CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】茶花の文化史

2018-04-09 21:21:53 | 読書感想文とか読み物レビウー
茶花の文化史  著:横内 茂

茶花を集めて解説した本でした
植物学的な記述もあるのだけども、
どの茶会で使用されたか、いつから使われているかと
茶の湯の歴史に基づいた解説なので
非常にためになるというか、随分勉強になる一冊でありました
ただ、読んだだけで、まったく覚えていないのだけども
とりあえず、白い花というものが、
桃山のあたりから、随分注目を集めていたらしいと
それがわかっただけでもよいとしたい

思うに、現代と違って、こんなに色とりどりではなかった世界で、
花というのは、その異彩であったのかもしれぬと
感じたりするのでありました
ここに季節を感じたり、思いや、祈りのようなものがこめられたりと
そういったことが茶の湯の席で昇華されてと
なかなか、深いというか、難しいなぁと思わされたりするのでありました

季節ごとに分けられて、様々な花が紹介されておりまして、
福寿草とかも、茶花に使われているのかと
茎が短いとか、そういうことは関係がないのだなと
いまさらながらに思ったりするのでありました
そりゃ、朝顔を使うくらいだから
当たり前ではあるな

文献では、利休、宗二、織部、遠州と
様々な茶会記のそれぞれが引き合いに出されていまして、
こういうのを豆につけるというのがまた
不思議な文化というか、茶の湯というものだなと
思わされたりしたのであります
指南書に、使っていい花、よくない花なんてのも
あれこれと書かれていたんだそうで、
それがまた、時代によって異なるというのも
興味深いことこの上ないのでありました

日本人が、キキョウを相当に好んだというのが
なかなか興味深いところでありまして、
確かに、キキョウの花というのは好きな花ではあるなと
思わされたりしたところ、
このキキョウが、朝顔と混同されていたりするとか
文献をあたる難しさなんかも書かれていて
大変興味をそそるところでありました
数百年前に書かれたものが、本当にそれそのものを指しているとは
まったく限らないと、考えてみればなるほどなと
そういう気持ちなのでありました

めっけもんでもないが、織部が特に白い花を好んでいたらしいと
そして、梅の花がこれまた、随分好きだったらしいと
このあたりの知識が増えたのが嬉しいところで
白梅をどっかで見つけてきて、生けるというのが
なかなか、ステキなことなのかもしれないと
ちょっと、自分の園芸ラインナップを考えるのでありました
梅を育てようと思ったことはなかったが、
なるほど、面白いかもしれないと感じるのであります

茶を喫するのは好きだけども、
床の間もない自室に、ひとつ飾ってみたいかなと
思ったりなんだったりなのである
いい文化だ