今回・次回は、大映では忘れてはならないキャラクター「ガメラ」と「大魔人」を
取り上げたいと思います。
昭和59年(1984)に東宝で誕生した「ゴジラ」は大きな反響を呼び、興行的にも
大ヒット、現在はハリウッド作品にまで登場しています。
当時各社も東宝の独壇場は許さじと、日活は「大怪獣ガッパ」、松竹では「宇
宙大怪獣ギララ」を製作、大映でも遅ればせながら出したのが「ガメラ」(1965)
です。
この企画は、永田社長の思いつきで誕生したと我々は聞いています。1962年
ころに亀が進化した怪獣の企画を東宝と大映に持ち込んだ方がいるそうで、
東宝も大映も取り上げなかった由です。それがヒントになったのかも知れませ
んが、「ガメラ」と名づけ、ややユーモラスな怪獣に育てた永田田社長の慧眼
だったし、興行的にも成功したシリーズでした。
第一作は昭和40年(1965)の「大怪獣ガメラ」で、昭和71年の「ガメラ対深海怪
獣ジグラ」(1971)を大映で撮っていて、第一作第二作の製作は永田社長が自
ら当たり、以降は製作・永田秀雅で、監督は第二作の「大怪獣ガメラ対バルゴ
ン」の田中重雄を除いてはすべて湯浅憲明です。
私の親友で撮影監督の上原明も、第三作の「大怪獣空中戦ガメラ対ギャオス」
と第七作「ガメラ対深海怪獣ジグラ」を担当していて、特撮部分は藤井和文が
撮ったそうですが「とても苦労したよ」と言っていました。
ガメラは特に子供に好かれるようにとの願いもあり、第三作目から永田秀雅氏
・作詞、作曲・小町昭による「ガメラマーチ」が主題歌として挿入されましたが、
結構人気がありました。
また某テレビ局の友人が、麻雀でロン(当り)とは言わず「ギャオス!」と叫んで
いて麻雀仲間で話題になっていたのも懐かしい思い出です。
大映後の「ガメラ」は、徳間で4本、角川で1本製作されましたが、平成19年以降
は残念ながら姿を現していません・・・。