993年

            ブルータスの心臓 完全犯罪殺人リレー  /東野圭吾/著 [本]

 東野さんのミステリーは2冊目になります。

 読み進めていても、犯人が最後まで分らない殺人事件です。

 事件の概要は、産業機器メーカーに勤め、人工ロボットの開発をてがける末永拓也が関係をもっていた同じ職場の雨宮康子の妊娠がわかり、しかし彼女は子どもは堕ろさないということから始まります。

 その末永は企画室長の仁科直樹に呼ばれ、橋本敦司とともに康子の殺害を企てることを提案されます。実は、直樹も橋本も康子と関係していたのでした。

 殺害のための周到な計画が示され、それによるとAが大阪に靖子を呼び出し、殺害、死体を名古屋に搬送し、Bに死体を預けたあとAは新幹線で大阪にUターン、Bは名古屋いて死体を受取り、東名高速に入って厚木インターで降り、今度はこれをCが受取って東京まで運び、死体処理をするというものでした。A,B,Cに誰がなるのかトランプでのくじ引きになります。

 アリバイを確保するための方策を盛り込んだ殺人。ところが事態は意外な展開に・・・。実際には直樹が殺され、大阪に呼び出されたはずの康子は平気な顔をしていつもどおり出勤しているという事態が起こります。

 いったい、直樹を殺したのは誰なのか? そもそもどうして、計画の提案者が殺されてしまったのか? メインの筋はこの犯人探しなのですが、直樹の死体処理をした橋本も殺されるという謎、そして拓也が康子を殺害。

 オーナーの娘である仁科星子と結婚し婿養子の座をねらう拓也は、いったいどういう人間なのか? 一連の事件で当然、拓也には警察の嫌疑がかかってきます。

 読者は作者のその罠にひきづられていくのですが・・・。

 犯人は意外な人間でした。わりと最初のほうから出てくる人間ですが、その人が犯人とはと驚かされました。暴走した人造ロボットが引き起こした事件が下敷きにありました。そしてタイトルのブルータスというのはロボットの名前です。