1942年にアウシュビッツ収容所で命を落とした女性作家イレーヌ・ネミロフスキーによる
未完の小説を、生き残った二人の娘がその遺稿を70年後に発見して出版した作品の映
画化です。
脚本・監督は、「ある公爵夫人の生涯」のソウル・ディブでヒロイン役は、「マリリン 7日間の
恋」のミシェル・ウィリアムズ。フランス人女性とナチスドイツ将校の許されざる愛を軸に、
過酷な状況の中で必死に生きる人々の姿を描き出しています。ドイツ将校にはマティアス・
スーナールツ、ヒロインの厳しい義母役はクリスティン・スコット・トーマスと、主な役どころ
の俳優さんは好演ですが、フランス語が英語で語られ相手がドイツ語とは少し考えると不
自然そのものでした。
もともと予備知識を持たずに見たのですが、上記のように気になる部分はいたるところに
あるものの、結構面白く見ました。未完の小説のように、映画のラストも放り投げたままで
すが、見ている側が色々想像を働かせる面白さにつながります。演出、音楽、演技、カメ
ラなどと総合力を発揮していて、最後まで見どころが一杯です。