黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『天平冥所図会』山之口洋(文藝春秋)

2007-08-10 | 読了本(小説、エッセイ等)
天平18年。備前国藤野郡の郡司の娘・藤野別真人広虫と、大秀才と名高い貴族・吉備真備の娘・由利は、女官として出仕する為に平城の都へと向かう道中で、瀕死の少年・百世を拾う。父を捜したいという彼の手助けをすることになり、小役人・葛木連戸主と共にその行方を追う……『三笠山』、
天平勝宝8歳。広虫が上京し、戸主と結婚して10年。聖武天皇が亡くなり、光明皇太后よりその遺品を献納したいという話が。その任を任された戸主は、部下の畷と共に、その鑑定作業に追われていたが……『正倉院』、
天平宝字6年。6年後。藤原仲麻呂の傀儡である淳仁天皇とと孝謙上皇の関係が悪化、その対立は水面下で進行していた。
一方、若狭国守からの書状を携え、都へ帰る途中の戸主は、崖から落ち、誰にも知られぬまま亡くなっていた。彼の帰りを待ちわびていた広虫は、彼が失踪以来離れていた家で戸主の幽霊と遭遇する……『勢多大橋』、
5年後。淳仁天皇を廃した孝謙上皇は、重祚して称徳天皇となり、愛人である道鏡へ次々と高い位を与えていた。そんな中、“道鏡をして皇位につかしめば、天下太平ならん”という宇佐八幡大菩薩の神託が下り、大騒ぎ。その神託を確かめる為、広虫の弟・清麻呂が遣わされ……『宇佐八幡』の4編収録の連作短編集。

歴史ファンタジー(どちらかというと歴史寄り)。
時代物では、舞台になりにくいところを題材に選ばれているのがおもしろいですね。

<07/8/10>