黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『カブールの燕たち』ヤスミナ・カドラ(早川書房)

2007-08-30 | 読了本(小説、エッセイ等)
タリバンの支配下にある、アフガニスタンの首都・カブール。廃墟と化した町では、私刑が横行し、人心は荒廃していた。
死刑囚の拘置所の看守を務めるアティク・シャウカトは、重い病に身を蝕まれている妻・ムサラトを抱えている。彼女の存在が重く心に圧し掛かり、鬱々とした毎日を送る彼だが、妻がかつて命を救ってくれた恩人であることから、見捨てることが出来ずにいた。
一方、夫婦ともに上流階級出身のモフセン・ラマトと、妻のズナイラ。職を失い、鬱屈を抱えるモフセンは、広場で行われていた、民衆の石打ちによる公開処刑に衝動的に参加したことをきっかけに、妻との間に溝が生じる。その仲を修復すべく、町の市場へ買い物に行くことにした2人だったが、その途中に起こった事柄により、さらなる断絶を生むことになるのだった。やがて口論の末、足を滑らせたモフセンは、運悪く死亡。かくして夫殺しの罪で死刑宣告されたズナイラは、アティクの拘置所に収容されるが、彼はその美貌に一目惚れしてしまい……

いろいろと切なくなるお話でしたが、一番の問題は、人々の心を荒廃させる、この環境なのでしょうね;

<07/8/30>


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