く~にゃん雑記帳

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<書家・小筆凰外さん> 鞍馬寺花供養に合わせ「墨心書芸展」

2014年04月08日 | ひと模様

【恩師の遺墨や仏リヨン教室の生徒さんの作品も含め70点余】

 京都市左京区の鞍馬寺修養道場で、書家・小筆凰外さん主宰の「墨心書芸展」が始まった。「第34回鞍馬寺花供養慶讃 心をみがくつどい」の一環。ふだん同道場で教室を開いている書道、華道、水墨画の先生や生徒の作品を一堂に展示している。会期は花供養期間中の20日まで。

 

 「墨心書芸」は1970年代前半に書家・安井吾心さんが鞍馬寺先代貫主の依頼に応じて書道教室を開いたのが始まり。安井さん没後は助手の立場にあった田中心外さんが継承し、墨に託す心の重要性から「墨心書芸」と名付けた。田中さんは京都書道連盟会長を務める傍ら、フランス・リヨンにも拠点を設け書道の海外普及に尽力したが、2007年に病没。その後を小筆さんが引き継いだ。

 小筆さんは5歳から安井さん、7歳からは田中さんの手ほどきを受けてきた。1990年代の半ば以降、フランスやチェコ、中国など海外の書道展に積極的に出品しており、2012年にはフランス・ロアールで個展を開催した。今年の夏も渡仏し、リヨンの教室を訪れるとともにまた個展を開く予定という。

 

 今回の書芸展の展示作品は全部で70点余。小筆さんは4点を出品している。教養道場の入り口正面に横長の力強い大作「心機一転」(上の上の写真)。与謝野鉄幹の歌「下にはふ鞍馬の山の木の根見よ 堪へたるものはかくの如きぞ」の書(上の写真㊧の左手前)は、まさに鞍馬~貴船の生命力みなぎる〝木の根道〟を連想させる。他に師・安井さんの遺墨「雲」や田中さんの遺墨「宇宙ハウスの子供達」、リヨン教室のフランス人生徒の作品6点なども展示している。

 小筆さんに京都で初めてお会いしたのは今から数年前。その時、書家で「小筆」ということなので、ついお名前について伺った。てっきりペンネームの雅号と思ったから。ところが「本名です」とのこと。伝え聞いたという小筆さんのお話によると、天皇家に昔、筆を納める製造元に「大筆」「中筆」「小筆」があったという。つまり小筆家は名前の通り、小筆を作っていたというわけだ。

  

 「書道インターネットギャラリー」をのぞくと小筆さんの作品「女皇皇」があった(上の作品)。「女」という字を構成する3本の線で女性の様々な表情や感情を表現してみたという。実に生き生きとした味わい深い作品。今年は師・安井さんが亡くなって丸40年。このため師を偲んで11月にお墓がある法然院で個展の開催を予定しているそうだ。


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