CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】動物の値段

2018-04-04 21:51:26 | 読書感想文とか読み物レビウー
動物の値段  著:白輪 剛史

久しぶりに面白い本を読んだ
そんな気持ちになった一冊でありました
割合、あっさりと読みきれてしまうのだけども
書いてある内容は、かなりディープで面白い
専門家の話というのは、やっぱり興味をそそるものだなと
快哉でありました

動物を専門にして輸入輸出販売を行っている著者が、
そもそもどうして、そうなったか、
それは好きすぎたからと、天職を手に入れた人という
稀有な例であるものの、その愛情というか、
好きだからというのが昂じて、ここまでディープに
動物の売り買いに関係するというのが
なかなか楽しげでありました
好きなことで稼ぐというのは、途方もない難しさだと思うけど
ほどよく商業的にもこなれている様子で
面白いと思えてならないのであります

様々な動物が、売買される中、当然のように価格が存在して
それがどのように決められているかというお話と、
実際にあったお話、これくらいの相場観でしたというのと
双方が入り乱れているので、机上論ではなく
実地に基づいているだけに生々しくて興味深いのであります

輸入の方法や、飼育方法についてもかなり詳細に記されていて
著者が、爬虫類、あるいは両生類が専門というか
得意としていることもあって、
蛇の扱い方やら、亀の扱い方やらが大変ためになって面白かった
コブラとか、絶対飼おうと思わないけども、
こういう人たちは、とりあえず飼ってみようと思うんだなと
趣味人というか、好事家の恐ろしさを見たようで
面白いことこのうえないのでありました
植物業界でも、つまんない花だなとかいいながら、
どんなへんてこ植物でも、とりあえず育てたがる人を見たことあるので
だいたい似たようなものなんでありましょう

エリマキトカゲのひきこもごもだとか、
シャチの価格が恐ろしく高いことだとか、
ライオンが実は安いことだとか
色々とためになるというか、面白い情報にまみれていて
少し古い本なので、今とまた相場観も状況も異なるだろうと思いつつも
なんか、不思議な取引を行ったかのような気分にひたれて
大変有意義な一冊でありました

ペットと一口にいっても、様々な種類と趣味趣向があるんだなと
改めて思い知った一冊である