日常のあれこれをそこはなとなく

料理、わんことの日々、海外ミステリを中心とした読書、ソフトバンクホークス、JAZZなどを書いていきます。

色彩を持たない多崎つくると彼の巡礼の年

2013-04-14 07:07:53 | 読書
村上春樹の新刊「多崎つくると彼の巡礼の年」を読みました。



僕は村上春樹はデビュー以来ファンとして読んできました。今回の新刊もこ心待ちにして来ました。たまたま発売日に移動中だったので、札幌駅の書店で手に入れることができました。札幌から旭川までの間に半分ほど読むことができました。



いつもの村上ワールドでした。控えめで規律ある生活を送る青年が主人公で、アイロンをかけたり、料理を作ったりします。ひょっとして村上春樹は現代の物静かな若者達を描きたかったのかな?と思いました。

中にラザール・ベルマンが出てきたのには驚きました。僕はクラシックにはあまり詳しくなくて、決まった人しか聞かないのですが、ラザール・ベルマンは大好きなピアニストです。六本木のサントリーホールに来た時に聞きに行った事があります。

この作品はあまり重い読後感がありません。それは村上春樹が極力そうならないように書いたからだと思います。隅々までバランス良く描かれた村上ワールドは心地よくて、行きつけのレストランでお気に入りのメニューを食べるような、安心感があります。でも、この結末はどうなのでしょう。続きをもう少しだけ読みたかったです。読んだ人はきっと同じ思いだと思います。
コメント
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