CLASS3103 三十三組

しがない個人ホームページ管理人の日記です。

雲を掴め 富士通・IBM秘密交渉

2013-04-29 21:10:48 | 読書感想文とか読み物レビウー
雲をつかめ 富士通・IBM秘密交渉  作:伊集院丈

半実話実録ものの小説であります
まったく知りませんでしたが、富士通がIBMに潰されそうになった
そんなときのお話がつれづれ描かれていました
本によれば、この内容をようやっと白日の下にさらせるのは、
秘密交渉の期間が過ぎたからとかなんとかかんとか
ともあれ、富士通という会社もよく知りませんでしたが、
それはそれで大変な目にあったんだなと
そういうことが、ありありわかったのであります

内容は、IBMとの秘密交渉という名前の割りには、
完全にIBMに殺されかけた富士通が
どうやってその危機を乗り越えたというか、
対処したかというお話でありました
内容が専門的すぎて、3分の1くらいは
何書いてあるかちょっとよくわからない
そんなわけでありまして、
もう一つ全体がわかったとは言いがたいところ
当時を知る人とか、そういう業界の人なら
なるほどなぁと思えるのかもしれませんが、
予備知識がないと、かなり厳しい

IBMが最近調子にのって暴れている
富士通なる企業を、叩き潰そうと思い立ったらしく
それにあわせて、日立製作所と一緒に
とんでもない謀略にはまっていくといった具合、
こういうのは、一方からの小説で読んでしまうと
知識が偏るからいけないよなぁとも思いつつも、
多分そうだったんだろうな
やっぱ、アメリカという国というかそして企業もが
とんでもなく酷い有様だよなと
それこそがパワーゲームというのか、
まぁ、いろいろあるよねと
思わされるのであります

自動車、繊維といったもので貿易摩擦が悪化していたところ
さらに、電子部品というか、コンピュータ分野でも
日本に騒がれてしまうと、アメリカ様がいい迷惑になると
思ったんだかどうなのかわかりませんが、
そんな具合によって、IBMがFBIを使って
日立製作所を陥れるという事件があり、
それに乗っかったような感じというか
アメリカ、IBMからすると、富士通も日立も一蓮托生で
潰したい会社だった様子で
まあ、あれこれと無理難題というか酷い言いがかりをつけられ
大変な目にあっていくのでありました

ソースコードを盗んだ、これは技術盗用であるといった話
これが争点となっておりまして、
ただ、この内容について、本を読んでいる限り、
本当のところどうだったのかよくわからない、
というかよくわからないということは、
つまるところ、何かあったのかもしれないなと
思わされたりもするところ
現在でも続くものでありますが
企業間における、機密や情報のやりとりというか
取り合いなんざ、日常茶飯事的なこともあり、
そして、富士通がかわいそうだったのは、
相手が国をバックにしてきたところで
それに対しては、どう考えても勝てないという
哀しいお話もありながらという
なんだか、大変な交渉劇だったようであります

この本では、とりあえずぎりぎりの瀬戸際外交というのを
ただひたすら繰り返して、理不尽と戦い続けた感じではありましたが
当然のようにしっくりくるオチもつかず
なんというか、途方もない厄災に見舞われて
それに理不尽を感じながらも抵抗しましたと
そんなお話だったように思います

事実なんだろうが、それがビジネスだとすると
ちょっと昨今は厳しい、大手でないとこんなの
耐え切れないんじゃなかろうかと
現場に近しい身分でありながらも
切った張ったのいさかいが少ない業界に身を置いて
なんというか、つまされるようでありましたとさ