酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

『ヘンリー六世』

2010-03-26 00:00:26 | 演劇
「ヘンリー六世」 彩の国さいたま芸術劇場
原作:シェイクスピア 演出:蜷川幸夫 出演:上川隆也・大竹しのぶ・吉田鋼太郎・長谷川博己・草刈民代他   

上演時間約8時間(休憩含む)という長丁場。

舞台はイングランド。外にはフランスとの戦いがあり、内には王位をめぐる貴族の間に欲望が渦巻く。百年戦争・薔薇戦争時代の絵巻といった感じ。

出演者が多く、流れも早い。観客の理解を助けるための小道具が天井から落ちてくる。紅白の薔薇、白い百合そしてドスンドスンと落ちてくる肉の塊(のようなもの)。それぞれが、場面の展開をあらわしている。

俳優で目立ったのはリチャード役の高岡蒼甫。宮崎あおいは変な男と一緒になったのかと思っていたが認識不足。演技者として中々のもの。不自由な体に生まれた心の屈折と野心をかかえる複雑な心境を見事に表現。他ではサホーク伯爵の池内博之が目立つ。
大竹しのぶは前編でのジャンヌ・ダルク役のノリが悪かったうえ、殺陣の下手さが緊迫感を削ぐ結果に。後編のマーガレットで持ち直したが実力者だけにちょっと不満。
上川隆也は弱気なヘンリー六世役。、今までにない役柄のためか苦労しているように見えた。

しかしこれだけ長い時間、退屈せずに見られる芝居を作ったシェイクスピアはやっぱり凄い!

一時間休憩の時、駐車場側の出口をでると、逆の戸口で横田栄司さんが何気に煙草を吸っていた。つい今まで舞台でウォリック伯爵を演じていたのに、もう目の前で私服で煙草を吸っているのが、何か不思議で面白かった。