酢豚のひとりごと

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『Kー20怪人二十面相・伝』

2009-01-08 19:13:46 | 映画
『Kー20怪人二十面相・伝』 監督・脚本 佐藤嗣麻子

この映画の原作である『怪人二十面相・伝』の作者の北村想は、私に芝居の楽しさを教えてくれた人である。と言っても、同郷ではあるが、知り合いではない。
下北沢や新宿の小劇場で見た『寿歌』『碧い彗星の一夜』『悪魔のいるクリスマス』などの作者であった。今思い出しても心がときめく。しばらく名前を聞かなかったが、久しぶりに脚光を浴びたみたいでうれしい。

映画『Kー20怪人二十面相・伝』は、映像もアクションも演技も水準を上回る。非常に良く出来ている。しかし人間は贅沢なものだ。完璧に出来ているとそれはそれで物足りない。

原作の原作である江戸川乱歩のどこか淫靡な味わいが恋しくなる。加えてたたみかけるような流れがないためワクワク感に欠ける。丁寧に作ってあるのがわかるだけに惜しい。

仲村トオル(明智小五郎)や金城武(遠藤平吉)それに脇役陣も好演しているが、松たか子(羽柴葉子)が令嬢の冒険を心底楽しんでいるように見えるのが微笑ましい。