曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

みかんの接ぎ木

2019年04月17日 | 日記

今日の蝶

アサギマダラ♀   4月に入ると次々と羽化してきます。数日飼って天気の良い日にマーキングして放ちます。

 


 「今何してる? 」 って皆さんよく聞かれませんか。実は、私は今みかんの接ぎ木をしているのです。

みかんの木は植えてから40~50年くらいは持ちます。野菜などはほとんど一年一作ですから毎年同じものを作らなくても次の年には品種を変えるのは容易なことです。しかし果樹などは木ですから一旦植えたら何十年も同じものを作り続けることになります。植えたみかんの木を何年も作ってみて、そのみかんの木の果実が品質においてよくないことが分かっても別の品種に変えるのは野菜のように簡単ではありません。10年以上も育てた大きなみかんの木を他の品種に変えるのは伐採して、抜根して別の品種のみかんに植え替えると元の木の大きさになるのに更に10年かかります。そこで、もっと効率よく簡単に品種を変えるためには、大きく成長している元のみかんの木に別の品種を接ぎ木して木全体を変えるという方法があります。私が今日やっているのは接ぎ木によって元の品種を別の品種に変えるという方法です。小さな苗木で植え替えをすると元の木と同じ大きさになるのに10年かかりますが、接ぎ木で種類を変えると3年で元の木と同じ大きさのみかんの木が得られます。接ぎ木はみかんの木にとっては大手術ですから今年一年間の管理や養生は結構手がかかります。それでも短時間で成果を上げることができるというメリットがあるのです。一挙更新の接ぎ木は大手術ですから元気な木でないと耐えられませんし、後の看病が大事です。技術的には難しいことではありませんが切れ物は良いものを使った方が成績が良いようです。

何故接ぎ木をしなければならなくなったかと言えば、元のみかんの木は「ベニバエ」と言う柑橘です。このみかんの味の良さに惚れて植えたのですが、いろいろ欠点の多い品種で、何年もその欠点を補う方法を考えてみたのですが最近ついに諦めました。ベニバエは味はとても良いのですが果皮が剥きにくく、種がたくさん入り食べにくいのです。その上、樹には小さなとげが沢山あって管理が大変なのです。そこで今年は思い切って接ぎ変えようと考えた次第です。

 


みかんの木の接ぎ木(腹接ぎ)

10年くらいたったみかんの木

 

枝を切り払います。

枝葉を切取ると幹だけになります。

この幹に新しい品種の柑橘の枝を接木するのです。

穂木はもう削ってあります。

 

幹に接ぎ木刀で切り目を入れます。そして、切り目に穂木を差して行きます。

枝全てに穂木を挿して行きます。

 

次に、穂木が乾燥しないようにビニールテープを巻いてゆきます。

隙間なくきれいにテープを巻いたらお終いです。

 

次の木の枝葉を切り落とします。

 

このようにして接いだ穂木は2週間ほどで芽が出てきます。春に出た芽は30㎝ほどで摘心し、7月頃に夏の芽が出てきます。そして9月にもう一度芽が出て元の木の大きさの2/3ほどに戻ります。次の年に、実のなるのを休ませると丸二年で元の木と同じ大きさに戻りますので、3年目からは元の木と同じ収量の出る木になります。

今度はどんな柑橘がなるのでしょうね。

 

 


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