黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『白菊』藤岡真(東京創元社)

2006-04-10 | 読了本(小説、エッセイ等)
銀座にオフィスを構える画商・相良蒼司は、テレビでレギュラー番組を持つ超能力タレントというもうひとつの顔を持っている。しかし、そんな彼には超能力など微塵もなく、その活躍を裏で支えているものは、優秀な興信所による綿密な調査と自身の鋭敏な推理力だった。
そんな相良の元に、W大助教授の久村晄平から一枚の絵の鑑定依頼が舞い込む。墨で描かれたと思しき無数の折れ釘と球が画面にちらばっている不可解な絵。
しかし光線の変化で相良は、そこに鮮やかな一輪の白菊の姿を見た。丸に『光』の花押と“模ポントリヤギ”の文字が書かれていたことから、久村はその絵をロシアの芸術家・ポントリャーギンの作品を大黒屋光太夫が模したものだと推定、その元となったオリジナル作品を探してほしいのだという。
そんな中、依頼人である久村が失踪、そして相良を狙う何者かの影が……。

途中はかなり美術ミステリ的なので、超能力ネタは必要なの?と思っていたのですが、その辺はやはり抜かりなく(笑)。

<06/4/9,10>

『美しいキラル 1』前田珠子(新書館)

2006-04-10 | 読了本(小説、エッセイ等)
“美しいキラル”……それは、容姿の美しさが弱さを示す世界において、美貌誇りながらも強大な魔力を併せ持つという伝説の魔族・キラシャールのこと。
破呪師・ファガルは、ワケありの人間の青年・サリームと魔族の少女・リカリルの罠にはめられ、彼らを“
美しいキラル”の元へ案内することに……『彼にとっては不本意ななりゆき』、
珍道中を続けることになったファガルたち。サリームたちにより、ファガルの商売道具である破呪具が使えなくなった為、止む無く、腕はあるが顔が良い為に、仕事に恵まれないという破呪師の手伝いをすることになったファガルだったが……『彼女が受けた巨大な衝撃』、
人間と魔族の両親のもとに生まれたファガル。肉親である父がなくなり、その弟である叔父が彼の元へやってきた。あやうく殺されるところだった彼は、自らの料理の腕を買われ、叔父の家に引き取られることに……過去編『気の毒なファガル』の3編収録。

再読です。
かなり久しぶり~な作品ですが、どうやら既刊3冊が文庫化の後、新刊の4巻が出る模様。
楽しみです~vv

<06/4/10>