「農業少女」東京芸術劇場小ホール
作:野田秀樹、演出:松尾スズキ、出演:多部未華子・山崎一・江本純子・吹越満
芝居が始まった途端、私は今月後半予定の高校演劇をもう見に来ているような錯覚に陥った。それほど登場した主演の多部未華子は幼い感じで、可愛いかった。
農業が嫌いで東京に出る少女百子(多部未華子)。都会への憧れは、胡散臭いボランティア団体の指導者都罪(吹越満)への思いに変わる。
少女たちが作ったとして、売る米の名前は「農業少女」。いつかその名前だけが一人歩きして、怪しげな組織はふくらんでゆく。自分の夢が架空の世界だと知った少女は壊れはじめ・・・。
イルカの問題など時事問題もおりこまれ、タイムリーな笑いも随所にあるのだが、松尾スズキの演出は意外に手堅い。野田秀樹作品の良さを上手く表現したと見るか、野田の枠をはみだせなかったと見るかは意見の分かれるところであろう。
ただ非常に面白い作品に仕上がっているのは間違いない。
四人の出演者はキャラクターがうまくはまっている。中でも山崎一は奔放な少女へ、のめりこんでしまう中年男を好演。いつも印象に残る役者さんである。
「気分」が支配している社会への警鐘という野田秀樹のメッセージが、ほどよい味付けになっている。
作:野田秀樹、演出:松尾スズキ、出演:多部未華子・山崎一・江本純子・吹越満
芝居が始まった途端、私は今月後半予定の高校演劇をもう見に来ているような錯覚に陥った。それほど登場した主演の多部未華子は幼い感じで、可愛いかった。
農業が嫌いで東京に出る少女百子(多部未華子)。都会への憧れは、胡散臭いボランティア団体の指導者都罪(吹越満)への思いに変わる。
少女たちが作ったとして、売る米の名前は「農業少女」。いつかその名前だけが一人歩きして、怪しげな組織はふくらんでゆく。自分の夢が架空の世界だと知った少女は壊れはじめ・・・。
イルカの問題など時事問題もおりこまれ、タイムリーな笑いも随所にあるのだが、松尾スズキの演出は意外に手堅い。野田秀樹作品の良さを上手く表現したと見るか、野田の枠をはみだせなかったと見るかは意見の分かれるところであろう。
ただ非常に面白い作品に仕上がっているのは間違いない。
四人の出演者はキャラクターがうまくはまっている。中でも山崎一は奔放な少女へ、のめりこんでしまう中年男を好演。いつも印象に残る役者さんである。
「気分」が支配している社会への警鐘という野田秀樹のメッセージが、ほどよい味付けになっている。