黒猫書房書庫

スイーツ多めな日々です…。ブログはちょー停滞中(´-ω-`)

『完四郎広目手控 文明怪化』高橋克彦(集英社)

2007-09-03 | 読了本(小説、エッセイ等)
明治の世となり、神奈川県庁の役人となっていた戯作者・仮名垣魯文の元に、牧野松旭と名乗る青年が現れた。長崎出身の手品師だという彼は、新聞錦絵に描かれた、女性の惨殺事件についての矛盾点をあげ……『帰ってきた男』、
アメリカから帰ってきた香冶完四郎と魯文は、昔なじみの由蔵が、隠居する藤岡に顔を出し、一緒に伊香保の湯にやってきた。秩父の化け物屋敷の噂を聞き……『文明怪化』、
日本一の牛肉問屋・中川屋。以前は牛鍋屋も営んでいた彼は、ある事件に遭遇してからその商いを辞めていた……『人生双六』、
絵師・芳幾と弟弟子の芳年が喧嘩をしているという。どうやら芳年は、芳幾が描いた新聞錦絵の事件の解釈に納得がいかないらしく……『怪談指南』、
完四郎に思いを寄せるジェシカが、ニューヨーク・タイムズの記者として再来日。サンフランシスコに住む清国人の富豪の妻・リリーもたまたま拾った日本人・政吉の遺書を届ける為にやってきて……『びっくり箱』、
“ニッポン通信”というタイトルでニューヨークタイムズに定期的に記事を送ることになったジェシカ。新聞錦絵に目をつけ……『ニッポン通信』、
芳幾が事件を誇張して絵にしていた事を危惧する完四郎たち。女3人を殺害した巡査・熊吉の身内から相談を受け……『絵空事』、
死人の内蔵を取り出し、薬にしているという事件が起き……『死人薬』、
秩父で、神隠しにあい、戻ってきた娘・おかねに金毘羅が乗り移ったと評判に。駆け落ちした娘の狂言と踏んだ完四郎たちは、真実を明らかにする為出かけるが……『かどわかし』、
裕福な商家の娘が首をくくり自害したというが、誰にも理由に心当たりがないという。不審を抱いた完四郎は……『手口』、
静岡に移った徳川慶喜に警護役として付き従った人々は、そのままその地の開墾に携わっていた。そこで作っているお茶を売るべく、完四郎たちが手を貸すことに……『番茶組』、
ある新聞錦絵を見たジェシカは、それが記事の体裁をなしていないことに失望する。それは新たに布告された新聞紙条例に記された制約のせいで……『幻燈国家』の12編収録の連作短編集。

完四郎・明治編。
実在する新聞錦絵の謎解き風になっているのが、面白いですね♪

<07/9/3>