CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】人工知能の核心

2018-04-10 21:06:16 | 読書感想文とか読み物レビウー
人工知能の核心  著:羽生 善治

ちょっと前にやっていた、NHKスペシャルの文章版であります
でも、内容はより羽生先生の言葉になっていて、
まぁ、面白いことこのうえない、素晴らしい一冊だったと
読み終わって感激した次第でありました
まぁ、私がファンだから仕方ないところでもあるんだが
面白かった、本当にもう

まず、文章としてというか、取り組んでいる命題も
非常に強い関心を引くもので、大変面白かった
AIが人間を越えるか
そんな質問はよくあるけども、
それが何を意味しているのか、どういうことなのかを
凄く丁寧に、凡人にもわかるよう
体系だててくれたかのように
羽生さんの疑問点と、それに関する解釈の説明がわかりやすい
凄い人だな本当にもうと、あっけにとられるほどでありました
この人は取材する人としても
物凄くレベルが高いんじゃないか、頭のいい人って
本当にもう、なんでもできちゃうなと感じた次第

人工知能がどういうレベルにあるのか、
何が問題点で、課題で、どうするべきか
このあたりについて羽生さんなりにまとめた内容が書かれている
その点も素晴らしいのだけども、
この本を通じて、羽生さんの勉強熱心なところと、
取材の上手さと、問題認識の鋭さ、などなど、
ともかく羽生さんに対しての畏敬ばっかりを覚えてならなかったのでありました
もう、ほぼ信者といわれても差し支えないくらいの気持ちに
なってしまったのであります

まぁ、自分が将棋に若干はまっているというところもあって、
たとえ話が将棋、とりわけ、ボナンザを扱ったりしているのがよくて
また、大局観という、羽生先生がよく語る言葉も、
このAIを理解するにあたって、その示唆、思索から理解できたというか、
人間が優れているというべきか、AIがまだできていないところの部分の
理解を助けられたようでありました、このあたりが本当に面白い
思考の展開という部分や、方法について、
そもそもの知能という定義から、いやー、もう、
考えることが多いなぁと感嘆でありました

個人的には将棋の本としても面白いと思えるようで、
このあたりが、ある種の大局観をもって、違う事柄から
将棋の手を考えるところに通ずるようでもあって、
まぁ、実際は気のせいなんだろうけども、頭がよくなった気分にさせてくれる
素晴らしい本だったように思うのでありました

語られている未来というか、AIのあり方、
どうなっていくかという部分、何が課題で解決されていくのかという話、
そして、AIに取って代わられた後、結局何か仕事は生まれて
やることはあるのだろうと結論づけられたところなんかが
とてもこころを軽くしてくれたようでもあって、
楽しい気分で読み終えたのでありました

久しぶりに心の底から面白い本だったと感じた一冊、
短い新書なのに楽しい時間を過ごせたのでありました