映画が中心のブログです!

中島けんです。新しい映画や舞台の感想を中心に、大映の思い出、海外旅行・地元の話題などを写真付きで書かせていただきます。

映画 「くちづけ」

2013年05月25日 | 日記

   

     土曜は通常お休みしているのですが、見た作品が溜まっているだけではなく、
     どうしてもこの作品を取り上げたかったのでPCに向いました。

     劇作家で俳優でもある宅間孝行が主催し、昨年惜しまれて解散した劇団「東
     京セレソンデラックス」が、2010年に公演した名作舞台の映画化です。
     公演は「舞台史上一番泣ける」と話題を呼び、小さな劇場ながら2万4000人の
     観客動員を記録したことでも著名ですが、物語は宅間が数十年前に新聞の片
     隅で見つけた小さな事件記事をモチーフにし、埼玉県本庄市を舞台にして作ら
     れたものでした。
     本人によって小説化もされた「くちづけ」ですが、果たして映画の出来ばえは
     如何にと、楽しみにして見ました。

     知的障害のため、心は7歳児のままの女性マコ(貫地谷しおり)は、もと人気漫
     画家の父親・愛情いっぽん(竹中直人)に連れられ、知的障害者の自立支援グ
     ループホーム「ひまわり荘」にやって来ます。
     無邪気で陽気な住人たちに囲まれ、のびのびと日々を送るマコは、そこで出
     会った男性うーやん(宅間孝行)にも心を開いて行くのでした。

     ようやく見つけた理想の場所で娘が幸せになれば、いっぽんも漫画家として
     復帰出来るのではないかと思われましたが、やがてひまわり荘の一同に厳し
     い運命が降りかかります・・・。

     まず脚本が実に素晴らしいと思います。この映画も舞台場面のように、集合
     住宅の一角にある"ひまわり荘"の内部だけの場面であり物語進行で、最初
     は取っ付きにくいかなと思いながら見ていて直ぐ馴れて見入りました。
     三谷幸喜の舞台にやや似ていて人物が縦横に動き、そして出入りするので
     すが、堤幸彦監督もこの舞台的脚本をよく消化し、今回は上手く人物を動か
     して進行さます。

     貫地谷しおり・竹中直人・宅間孝行・田端智子・橋本愛・岡本麗・島田久作・
     麻生祐未・平田満など、みんな役柄にはまっていて、出演者全員に惜しみな
     い拍手を贈りたいと思いますが、特に宅間孝行と、久し振りまともな役を好演
     の竹中直人は拍手喝采です。

     見終わってジーンと来るし、色々考えさせるものを残し、投げかけているのも
     貴重です。どうか皆さんも是非ご覧ください、絶対お薦めです。

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映画 「モネ・ゲーム」

2013年05月24日 | 日記

   

     この作品は、1966年のシャリー・マクレーン主演「泥棒貴族」を、コーエン兄弟
     がアレンジ脚色したものであり、「英国王のスピーチ」でアカデミー主演男優賞
     を獲得したコリン・アースに、キャメロン・ディアスの異色顔合わせが面白そうで、
     楽しみにしていた一本でした。

     物語の舞台はロンドン。美術鑑定士のハリー(コリン・アース)は、メディア王シャ
     バンダー(アラン・リックマン)の下で働いていますが、シャバンダーの傲慢さに我
     慢が出来なくなっています。
     そこで贋作画家ネルソン(トム・コートネイ)と組み、モネの名作"積みわら"の贋作
     を売りつけて一泡吹かせようとします。

     テキサスでモネの幻の名作"積みわら"が発見されと言いふらすと、シャバンダー
     は案の定その絵を欲しがります。
     絵の持主としてハリーがロンドンに連れてきたのはPJ(キャメロン・ディアス)という
     テキサス娘です。
     ところが相棒になった筈のPJが次々とトラブルを起こして大慌てしますが、シャバ
     ンダーはモネだけではなく、自由奔放のPJがすっかりお気に入り・・・、完璧だった
     筈の計画は思いもよらない方向へと転がって行くのでした・・・。

     なんと軽薄で面白さに欠けることか。脚本コーエン兄弟の名前が泣きます。
     あのコリン・アースがパンツでホテルをうろつく、変な日本人グループが出てきて
     物語を引っ掻き回したり、とにかく作風が古くさ過ぎて薄いのです。
     コリンズ・アースとキャメロン・ディアスの顔合わせも上手く生かされていませんし、
     特にキャメロン・ディアスの小娘役はふけが目立ってもう無理です。
     つまり全く期待を裏切られた一本でした。残念至極・・・。
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博多座五月公演 「女たちの忠臣蔵」

2013年05月23日 | 日記

     

     この舞台は、最初テレビドラマで昭和54年に放映され、舞台化は翌年の
     昭和55年に東京の帝国劇場で初演です。
     それ以来、30年以上にわたり何回も上演されている橋田寿賀子・作、石
     井ふく子・演出の「女たちの忠臣蔵」で、討入り場面はありませんが、それ
     を女性の観点から描いて義士たちの信念を陰から支えた悲劇と言えるドラ
     マです。

     30年以上続いている公演ですから、色んな人が出演していますし、ナレー
     ターが昔のままで森光子というのも納得です。
     今回は昨年の1月に明治座で、初舞台ながら大石内蔵助の妻・りくを演じ
     た高島礼子が博多座初登場し、西郷輝彦・高橋恵子・一路真輝・中田喜子
     ・熊谷真実・藤田朋子・松村雄基・佐藤B作らの競演で中々豪華です。

     自分を捨ててまで男性に尽くす女性たちの姿は、全編にわたってふり続け
     る舞台の雪が物語を象徴して綺麗だし、いかにも演出・石井ふく子のお得
     意分野で
     それと男が弱いキャストで、いいのは佐藤B作ぐらいです。因みに女性でい
     いのは高橋恵子の雰囲気、熊谷真実の熱演でしょうか・・・。

     博多座の公演は毎月楽しみにしていて、少しでも不満を口にするのは心苦
     しいのですが、既に気持ちを入れ替えて、六月博多座歌舞伎、猿翁・猿之
     助・中車の襲名披露公演に既に心を寄せている私です。

 


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映画 「県庁おもてなし課」

2013年05月22日 | 日記

   

     昨日、「図書館戦争」の感想をアップしましたが、この「県庁おもてなし課」
     も原作者が同じなので、感想の結論めいたことを書いてしまいましたが、改
     めて感想を述べさせていただきます。

     人気の有川浩の小説を、「阪急電車 片道15分の奇跡」の三宅喜重監督と
     脚本家・岡田惠和が再タッグを組んで映画化したもので、主演は関ジャニ
     ∞の錦戸亮と堀北真希で、船越英一郎・高良健吾・関めぐみなどが揃いま
     した。

     観光の促進のため高知県庁は「おもてなし課」を設立します。
     やる気はあるのですがいつも空回りの若手職員・掛水(錦戸亮)でしたが、
     観光大使を依頼した地元出身の作家・吉門(高良健吾)から、役所気質と民
     間感覚のズレを強烈に批判されます。
     彼の言う"柔軟な民間感覚"を補うべく、優秀なアルバイト職員・多紀(堀北
     真希)をスカウトし、伝説の元県庁職人・清遠(船越英一郎)を訪ねますが、県
     庁に恨みを持つ清遠の娘・佐和(関めぐみ)からいきなり水を掛けられてしまい
     ます・・・。
  
     高知県庁に実在する「おもてなし課」を舞台に、職員たちが高知の観光振興
     のためひた走る姿を描いたものです。
     高知県の景色が素晴らしいし、出だしは好調で展開を期待したのですが、良
     かったのは最初だけで後はサッパリで、締めくくりは最悪状態です。
     この原作者の小説は若い世代に好まれているようですが、「図書館戦争」と
     同様に映像化すると非常に纏まりが悪い作品になってしまっています。しかし
     原作者を責めるより、脚色・演出の稚拙さに大半の責任があると思いますね。

     「図書館戦争」も「県庁おもてなし課」とも、若い観客を集めて興行的には成
     功しているようですが、こんな作品を羅列していると最後にはそっぽ向かれる
     惧れがあると思うのですが、余計な心配なのでしょうか。


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映画 「図書館戦争」

2013年05月21日 | 日記

   

     見終わって感想未アップは「図書館戦争」を除いて「県庁おもてなし課」「モネ
     ・ゲーム」「愛さえあれば」「きっと、うまくいく」「ビル・カニンガム&ニューヨーク」
     と溜まっています。
     明日からまたセッセと書きますが、「愛さえあれば」「きっと、うまくいく」「ビル・
     カニンガム&NY」「建築学概論」は、好き嫌いはあるでしょうし、完全とは言い
     ませんが、見る人をかなり楽しませてくれる作品。後は辛口必至です。取りあ
     えずご参考までに・・・。

     「図書館戦争」も「県庁おもてなし課」も共に、ベストセラー女性作家・有川浩の
     代表作で、コミック化・アニメ化もされた人気シリーズの映画化です。

     時代が昭和から平成ではなく"正化"の年号に変わった日本での架空のお話
     です。
     犯罪抑制のため、公序良俗に反するものに対する政府の検閲・取締りが強化
     されています。
     一方では図書館の自衛組織「図書隊」が結成され、日夜武装訓練に励むので
     した。
     そして正化31年。高校時代に図書隊に救われ、強い憧れを抱いて自身も図書
     隊に入った笠原郁(栄倉奈々)は、鬼教官・堂上篤(岡田准一)の厳しい指導を受
     け、女性隊員として初めて図書特殊部隊(ライブラリータスクフォース)に配属さ
     れますが・・・。監督は「GANTZ」の佐藤信介。

     劇中で、重要な資料が保管されている小田原情報歴史図書館として、北九州
     市の北九州市立美術館本館や北九州市立中央図書館がロケに使用されてい
     て、あんまり辛口を叩きたくないのですが、呆れるぐらいの時代錯誤もいいとこ
     ろ作品です。
     活字の世界だとまだ許せるのかも知れませんが、映像にすると荒唐無稽の限
     りです。
     根本的にテーマもストーリーも最悪で、なんでこんなモノを作るのか理解に苦し
     みます。とにかく全てが痛々しく感じられて正視出来ません。

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