かねやんの亜細亜探訪

さすらうサラリーマンが、亜細亜のこと、ロックのこと、その他いろいろ書いてみたいと思ってますが、どうなることやら。

日本の歴史5 躍動する中世

2011年07月05日 | Books
この大事な時期に無政府状態が続いている。
無政府状態を自ら作って、そのまま居座る。
国民が、この状態を、放置するしかないことそのこと自体が、想定外?
神仏に頼るわけにもいかないし。



本書も、貴族の社会から、武士の社会に移り変わる時代を、リアルに蘇らせてくれる。

その時代、やはり宗教が大きな要素になっている。特に観音信仰が盛んになった。法華経に説かれている観音様だが、長谷寺、清水寺、石山寺などの参籠もこの時代からという。西国三十三か所巡り、四国の霊場巡りもこの時代から。もちろん、当時の霊場巡りは命がけだったらしいが。仏教が、より庶民に浸透してきた時代と言えるのだろう。

今般めでたく世界遺産に指定された平泉についての記載も詳しい。当時の政治を語るのに重要な地域であったこともあるが、世界遺産指定を目指す発掘で、当時の様子がわかってきたことも大きい。その発掘成果は、平泉にある博物館に展示されているので、中尊寺、毛越寺を訪れる機会があったら、ついでに、立ち寄ってみてはいかがだろうか。

源頼朝は、鶴岡八幡宮を拠点として政治をおこなったのだが、元は、由比ヶ浜に鶴岡若宮があったそうで、籤で、今の場所を移すことになったという。1180年のことだ。そのままの場所であれば、平家の厳島と一緒の様子だった訳である。頼朝も観音様を深く信仰していたという。

著者は、中世の特徴として、5つ挙げられている。

①さまざまな面で神仏への信仰を根底に有していた。
②内的・外的交流を経て、各地に地域社会が形成された。
③家を媒介にした多様な人間関係や社会が形成された。
④権力が統合されておらず、分権化の傾向が著しかった。
⑤人々が、権力に頼らず、自力による救済を求めた。

遠い昔ではあるが、今の暮らしにつながる部分も段々増えてきたようにも思う。
歴史を昔の話として考えるのではなく、今とのつながりの面から考えると、興味倍増である。
コメント
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