黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『1950年のバックトス』北村薫(新潮社)

2007-09-21 | 読了本(小説、エッセイ等)
後輩・美都子を家まで送ろうとした大学生・安西。ところが電車が止まり、急遽、彼の部屋で百物語をしながら、夜を明かすことに……『百物語』、
小説家・金木信介の元を一人の女性が訪れた。彼の作品に登場した、手鞠光一郎についてお願いがあるという……『万華鏡』、
山で亡くなったはずの藤城から届いた手紙。暑中見舞いのはがきに“あけましておめでとう”と書かれていて……『雁の便り』、
亡き義母が使っていた、夫の実家に伝わる包丁を修理に出した三津子は……『包丁』、
人気のない山に掛けられていたコートの謎とは……『真夜中のダッフルコート』、
大金持ち・山室と知人・桧山。昔に浸りたいという彼らが誘われた“箱庭”とは……『昔町』、
どんな恐怖映画も怖くないサラリーマン・隆一の怖いものとは……『恐怖映画』、
ついつい会話の端々に駄洒落が出てしまう奈津子と、生真面目でそんな洒落も解さない夫。出版社に勤める奈津子は、激務に追われつつも、息子とコミュニケーションをはかり……『洒落小町』、
自らの回想録に、“我死なば鯉幟をば立てよかし 凱旋したることのあかしに”という歌を書いた伯父が亡くなった。前夜式に出席した梨田は……『凱旋』、
一度も会ったことのないM***嬢に恋しているという、S***氏。実際に彼女に会って……『眼』、
“すれ違った恋人同士”である夫人と“私”。そしてそんな彼女を殺すことにした私。9月になり、私の心理学研究室に夫人がやってきて……『秋』、
家計簿をつけながら、ふと思いついて右手を冷やす私……『手を冷やす』、
大学で教鞭をとっている“わたくし”は、ある作家と“本について”という題で対談をすることになった。中学時代に手にした文庫に使われていた浮世絵に、何故か羞しさを感じたエピソードを語る……『かるかや』、
大学生・俊太郎は、恋人と携帯電話で話している際、つまらないことから口喧嘩になり……『雪が降って来ました』、
道夫が憧れる生徒会役員の先輩・百合子。密かにそんな彼女に“百合子姫”と名づけて、ほのかな思いを寄せていた。一方、道夫の同級生・健は、家でやたらと毒吐いている姉に“怪奇毒吐き女”と名づけるが……『百合子姫・怪奇毒吐き女』、
高校を卒業するまゆ子は、お別れ会で何かつくって持ち寄ることになった。そこで、昔買ったまま使われていなかった電気パン焼き機でマフィンが作れることを提案した祖父……『ふっくらと』、
温泉にやってきた“あたし”は、その天井を見てチョコレートを連想し、子供の頃に買った大きなチョコレートのエピソードを語る……『大きなチョコレート』、
一人娘の沙織が結婚し、夫婦水入らずで長野旅行に出かけた、宗一と陽子。旅館で観たテレビに幼い頃の娘に似た少女を見て……『石段・大きな木の下で』、
婚約した俊平と美砂。そこへ、俊平の祖母が結婚指輪を譲りたいといってきた。しかし何故か彼女はもう一つ指輪をしていて……『アモンチラードの指輪』
茨城で生まれ育った愛子は、今ではカメラマン。仕事で沖縄に出かけている間に母が倒れ、意識不明だという電話が入る。彼女が駆けつけると、幸いなことに意識を取り戻した。しかし彼女が最初にいった言葉は“なります”…心当たりのない家族たちは当惑する……『小正月』、
鮎子の息子・翔太が地元の野球チーム・ファイターズに入団した。折しもその公式戦の日に、姑・節子が遊びに来ることに。応援に行かなければならない旨を告げると、意外なことに節子は野球好きだという。そんな節子は、試合相手のチームの名選手・剣人を見て、彼のおばあさんの名を出し、尋ねる……『1950年のバックトス』、
声の仕事をやっている根岸美香は、カーナビの音声を引き受けることに。実務レベルの担当である、守口らとともに3ヵ月を費やす……『林檎の香』、
小学校からの友人を去年の秋に失った牧子。落語の券を2枚貰い、娘と一緒に見に行くことに……『ほたてステーキと鰻』の23編収録。

ほのぼのしたものからホラーなものまでバラエティに富んだ掌編、短編の作品集。作品数が多いので(それ以上に、話が短すぎるのでまとめにくいし;)、あらすじを書くのが大変~;
ちなみに『ほたて~』は『ひとがた流し』の番外編です。
この中では、『眼』と『1950年のバックトス』がお気に入り♪

<07/9/21>