『小説 こちら葛飾区亀有公園前派出所』大沢在昌、ほか（集英社）

恋人である、人気ロックバンド“フーズ・ハニイ”のヴォーカル・青木晶と浅草に出かけた、“新宿鮫”の異名を持つ刑事・鮫島と鑑識の藪。途中でスリとそれに気づいて注意する男に出会う……大沢在昌『幼な馴染み』、
池袋のトラブルシューター・マコトの前に、両津勘吉が現れた。彼が好意を抱いている女性・静江がある男に騙されているのではないかと疑っていて、その相手の正体を探りたいらしい……石田衣良『池袋⇔亀有エクスプレス』、
警視庁を退官し、生まれ故郷の葛飾区に戻ってきた“私”。ふと立ち寄った模型屋で見かけた戦車のプラモデルに触発され、自分でも作り始める……今野敏『キング・タイガー』、
花咲慎一郎が園長を務める無認可保育園・にこにこ園に亀有公園前派出所の秋本麗子がやってきた。花咲が預かっている少女・加藤小鞠の祖父が無銭飲食をした為、小鞠を連れて行かなくては行けないという……柴田よしき『一杯の賭けそば　花咲慎一郎、両津勘吉に遭遇す』、
探していた盆栽の本があるという古本屋に行く為、中野を訪れた両津の上司・大原。かつて中野に住んでいた彼は、妖怪にあったことがあるという……京極夏彦『ぬらりひょんの褌』、
梢田威の務める御茶ノ水署に、両津勘吉と秋本麗子が研修の為やってきた。彼ら2人と御茶ノ水署の3人で、どちらが早く拳銃を手に入れることができるか競争することになり……逢坂剛『決闘、二対三！の巻』、
江戸川乱歩賞の賞金を目当てに小説を書こうと考えた両津勘吉。締め切りは明日だというのに諦めず、東京拘置所に取材に行ったりしつつ、作品を書き上げるが……東野圭吾『目指せ乱歩賞！』の7編収録のアンソロジー。

一流作家陣による、こち亀のパロディ小説集。
どれも原作の世界を活かしつつ、楽しい仕上がりになっています（笑）。
個人的に、京極さんの作品に登場する“老人”に、にやりとしていたり（笑）。

<07/9/15>