黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『池辺の棲家』加藤幸子(講談社)

2007-08-06 | 読了本(小説、エッセイ等)
都会の片隅にある池のほとりの家で、30年来暮らしていた翻訳家・千亜子。夫は、2ヵ月ほど前に、年老いた母の世話をするため実家に戻り、目下別居のような状態。
ある日、鴉のクロウが弁天島にある廃社に、男と犬が寝泊まりしていると知らせてきた。千亜子は彼の存在が気になり……『狩人の夜』、
3ヵ月ぶりに帰ってきた夫。正月になり、娘夫婦と孫娘が遊びにきた。孫娘は、居間に棲むハエトリグモを気に入り、飼う為に持ち帰る……『蜘蛛娘の願い事』、
高校時代仲の良かった友人たちと花見会を催した千亜子。旧交を温め、昔を懐かしむ……『花尽くし同級会』、
かねてより刊行を望み、翻訳していたアフリカの作家の作品がようやく発売が決まった。足りないページ分を自らのアフリカ見聞記を書くことになった千亜子は……『蝸牛の午睡』、
孫娘が沖縄土産を持ってやってきた。その後老夫婦と孫娘は外に出かけ、夫と孫娘はボートに、千亜子は水生植物園を散策していたが……『腐葉の柩』、
夫は看病に疲れ、母を施設に預けて帰ってきた。
八幡神社の仲秋祭に、友人で小さな出版社を営むKと、夫と共に参加した千亜子は、神社に建てられた“名馬池月の像”に乗る……『月下走馬灯』の5編収録の連作短編集。

巡る季節の中で生命を感じながら過ごす日々を描いたお話。
自然描写に溢れた作品でした。特に、日本野鳥の会の理事を務められてるだけあって、鳥の描写が巧み。
ひらがなだけで綴られた、かたつむりの場面がかわいくて好きです♪

<07/8/6>