29(ニジュウク) 作:杉浦 昭嘉
題名の通り、29歳のうらぶれた男性の一年を描いた
モラトリアムの終焉というか、むしろ永続みたいなことを
もやもやと書いた小説でありました
なかなか面白かったんだけども、
物凄く感動するという類のものではなかった
見習い映画助監督といった、
非常に脆弱な立場で29歳という時間を過ごして、
貧乏生活にかまけ、風呂代わりに
卒業した大学のシャワー室を無断借用して
日々を送るという、とんでもない話なわけだけども
それなりにといっていいのか、
まさにその人なりの人生が、生々しく描かれていて
うらぶれたというか、どうにも、
情けない人生模様が見事でありました
出会いや、別れ、他人との比較や不安といったものを
ごたまぜにしつつ、はたから見ると
大学生の延長にしか見えない、いわゆる、
モラトリアム期間を過ごしていく姿、
その間に、少しくらいは成長しているような
当たり前のようなといった、
ある種リアルな生き様が面白いような、
共感とは違う、あるなぁという感触を覚えたりして
読み進められたのでありました
最終的には、結局その程度かよと
思わなくもないけど、自分でも確かにそうなるかもという
安っぽいというと人聞きが悪いんだが
情にほだされる様をみながら、
モラトリアムが終わったかのような、
あるいは、モラトリアムだと思っていた世界が
そのまま、現実で永遠に続いていくかのような
ふんわりしたラストで〆られて
楽しめたという気分のまま、読み終えられたのでありましたとさ
何かを得たり、どうとかという小説でなかったのだけども、
人によると、これはつまされるものがあるんだろうか
なんて、考えてしまったのである
題名の通り、29歳のうらぶれた男性の一年を描いた
モラトリアムの終焉というか、むしろ永続みたいなことを
もやもやと書いた小説でありました
なかなか面白かったんだけども、
物凄く感動するという類のものではなかった
見習い映画助監督といった、
非常に脆弱な立場で29歳という時間を過ごして、
貧乏生活にかまけ、風呂代わりに
卒業した大学のシャワー室を無断借用して
日々を送るという、とんでもない話なわけだけども
それなりにといっていいのか、
まさにその人なりの人生が、生々しく描かれていて
うらぶれたというか、どうにも、
情けない人生模様が見事でありました
出会いや、別れ、他人との比較や不安といったものを
ごたまぜにしつつ、はたから見ると
大学生の延長にしか見えない、いわゆる、
モラトリアム期間を過ごしていく姿、
その間に、少しくらいは成長しているような
当たり前のようなといった、
ある種リアルな生き様が面白いような、
共感とは違う、あるなぁという感触を覚えたりして
読み進められたのでありました
最終的には、結局その程度かよと
思わなくもないけど、自分でも確かにそうなるかもという
安っぽいというと人聞きが悪いんだが
情にほだされる様をみながら、
モラトリアムが終わったかのような、
あるいは、モラトリアムだと思っていた世界が
そのまま、現実で永遠に続いていくかのような
ふんわりしたラストで〆られて
楽しめたという気分のまま、読み終えられたのでありましたとさ
何かを得たり、どうとかという小説でなかったのだけども、
人によると、これはつまされるものがあるんだろうか
なんて、考えてしまったのである