CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】幽談

2016-11-15 20:00:07 | 読書感想文とか読み物レビウー
幽談  作:京極 夏彦

怪談じゃなくて、幽談
たぶん、そういうことなんだろうと思うんだが
不気味な短編をいくつか収録した
とらえどころの無い小説でありました
面白かったかといわれると、難しいな

最後の話のインパクトが強すぎてというか、
そもそもの話は、何が怖いということか、
それについて考えた内容なのかとも思われるのであります
なぜ怖いのか、わからないから、という答えに対して
どうにか、肉薄しようという試みだったのか
読んでいて、おぞけ立つ何かというのは
残念ながら、自分にはなかったのでありますが
描かれていたこと、感覚が合う人には、それこそ
飛び上がるほど怖い話だったのかもしれないと
感じたのであります

得体の知れない感じというか、
上手に狂っていく様みたいなのを描いていて、
途中から、物語でもないが、話が、語り手が破綻していくという話が
それこれと出てきて、ある種気持ち悪い、だから怖いと
なるかどうかというところでありました
読んでいて、結局なんなんだと思わずつっこみたくなるような
不思議な感じで、これまた、
怖いというか、日常をたんたんと描いただけみたいな
むしろ、笑わせているのかという会話劇なんかもありつつで
とらえどころが、本当に難しいと感じたのであります

個人的には、ベッドの下に意味のわからないものが居るという話が
すこぶるお気に入りというか、妖怪の話なんかにもありそうだなと
これをだんだん受け入れていく滑稽さみたいなのが
凄いよくわかったというか、面白かったと思われるのでありますが
怖いってなんだろうねと、改めて考えてしまったのでありました
やっぱり、わからない、理解できないというのが怖いと
そんなことなんだろうか
死が怖いんだろうか、どうしてかしらとか

どうどうにめぐりつつの読書でありました

【読書】掏摸

2016-11-14 20:21:50 | 読書感想文とか読み物レビウー
掏摸  作:中村 文則

犯罪小説、といっていいのかどうか、
掏摸を生業にしている男を主人公にして、
世の中の不条理というべきか、ある種の条理について描いた
そういうお話だったと思われるのであります
芥川賞作家というだけに、身構えて読んだのでありますが
予想外に読みやすいというか、はらはらしながら読んだのでありました
随分、面白かったというべきか、楽しめたのであります

なんともいえない人間関係も描かれているし、
何か、得体の知れない恐怖めいたものもついてまわる、
投げっぱなしなのかと思うような、謎のふりをした何かもあって、
あれこれと、読みながら引っ掻き回されたようでありました

見せ場というか、一番の読み応えは最後にありまして、
どう考えても無理というミッションに身をやっするところで
ぎりぎりの思いつきで、綱渡りをしかけるという部分が
非常に面白くてよかった
そうか、そういう手を思いついたのかと
トリックにどきどきさせられたのでありました
この部分だけでも、十分に読む価値があったなんて
なるほどと感心しきりだったのであります

いくつか、考えさせられるところがありまして、
最終的には、運命というか、自分で生きるとはなんだろうかしらと
そんなことを思わされるもので、
自分でなんとかするのか、
他人に操られるのか、
それとも、そもそもそういうことではなく、ただ運命なのか
毎日がどう過ごせているかという
自分の視点と、客観とを改めて考えさせられる内容でありまして
満足度の高い小説でありましたとさ
笑うところはないんだが、なんというか面白かったのである

真田丸  完封

2016-11-13 20:46:13 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「真田丸」
視聴完了であります
待ちに待った大戦、そして、ロケというところ
馬が走り、ばたばた敵が倒れてと
楽しく拝見でありました

このドラマにおいては真田丸を作ったというのが
一番の功績でありまして、
おそらくは、これ以外に相当いくつかの
真田丸の戦いっぷりを撮影して
撮りだめしてあるんだろうなと思うのでありますが
今回は、そのうちの一部という感じなんじゃないか
そう思うくらい、思ったよりも少ないと
感じなくもなかったんだが
ともあれ、満足でありました
いいね、やっぱり馬が出てくるとステキね

いくつかの因縁浅からぬ人々との話も織り交ぜつつ、
最近なりを潜めていたというか、
もう居なくなったのかと思っていた、きりちゃんが帰ってきて
まぁ、いつも通りっぽくなってきたのも
なんだろうか、ある種の不安というか期待というか
先の楽しみが増えたようにも思うのでありますところ

大介の働きぶりを信繁の若い頃と重ねたのは
なかなかステキな仕掛けでありましたけども
敵方に植えすぎがきたから、
いつだったかの茶番の話も拾うんじゃないかと
心配してしまったのでありますが
まったくそういう状態はなくて
ただただ、景勝が、なんか人のいいおじさんになっていて
このドラマの景勝はこうだけども
どうなんだと感じた次第であります

でも、あの演技は好きだなぁ
エンケンさんの声の奮えがまた
すばらしくよかったと思うのでありました

あっという間に冬の陣も終わる様子で、
次回片桐殿がけしかける大筒で終了の様子
心配なのは、今回の馬が数頭しか用意されなかったことで
夏の最後はどうなるんだろうか
CGで増えるんだろうかと
心配しつつ、見ていくのでありました
なんだかんだ、もうちょっとで終わってしまうんだなぁ

【読書】遠野物語remix

2016-11-12 17:00:37 | 読書感想文とか読み物レビウー
遠野物語remix  作:柳田國×京極夏彦

初めて、遠野物語を読みました
まったく事前知識がなかったので、
今回読んだのが、まさに、遠野物語というものなのかどうか
それがわからないというのがもどかしいのですけども、
そうか、昔話集みたいな、民間伝承のどちらかというと
怪談に近いお話だったのねと
驚いたのであります、でも、すごい面白かった
こういうの好きだなぁとせつせつ思い知らされたのであります

以前に、山怪という本を読んで、
猟師に伝わる怖い話というか、不思議な話集を読んで
民話といえばいいか、こういう文化風俗史的なものは
本当面白いと思っていましたが、
その先鞭が遠野物語じゃないのかしらと
そう思わされたのであります
ともかく、潜在的といえばいいのか、
どっか、昔にはこういう話が山にあったんだろうなと
理屈じゃなくて信じてしまう感じが
たまらんと思ったのであります

大きくわけて、山人という存在の話、
河童の話、女がさらわれる話と、こんな塩梅で
remixのために、話が固められていて、
これがまた、読むほどに怖いといっていいのか、
わくわくするような、どきどきするようなと
ともかく物語に引き込まれて、とらわれるような感触があって
見事でありました、やはり、好きすぎるな

いくつか読んで思ったのですが、
なにせオチがないというか、落とすという気がない話だから怖い
そう思えてならないのであります
これをわざとやっているわけじゃなくて、
なんか、そうなんだと投げっぱなしにされるけども
腑に落ちるような迫力があるというところが素晴らしいと
騙されているのかもしれないけども、
これは、何かを見間違えたんじゃないかなと
思わせるような話もあるんだけども
そういう示唆を一切無視するというか、
もう完全に、物の怪か、祟りの影響でしかないという話が
ばっさりと、そのまま語り終えられているという
潔さというか、こういうのが
いくつも本物だと思わされて読むのが
もう、たまんなく面白いと思えるのであります

いいもの読んだと大変満足したと
メモっておくのでありました

台灣縦断旅行記 21 彰化扇形庫

2016-11-10 17:45:45 | 台灣縦断旅行記(2016)
大仏も見た、食事もした、さて移動しようか
そう思ったのでありますが、先に予約していた新幹線の時間まで
もうちょっとだけある、具体的にいうと1時間ほどある
彰化から高鐵台中まで10分くらいと考えれば、
もう一箇所、寄ってみるだけしようかと
事前に調べていた、扇状車庫を見に行くことにしました


彰化扇形庫
その筋では有名なんだそうですが、
京都は、梅小路公園のあたりにあるのと一緒だと思われる
そっちは見たことないのですけども
電車、機関車の車庫があるとの由

ふらっとガイジンでも大丈夫かしらと思っていると
受付で電話番号と名前書いてねといわれて
ホテルの番号なんぞ書きつつ無事侵入成功


鐵人
台北駅で見たやつとちょっと違うな
思ったりしましたが、台鐵マンの鉄像をありがたく拝見


さらに進むといよいよ車庫登場
ディーゼルカーと機関車っぽいのが居る
正直、鉄道の良し悪しというか、種類がさっぱりわからないので
滅法に撮影したんだが
とりとめがないというか、パンチのない感じでありますけども
だらっと、アルバムよろしく


扇の要というでもないが、回転盤

扇型になってる車庫

趣味人にはたまらない種類なのか、
展示用の普通の車両なのかはわからない

結構な人出でありまして、
子供連れの現地の人がいっぱい
車庫をうまいこと眺められるようにと
展望台も備え付けられているので早速登ってみる


上から見るとこんな塩梅
これと反対側には、私が乗る台鐵の駅が見えていまして、
見ている限りは敷地が繋がっているんだけども
実際には、走って15分くらいの距離がありました

というわけで、全然時間が足らないので
感動ひとしおではあるものの、
ゆっくりしている暇もなく、撮るだけ撮ったからと
最悪のカメラ野郎っぷりで退散
と思ったら、最後に足止め
いや、実際は入るときに気づいていたんだけども


出口にあったアデニウムの大鉢
見事な枝ぶりに、足を止められてしまった
台灣ならでは、と言っていいのか
日本じゃ、露地でこんな無造作に扱えるわけもなく
しかも、大ぶりになるわけがない、
さすが熱帯だなぁと惚れ惚れしてしまった
台灣のお金持ちが、これを何色も寄せ植えにして
凄い大きい鉢で玄関に飾るんだと聞いていたが
いや、立派なものであると感激ひとしおでありました

汽車を見に来たはずが、これに一番感動してしまった

と、それはさておき、本当に時間が危ないと
急ぎ走って戻り、雨も止んでてよかったと思いながら
彰化から、ようやっと高雄へと移動を始めるのであります


最後に彰化駅正面
今回の旅で最も充実していた観光を楽しませてもらった

【読書】サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠

2016-11-09 20:52:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠  著:ジリアン・テット

久しぶりに面白い真面目な本を読んだ
そんな満足感に浸っている次第であります
時間かかったけども、好きなジャンルというのはいいですな
多少難しくても読もうという気力がわいてくるというか
すげぇ寝不足だよ
そんな按配であります

内容としては、組織の硬直化を扱っておりまして、
官僚組織、縦割り、習慣化の恐怖といった部分を
大変わかりやすく扱い、かつ、これらを
人類学という観点から紐解いてみたという意欲的な書物でありまして
いくつかの、組織が肥大化していくなかで
硬直し破滅、失敗を招いてしまった事例をあげながら、
同時に、これに抗うことによって成功した事例も見せて
この困難な問題
集団が一定数を越えると、また、年数を重ねると硬直化していくことへの
警鐘と、考え方について語られていて
非常にためになったのであります

個人がどうしたという話についても、
習慣化という部分で触れられているのが興味深いところで、
結局、属している社会のスタンダート、社風や、家風といったものに
あっという間に染められるというか、
そこへの違和感を覚えなくなってしまうということが
危険をふりまいているというお話でありました

こういうのをアウトサイダーが見ると
不思議だなと思ったりして、その凝り固まった状態をサイロと呼び、
サイロができた組織は、弊害によって失敗を招くというお話、
さらには、サイロとサイロの間に、凄まじい鉱脈があって
これを掘り当てることでうまいことやれるという話もあったりの
読み応えたっぷりでありました

実例として、ソニーの失敗とアップルの成功があげられていて
どちらも、今までに語りつくされた感もある内容でしたが
人類学という分野と、サイロというくくりで解説されると
より鮮やかにその違いというか、仕組みがわかったようにも思われて
大変有意義でありました
また、サブプライムローン騒ぎのときについても
同じ現象が見られたという考察も興味深くて
このあたりは、マネーショートと重ねて読むと
よりなるほどという具合に思えて
なんというか、大変面白かったのであります

イノベーティブな人たちが、知らないうちに駄馬となる
そのジレンマというか、恐怖の仕組みについて
深く考えさせられるとともに、
自分について、本当に官僚組織というのが嫌いなんだなと
理解できたのもあわせて
楽しい読書でありました

台灣縦断旅行記 20 老担阿璋肉圓と猫鼠麺

2016-11-08 21:01:16 | 台灣縦断旅行記(2016)
彰化の街をつらつら歩きしつつ、
昼飯に食べようともくろんでいた肉圓(バーワン・ロウユェン)を探す


小吃の街といった様相
この画面内に見える、彰化肉圓、阿璋肉圓、猫鼠麺の3店が
特に有名なのであります
事前調査の甲斐もあって、無事たどり着いて
あとはどの店で食べるかというところなのであります

とりあえず、彰化では、肉圓が名物だと聞いていたので
最有力の彰化肉圓か、老担阿璋肉圓のどっちかでと悩む
結局、老担阿璋肉圓の方に、蔡総統が美味しいといっていたという
新聞記事が貼り付けてあったので
こっちを選択することに、というか、明らかに混んでるのはこっちなのだな


名物肉圓(左)と貢丸湯(右)(75元)
バーワンと、ユーワンタンという発音でいいと思うのだが、
おっかなびっくり注文したところ、お盆で出されて
テケトーにカフェスタイルの机に移動して食べることとなる
なんか急いでいる人が多いというか、
ぱぱっと食べて、ささっとどっか行く感じで
人の出入りが激しいというか、にぎわっているお店でありました



デスクに薬味があったので早速使ってみる
薬味の味噌のほうはなんか甘い感じのタレで、
もう一つは、ラーメン屋の葱のように、
お代わり自由の香菜(シャンツァイ)でありました
つまるところコリアンダーでありますね
最近流行りのパクチーというやつさ

さて、肉圓(バーワン)
前日夜のバーツァン(肉粽)事件を思い出しつつも
ここではバーワンの発音が間違いないはずだと信じるところ
お肉、しいたけ、たけのこ?みたいなものが、
分厚いぷにぷにした皮のようなものに包まれていて
甘辛いタレがかかっている
この皮が、餅みたいに伸びる、食べて特に旨いというものではないが、
これに包まれた具が非常に豪華で美味しい
食べでが結構ある、もちもちと食べて完了
続いて、貢丸湯のほうは、魚のつみれと思われるものが
ごろごろと入ったスープでありまして
これもまた、すっきりというか、さっぱりあっさりしてて旨い
白の苦瓜も入っていたけども、この苦味がまたアクセントによろしい
格別に旨い、すげぇっと感動するほどではなかったけど
非常に満足してあっという間に完食
台湾人なみに、食うのが早くなってきたなと思いつつ
満足して離脱

ちょっと食べ足りないかな?
などと思って、思い切ってもう一品食べようと次の店へ
というか、一度通り過ぎたんだけども、
彰化に二度くるかどうかわからない以上、
やれることはやっておかなくてはと思いなおす


見事な扁額の猫鼠麺

彰化で、最も有名なお店でなかろうか、
様々に読んだ台灣本でも出てきたというか、
とりあえず彰化いったら、寄っとく?みたいな店であります
初代の店主が鼠に似たおじさんだったので
鼠麺という名前になったそうで、
別段、鼠や、猫の肉が入っているわけではない、あしからず


三宝麺(サンバオメン) 55元
多分、こういう名前だったと思うんだが
一番おすすめとされていたメニューを選ぶ

三宝というのが、乗っている肉のことを指しているようで
3種類の異なったつみれというか、肉団子が乗っておりまして
それぞれが旨い、特に棒状のやつが旨かった
麺とスープ自体は、台灣によくあるラーメン的なそれよなと
さほどに感動はしなかったものの、
この肉が確かに食べ応えを催すなんて思いつつ
あっという間にさらっと完食
流石に食いすぎだ、思わなくもないけども
割と空いている時間帯に入れてよかったと安心しながら
無事、昼食タイムを完璧な内容で終えたのでありました

行きずりの店に入るのとは違って
満足度の高いランチであったと思うのであります

【読書】最強の働き方;世界中の上司に怒られ、凄すぎる部下・同僚に学んだ77の教訓

2016-11-07 21:33:32 | 読書感想文とか読み物レビウー
最強の働き方;世界中の上司に怒られ、凄すぎる部下・同僚に学んだ77の教訓  
著:ムーギー・キム

ビジネスにおける教訓を並べた本でした
よくある本と違うということが書かれていましたが
結局のところ、一緒だよなと感じたわけなんだが
それの違いがわからないから
私はいかんのだろうかなどと、思ってしまうのであります

というわけで、様々な成功者が語る心構えや働き方について、
ワンポイントの台詞をあげて、その説明と実例をあげるということが
面白コラムとともに語られるといったところで
読むのは非常に読みやすい、イラストも明快で
朗らかな気持ちで読み終えられる本でありました
そして、こういう本にありがちな
読みやすいから残らないというそれにも陥ってしまい
にんともかんともという具合なんでありますが
ともあれ、77個もあると、気に入るものもあったりして
なかなか楽しめたのであります

やはりといっていいのかどうか、
言葉のそれぞれで矛盾している話があるなぁと
思わなくもないのでありますが、
それは時と場合であるという
こういった本をたくさん読んだおかげでわかってきたそれが
散見されたものの、やっぱり大切なのはマインドというか、
自分が働くという気概を持てているか、
そもそも働く意味をその場所で感じられているかというところ
この幸運に見舞われているかは
考えさせられるところなのであります
挙げられている成功者は、そこに疑問を持てるからそうなのか、
はてまた、そういう人だから疑問を持つのか
これは同じ意味なのか、違う意味なのか
そこはわからないままに
さりとて、ごくありふれた内容ながらも
それを真剣に考え、学んでいるという印象を受けるわけであります

とりもなおさず、真面目に生きろというか
精一杯生きろというのが大切だと
毎回思わされるのであります

あとは、信頼を得るということの大切さ
これもまた、手垢に塗れた話ながらも
どんだけ大切か、それをできるかどうかが
心がけの問題なのか、性質なのか、努力でなんとかなるのか
ここには触れてくれなかったのでわかりませんが
やるべきというか、獲得すべき徳というものなんだろうなと
思わされたのでありました

ともあれ、かなり広範囲というか、
広くアプローチしているので、ともかく一冊読んで
やる気というか、ビジネスに腰をすえようと思ったときに
いい本でなかろうかと、偉そうな感想を抱きつつ
メモっておくのでありました

真田丸  築城

2016-11-06 20:48:22 | NHK大河ドラマ感想
NHK大河ドラマ「真田丸」
視聴完了であります
オープニングを後ろにまわす構成で、
盛り上げてきたなという感じであります
これはひょっとすると最後の突撃のシーンでかぶせてくるかななんて
勝手に思っていたのでありますけども
ここでてこ入れ来たか、などと感じた次第でありました

さて、なんで織田有楽が出てくるのかしらと、
てっきり大坂方の人数あわせだと思っていたら
これはあれか、内通者という役割を担っているのか
そのまま、しれっと城から出て行くというのを
そうとったわけでありますね
今回の一番の悪役ポジションをもっていくようで
なかなか、やっぱり織田の源五は人でなしであります
楽しみだ、いや、まだ決定されてないけど

いよいよ赤備えは出てきたし、真田丸も完成したしと
着々と進んでいるわけでありますが、
話のほうはというと、よくある講談のそれだと
大坂方の不安というか、仲たがいが見事に出ていて
これはこれで面白いなぁとしみじみ思うのであります
今年は、秀頼が立派な感じだから勝てるんじゃないかなどと
世迷いごとが流行っていましたが、
これじゃ、そもそも勝てるはずもなかったのかもなぁと
思わされたりするのであります
このあたり、徳川がどうなのか、
久しぶりに出てきた上杉勢やら、伊達やらが面白かったわけでありますが
もうちょっと描写がほしいと思うのであります

なんとなし、伊達あたりが、
羨ましがるという展開で終わるのかなぁとも
思ったりしつつ、とりあえず次回の大盤振る舞い、
予算の使いっぷりを楽しみにしたいと思うのでありました

【読書】旅猫リポート

2016-11-05 17:47:57 | 読書感想文とか読み物レビウー
旅猫リポート  作:有川浩

最後に泣かせる小説だった、
この手は避けてきていたのに読んでしまったじゃないか、
挙句泣いてしまったじゃないか
そんなわけで、悲しいこともありましたが
拾われ猫と、拾い主の交流と関係を描いた小説でありました

拾い主がのっぴきならない事情で、
猫を飼えなくなったことから、
猫を貰ってくれる人を探すために、
つてを頼りに、あっちこっちと旅する物語であります

都度といっていいのか、猫の貰い手として再会する友人たちとの
かつての様子というか、やりとりや、交際っぷりが
なんとも味わい深いというか、いいなぁと
拾い主の人生と、人間を描いていくようで
自然と感情移入させられて、随分やられたのでありました

特段に大きな過ちや、事件、再会したときに発露される何かみたいな
大事はまったく現れることなく、淡々でもないけど、
ひとつずつ思い出されていくように、
拾い主が交流を辿っていくのが、
終わってからもう一度読み返すと
よくできてる旅程だなとしみじみ思わされるのでありました
一回読むだけだともったいないというではないが、
二回読んで、なるほどというか、
より深い感動を味わえる物語で脱帽であります

とはいえ、明るく朗らかで笑える話というのではないので
どうも自分の趣味にはあわないのでありますけども
小生意気な猫とのやりとりなんかは微笑ましく
虚勢してないオス猫は、そんなに可愛らしくなかろうと
思わなくもなかったりしながら
じっくりと読み終えたのであります
感動系にさらっとやられてしまうのは
どうもいかんなと思いつつも、しんみり楽しんだ一冊でありました

台灣縦断旅行記 19 彰化孔子廟

2016-11-04 17:46:52 | 台灣縦断旅行記(2016)
思いのほか満喫してしまった、八卦山界隈でありました
下山しながら、観光案内所でもらった簡易地図片手にうろうろする
駅へ向かう道の途中に孔子廟があったはずだと探すのである


途中で見かけた日本家屋風の建物

どう見ても日本の建物だよなと
建築様式に詳しくないにも関わらず、見事な家だと見上げるのであります
なんかの文化会館みたいな名前がついていたと思われますが、
昭和遺構のリノベ案件かもしれないと思うところ
やりすごして、山をくだり、タクシーでこのあたりを通ったなと
おぼろげながらに思い出しながら、到着しました


彰化孔子廟
結構どこにでもあるんだなと思うのでありますけども、
台南では見ることがかなわなかった、孔子廟であります
台北では、大龍夜市の近くで、過去2度ほど訊ね歩いたと記憶するところ
未だに、ここでどういうお約束で祭られているのか
さっぱり知識がないので、似たような建物だよななどと思いつつ見学


学問の神様だけに、絵馬ならぬ紙の願い事が山盛り

このあたりは日本の天神さんに近いものがあるようで、
学問によろしくありがたやとばかりに、
志望校と思われる学校名やら、氏名やら書かれていました
特に住所まで記されていまして、考えてみると
こっちの人は同姓同名とかざらに居そうだから、
住所までつけないと願いが届かないのかもしれないなど
考えてしまうのである


大成殿
これも、台北孔子廟で見た気がしますが、
お約束と思われる殿堂であります
煌びやかな色彩と、山ほどの位牌のようなもの
あまり仏像(神像)めいたものはなくて、
孔子とそれゆかりの弟子の名前と思しきものが、つらつら書き連ねてありました
案外閑散としたものであります


おそらく、孔子さまを祀ったもの
がらんどうとした講堂の中に、ひっそりではないけども
派手な伽藍と式台がありました
これまた凄い静かで、というか、もう朽ち果ててきてんじゃないかと
ところどころの傷みが痛々しいと感じていたのでありますが


唐突に現れた撮影会の人々

どこでもこういうのはあるよなと、
カメラマンのおっさんと、モデルのおねーちゃん…いや、おばさんとが、
写真をぱしゃぱしゃさせつつ、あっちこっちで撮影会をしていました
なんだろうかな、罰当たりなと思うんだが
台灣では普通なんだろうかしら

正直、何ということもないまま
お参りしたという記憶だけであとにします
というか、急がないと時間がない
地獄で遊びすぎた



途中で見かけた、何かわからないお寺さん
相変わらず可愛いおしし

街中に小さなお寺さんを見つけて、こっちも
ひっそりとおまいりなんぞしながら、
彰化でもうひとつのメインイベント、ご飯タイムであります
目指すは、彰化肉圓と鼠麺

【読書】ボブという名のストリート・キャット

2016-11-03 20:25:22 | 読書感想文とか読み物レビウー
ボブという名のストリート・キャット  著:ジェームズ・ボーエン

ノンフィクション小説といってもよいのかもしれない
英国で、ホームレス生活を余儀なくされた青年が、
一匹の猫と出会って、社会との関係を取り戻していく、
なんていう、非常に心温まるというか
いいお話でありました

著者本人が、なかなかのアウトローというか、
どっかで道を間違えたという感じなわけでありまして、
ミュージシャンを目指していたところ、
気付いたら、ジャンキー(麻薬常習者)になっていたという
本当に、よくある話の人物でありまして、
この本で興味深いところは、
英国における、こういった青年の取り扱い方でありました
麻薬取り扱ってるやつを更生する施設というか仕組みが、
なんとも至れり尽くせりなんじゃないか、
社会福祉が、凄いしっかりしてんじゃないかと
慄いたのであります、
こんな身勝手なやつも、なんとかしようと制度がある英国って、
本当に凄い国なのではないかしらと
思わされたりしてしまう

ビッグイシューという雑誌の販売についても、
大坂でたまに見かけるなと思っていたが、
こういう仕組みだったのかと知ってしまうと
次見かけたら買ってあげないとだめかもしれないと思わされるのである
こういう仕組みって、凄い興味深いものだわ

まぁ、そういう政治的背景はさておいて、
ともかく、ジャンキー崩れで、少し持ち直していた様子もあるのだけども、
路上パフォーマーで、お駄賃をもらうことで生計をたてるという
まさにその日暮らしで過ごしていたところ、
一匹の猫と出会って、可愛がっているうちに、
猫のために働こうと思い直すという
まぁ、猫好きからしたら、しめたものという感じのお話
でも、実際こういうことはありそうだよねと
納得もしてしまうのであります

社会から、どうやっても孤立せざるをえない状況なのは確かだけども、
それはそれで、戻ろうにも戻れないという状況に
据え置かれるというのは、確かによくないかもしれない
そこで、猫というパートナーを手に入れたことで
他者とのかかわりについて、真剣に考えるようになった
特に、猫を他者として、仲間として考えるというのが
ステキじゃありませんかという
カウンセリング的な効果まであってと
読んでいて微笑ましかったのであります

奇跡の猫のような扱いでありましたが、
茶トラのりりしい猫のようで、
肩に乗せて歩いているという話が出てくるんだが
実際に写真を見てみると、猫が大きいので驚いたのでありました
むっちゃ大きいトラ猫でやんの、可愛いけど、
思ってたのと大分違う

でもまぁ、そんなことはさておいて、
このおかげで青年は家族ともうまく関係を戻せそうになるし
いいことづくめで、今も続いているというお話なのでありました
でも、猫の寿命を考えると、やがて訪れるそのときに
彼はどうなってしまうんだろうかと
一抹の不安も覚えてしまうのである

台灣縦断旅行記 18 南天宮十八層地獄

2016-11-02 21:45:15 | 台灣縦断旅行記(2016)
今回、二回に分けるべきだろうかと、相当悩みましたが
長尺の一回でお届けしたいと思います
写真ばっかりで語ることもないというか、
写真がメインで全てを物語ってくれているというか
衝撃的だったんだけども、それを
うまいこと伝えられるかわからないまま、進めるのであります

さて、前回の八卦山大仏参拝から、山を降りていく途中、
怪しげな看板を発見する


全部電動?
この響きからして、濃厚な面白臭を感じ取る私、
これは行くしかないんじゃないかと、えらいくだり坂を下りていきます


彰化南天宮
大きなお寺さんを発見したわけですが、
これがまぁ、廃墟みたいな中にあるといっていいのか、
そもそも、ここが廃墟じゃねぇかという具合でありまして
中では、店番(違う)のおばはんが二人で、
賑やかに喋っている



たくさん猫がいたんだが、虐げられてるのか、
手を出すと、物凄い勢いでひっかいてくる

こここそ、知る人ぞ知る、地獄十八層めぐりという、
台灣における地獄をわかりやすく絵解きしてくれるという
スペシャルなスポットでありました
全く知らないで立ち寄りましたが、
B級といっていいのか、マイナーメジャーな感じの
素晴らしい場所であります
50元の入場料を払うと、地獄めぐりができるということで
先ほどのおばはんにチケット代を払うと、
チケットの受け取りとともに、受付席後ろの電源スイッチをオンにする


地獄の入り口

この手作り感というか、なんともいえない
昭和のテーマパークめいたこれに、わくわくが止まらない
物凄い暗がりというか、照明が壊れてんじゃないかと
違う意味でも怖いところを進んでいくと
お約束のように、足下が派手に沈み込む仕掛けが、
さらに物凄い排気音!
ぶしゃーーーーっ、なんていう凄まじい音に、
おっさん(私)が、思わず悲鳴を上げる(本当にもう)


蛇に腕を食いちぎられたと思われる地獄

のこぎりで切断される地獄

腸をひきずり出される地獄

暗がりを進んでいくと、こういった地獄が次々出てくる
というか、この階は全て1つながりになってんですが、
進む度にセンサーが察知して、新しい地獄がライトアップされて
ごろごろと動きだすという仕掛け、凄いぜ全部電動!


逆さで油茹で地獄

うそつきは舌を抜かれる地獄

べっぴんさんにお茶をくんでもらう地獄

最期のべっぴんさんが、物凄い目でこっち見ているという感じで
目が合ったときに、なんだろうか、動けなくなるくらいの
妙な迫力があって驚いたのでありました
最後のは地獄じゃなくて、救いのシーンなのかもとも思ったんだが、
べっぴんさんが怖すぎるので、毒でも盛られてんじゃないかな…
ごうんごうんと、電動の音が響くなか、特に何というでもないのに
このアトラクションに大興奮、
写真撮ってなかったけども、石臼ですりつぶされる地獄や、
棺おけ車にひき殺される地獄とかもありました
面白すぎる、一度通り過ぎてから、もう一度戻って味わってしまった


さらに上階を目指すと、様々なものが見られるとの由

暗がりを進むと、今度は完全にお化け屋敷テイストになりまして、

井戸から凄い勢いでせりあがってくる貞子

半裸で襲い掛かってくる女、いや女が囚われている図だったかもしれない

箒で殴りつけてくるおばはん

このほかにも、キョンシーがいたり、
首がぴょーんと飛び上がるお化けがいたりして、
なんか方向性が間違ってきて楽しすぎる
写真最後のおばはんも、物凄い勢いで箒を振り回していて
本当にこういうおばはんいるなぁと思わされたりして
なんとも楽しいのであります
一人興奮して、写真を撮りまくっていましたが、
ふと我に返って、俺一人しかいないはずだよなと
背後が気になりだしたりすると、恐怖が倍増するという
なんというかな、いやぁ怖かった、面白かった


閻魔様的なお裁き所

西遊記名場面集 猪八戒おいろけシーン

その2 悟空、三蔵法師、蜘蛛精をやっつける

というわけで、全部電動であれこれ動きまくる
音が凄い、光が凄いと、いわゆるお化け屋敷的なものでしたが、
こういうのをまともにというか、
ちゃんと全部くぐったのは初めてじゃないかというくらい
なんとも堪能できたのでありました

これが50元で遊べるなんて、とてつもない僥倖であると
個人的には台灣でも指折りの観光スポットに上げたいのですが
人を選ぶだろうなとも思いつつ、
また、そのうち壊れて動かなくなっちゃうんじゃないかしらと
そんな不安も覚えたりして、気になる人は
是非早いうちに行ってみて欲しいと、宣伝でもないが
書いておくのでありました

【読書】想像ラジオ

2016-11-01 21:01:07 | 読書感想文とか読み物レビウー
想像ラジオ  作:いとうせいこう

東北の震災を扱った小説でした
SFというのではないけども、それに近い
題名の通り、想像を働かせた内容だと
そういえるのでなかろうかしら
なんだろうか、どうしても、この話題は触れ方が難しいと
勝手に身構えてしまうのでありますが、
読んで、じっくり考えさせられてしまったのであります

内容に触れてしまうと
そのままネタバレになってしまうというか、
そこが根幹の部分なんだけどなぁと
語りづらい小説でありました

物語としては、つらつらと、とりとめもないといっても構わない
今でこそ、Youtuberとかいるから、
ああいう感じですねと言えなくもないなぁと、
少しだけ前の本だからか、思わされるところでありますけども
「想像ラジオ」というメディアについて、
様々な人があれこれと語り、
これによって、震災を振り返るではない、
もう一度目に、見直して、受け入れよう
こんな気持ちがにじみでてくる感じがしました

ひとつらなりの小説ながらも、
いくつかの場面にわけることもできまして、
その中でも、移動する車の中の会話が非常に好きというか
なるほどなぁと思わされたところで、
小説としては、語りすぎというか、説明くさすぎると
感じるんだけども、そこで、語り紡がれた内容は
なるほどと思わされるものでありました
震災について、関係の無い人が、悲しいだのなんだのと、
当人に成り代わるようなことを言ってはいけない、
その時期はまだだ、
これは白眉というか、そういうことはありそうだと
凄く思わされたわけであります
そして、やたらそんな話をしたがる輩への違和感がわかった
それは失礼というものなのだ

なんて、思わされたりしたわけでありますけども、
この物語のように、心が変遷していき、
あの出来事が、描きとめられていくのかなと
思わされたりしつつ
なんというかな、しんみりと考えさせられる一冊でありました