CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】壷中美人

2018-04-11 21:00:43 | 読書感想文とか読み物レビウー
壷中美人  作:横溝 正史

かの有名な金田一耕助シリーズであります
初めて読んだのですが、大変面白かった
当たり前なんでしょうが、読んでいて、古典的と思えるほど
事件が起きて、探偵がやってきて、事件が解決していくと
この段取りというか、形式的とすら思うような素晴らしさが
大変読みやすくて、また、それでいてわくわくと楽しい
小説をみっちり堪能できた気分でありました

この編が、金田一シリーズ内でどういう扱いなのか
そのあたりはわかりませんが、なんとなく想像できる範囲内の推理で、
何を切欠にそのほころびが見えてくるかと、
推理を実際に自分でもしながらというのが楽しいのであります

トリックは解りやすいというか、
多分そうなんだろうなと、早い段階から思うものの
実際の入り組んだ人間関係だとかが面白くて
示唆される様々な言動や、仕草なんかが
推理小説初心者の私には、ヒントが多くて楽しいと
そんな風に読めたのでありました
ただ、今回のキーとなった部分、女性の仕草というのには
ちょっと首をひねったというか、そういうものかなと
不思議に思ってしまったのですけども、
まぁそれがなくても金田一なら早い段階で気付きそうなもんだよなと
納得したりだったのでありました
出てくる人物が、どれもこれも一癖二癖とあって、
あくどいものは、容赦なくあくどいというのも
面白いところだと感嘆でありました

悲惨な事件として幕を閉じるのでありましたけども、
背景といえばいいのか、一種独特の世界観が、
そういうこともあるそうです、なんていう言葉だけで
語りつくされてしまっているのも面白くて、
なんか、金田一がそういうならそうなのかもと
うっかり騙されるではないが、納得してしまうところもあったり
ともあれ、楽しく読み終えたのでありましたとさ

もう一遍、可哀想な女の話もありましたが、
こちらもなかなか、あっという間に解決となるお手軽さが
読みやすくてよかったと思うところ
娯楽小説かくありきという感想を抱いたのでありました