CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

【読書】プリズン・ブック・クラブ コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年

2016-10-27 21:41:41 | 読書感想文とか読み物レビウー
プリズン・ブック・クラブ コリンズ・ベイ刑務所読書会の一年  
著:アン・ウォームズリー

海外のノンフィクション本であります
刑務所で催される読書会プログラムに参加した話で、
淡々と、それでも、新たな出会いと呼べるような
発見や、考えに彩られた本でありました

まず、この本を語る前に
読書会というそれについて、考えなくてはならないと思われる

正直、話に聞いただけで、参加したことも見たこともないのだが、
ある決められた本を読み、それについて、感想を言い合う
あるいは、議論を深めるという会合があるんだそうで
なるほど、そう聞くと面白そうなんて
思ったりするんだが、参加しているイメージでは、
どうも恥ずかしいと思って、ろくなことにならなそうと
二の足を踏んでしまいそうなところであります

しかし、こういうのはやはりといっていいのか、
イギリスやアメリカ、カナダといったところでは
大変メジャーなんだそうでありまして
これを刑務所の中で、囚人に対して機会を設けるという
なかなかステキな試みに参加した記録なのであります

そのため、刑務所であるという特殊な空間の面白さも
様々に見られるのでありますが、
読書会素人の自分からすると、この本によって
読書会というイベントについて知識が増えるというか
本の読み方について、新しい視点を与えられるようで
なかなか面白かったのでありました
語りで描かれている、各人の感想を読むというのが
なんというか斬新に感じたのであります
さらにいうと、本の読み方、触れ合い方みたいなのを
示してもらえたようでもあって、
感想に対するモチベーションというか、
自分が練る感想というものの質が変わったように感じるわけである
と、その結果が、今回のこの書き方なわけで、
今までの、つらつら感想文とは、
かなり違うと自分で思ってんだが、どうだろうかしらなんて
メモっておくのである

さておき、

刑務所としての面白さについても、描写が興味深く、
その身の上各種についてはさておいて、様々な人物が出てきて、
切れ味の鋭い寸評が出てくるのがステキでありました
読書というカテゴリについて偏見があるのだと
自分でも感じているわけでありますが、
刑務所で、わざわざ本を読んであれこれ語るという
この趣味は、ある種独特の人が集まるものでなかろうか
知的水準といっていいのか、何か、違う感じじゃないかと
思ってしまうので、
ここで描かれた囚人たちが、囚人そのものの何かではないなと
思ってしまったりと、しょーもないことも考えたのでありますけども
本によって、考え方が変わる、
改心や、社会復帰に近づいていくという
やや、このイベントで一番見たかった事象に
クローズアップしすぎな感もあるのだけども
いいことだと思わされたのであります

特にというか、個人的にステキと思ったのは
小説を読むことで、他人の心に寄り添う力が養われるというところで、
これは、今まさに自分に足りない部分ではないか
本当に得られるのかと思ったりなんだったり
本というか、読書について考えさせられるいい一冊でありました
この本は、読書を続けていくうえで、必要な一冊だったと
そのうち思うような気がする