アカデミー賞をはじめ、「未来を生きる君たちへ」「アフター・ウェディング」「ある
愛の風景」などの秀作で知られる、デンマークの女性監督スサンネ・ビアの作
品なので楽しみにしていた一本です。
デンマークに住むイギリス人のフィリップ(ピアース・ブロスナン)は、妻の死から
立ち直れず、ひたすら仕事に打ち込む孤独な日々を送っています。
一方、美容師のイーダ(トリーネ・ディアホルム)は乳がん治療が一段落した矢
先に夫の浮気が発覚し、心に深い傷を負う女性。彼女は南イタリアのソレントで
行なわれる娘の結婚式に参列するため、コペンハーゲン空港へと車を走らせて
いる途中で高級車に車をぶつけてしまいます。相手はなんと娘の結婚相手の
父親フィリップだったのです。
初対面からなんとも気まずい状況の二人でしたが・・・。
「007」シリーズでおなじみのピアース・ブロスナンですが、そんなイメージを全
くかき消して仕事熱心な父親役を好演していますし、相手役のトリーネ・ディア
ホルムは、デンマークの実力女優と言われるだけあって確実な演技を見せます。
お互いに傷を負った二人が、どのようになって行くのか、二人の間にはいくつか
の邪魔が入り込んだりしてハラハラさせますが、この女性監督中々上手い演出
です。
娘たちの結婚式がひょんなことから駄目になるのですが、この原因など、もっとサ
ラリと描いても良かったのではと思うように、いくつかの気になる箇所はあります。
それでも南イタリアの映像が素敵だし、もともとこの手の作品は、この監督ととも
に私的に好きなのでお薦めです。
少し甘いのではと言われるかも知れませんがご勘弁の程を・・・。