酢豚のひとりごと

楽しい芝居と映画探しつづけま~す!

『パレード』

2010-02-26 18:06:39 | 映画
「パレード」  原作:吉田修一 監督:行定勲

ルームシェアしている4人。それぞれが微妙なバランスの上に、日常生活を送っている。そこへオカマの若者サトル(林遣都)が入ってきたことで、何かが動き始める。

若者の他者との付き合い方に見る、現代社会の怖さを浮き彫りにしようとする試みと言えようか。
ヘリコプターの飛ぶ音や音楽が効果的で、不安感を増幅する。ただ怖さを徹底するには、政治家が出入りする隣室のエピソードが弱い。
またネタバレになるので書けないが、一見奔放な未来(香里奈)や真面目で社会に一番適応しているように見える直輝(藤原竜也)の行動も、現実味には今一つ欠ける。

ただ俳優達は5人の個性がうまくかみあって面白い雰囲気を作っている。特に良介の小出恵介と琴美の貫地谷しほりのかけあいが面白い。サトル役の林遣都の個性も光る。

アクションやお涙ものの多い最近の映画の中で、心を波立たせる異色作である。
上映の映画館が少ないのが残念!