曜日のない暮らし

日々の暮らしにあるささやかで素晴らしい瞬間
暮らしと心を癒してくれる生き物たち
山本弘三の写真を中心にした日記帳

ギフチョウ 山へ帰る

2013年03月25日 | 日記

今日の花

 

 

 


今日の音楽

  「 Stay Gold 」   Stevie Wonder

 


 ここの所、ずっと忙しかったものですからブログもお休みでしたが、今日は少し時間が取れたので15日に生まれたギフチョウを故郷の山に返しに行ってきました。今年は桜も早いので山の生息地でももう仲間が羽化しているかもしれません。

私は昨年県内の数か所の生息地においてギフチョウの生態調査を行ってきましたが成虫はかつてはいた所にほとんど見られなくなっていました。そこで、引き続き卵と幼虫の調査を行ってみました。卵と幼虫は多少見つけることができましたが場所が限られたところだけとなっていて非常に危険な状態となっていました。調査飼育のため幼虫の密度の高いところから1匹だけ連れ帰り飼育したのがこのギフチョウです。とても貴重な蝶ですからたとえ1匹でも元気な間に生息地に返してあげようと考えていました。

山口県はギフチョウの生息地の中で最も西と南の端にあたります。九州や四国には生息していません。全国的にもギフチョウは生息数が減少してきてどこの県でも絶滅危惧種あつかいになりつつある蝶です。山口県では絶滅危惧種Ⅱ類とされていますが実情はもっと厳しいかもしれません。このような状態ながらもっと心配なことは山口産のギフチョウが収集マニアの中で特別扱いされていることです。他地域のギフチョウと異なった模様をしていることで珍品扱いされていて収集家による捕獲が後を絶たないことです。県内で保全活動を行っている山口虫の会では今年よりしばらくの間(生息数が増え始めたことが確認されるまで)県内のギフチョウの捕獲を自粛していただくよう全国に呼びかけました。全国の蝶ファンの方々には山口のギフチョウを見に来られても結構ですが見るだけかまたは写真に収めるにとどめていただきたいところです。

(今回1匹だけ飼育を行ったのは一年間の生育調査を行うことで理解を深めるためです。人工飼育で増殖を計るためとか標本のためとかではありません)


故郷の山へ帰ったギフチョウ

 

とまっているのは食草のサンヨウカンアオイ

 

山つつじが咲き始めていました。例年に比べるとすごく早いです。

 

我が家のコブシはもう終わりましたが山の方では今が盛りでした。 

 


さあ、故郷の山へ出発です。

上の写真と順序が逆ですが、車の助手席の下にギフチョウを乗せ家を出ました。

 

山でギフチョウと別れの盃を交わします。(お皿にポカリスエットが入れてあります) 

 

子孫を残せるかどうか難しいところですが、Good Luck !

 

10日ほど毎日眺めて過ごしたのでいなくなるとちょっと寂しいですね