黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『アイヴォリー』竹下文子(理論社)

2007-08-20 | 読了本(小説、エッセイ等)
墓地に住む、幽霊になったばかりの少女アイヴォリー・ホワイト……生きている時は“塚原美月”という名だったが、今の名前の方が、より自分らしいと感じている。
門を出ることはできず、その敷地内でしか行動できないが、幽霊仲間のカトーやマヨミらと共に幽霊であることを楽しんでいた。
墓地の管理事務所で働くおじさん・矢代だけは、幽霊をみることができ、いろんな話をする間柄。彼との会話の中で、忘れていた生前のエピソードを、断片的に蘇らせるアイヴォリー。
そんなある日、ペット墓地で出会ったひとりの少年…矢代以外の人間にも見えないはずのアイヴォリーのことが、見えているようなその様子に動揺し、思わず逃げ出してしまう。
それから数日が過ぎ、自分の墓の近くにガラスのかけらが落ちているのを見つけた彼女は、何故か恐怖に襲われる。
自分では拾えない為、矢代に拾ってもらおうとするが、あいにく体調を崩してお休み。そこで、たまたま再会した先日の少年・光介に頼んで片付けてもらうことに。それををきっかけに、その後も会う約束をするが、彼はアイヴォリーが幽霊だということを知らず……

ちょっと切ないけれど、素敵なお話でした♪
死んだことで、生きていた時よりも逆に“生きる”ということについて知った、アイヴォリーの姿が印象的でした。

<07/8/20>