この舞台は、最初テレビドラマで昭和54年に放映され、舞台化は翌年の
昭和55年に東京の帝国劇場で初演です。
それ以来、30年以上にわたり何回も上演されている橋田寿賀子・作、石
井ふく子・演出の「女たちの忠臣蔵」で、討入り場面はありませんが、それ
を女性の観点から描いて義士たちの信念を陰から支えた悲劇と言えるドラ
マです。
30年以上続いている公演ですから、色んな人が出演していますし、ナレー
ターが昔のままで森光子というのも納得です。
今回は昨年の1月に明治座で、初舞台ながら大石内蔵助の妻・りくを演じ
た高島礼子が博多座初登場し、西郷輝彦・高橋恵子・一路真輝・中田喜子
・熊谷真実・藤田朋子・松村雄基・佐藤B作らの競演で中々豪華です。
自分を捨ててまで男性に尽くす女性たちの姿は、全編にわたってふり続け
る舞台の雪が物語を象徴して綺麗だし、いかにも演出・石井ふく子のお得
意分野で
それと男が弱いキャストで、いいのは佐藤B作ぐらいです。因みに女性でい
いのは高橋恵子の雰囲気、熊谷真実の熱演でしょうか・・・。
博多座の公演は毎月楽しみにしていて、少しでも不満を口にするのは心苦
しいのですが、既に気持ちを入れ替えて、六月博多座歌舞伎、猿翁・猿之
助・中車の襲名披露公演に既に心を寄せている私です。