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干支

 日曜日、郵便局へ行った帰り道、市の中心部にある公共施設であるイベントが行われていると聞いて立ち寄ったところ、運悪くもう終了していた。ちょっと楽しみにしていただけに残念に思いながらも、慰めに館内を少し回ってみた。2週間前の「招き猫まつり」では多くの人でごった返していたが、その日はうって変わって閑散としていた。その分陶器の売り場などをゆっくり見ることができた。「招き猫」は相変わらず多くの種類があって人目を引くが、今はそれよりももっと多く並べられているのが「ねずみ」の置き物だ。「猫からねずみ?」と少々不思議な感じもしたが、よく考えてみれば「ねずみ」は来年の干支だ。私の住む市では、毎年の干支にちなんだ陶製の人形が数多く作られ、売られている。

  

 

 「来年のことを言えば鬼が笑う」とよく言われるが、ふっと気付けばいつの間にか10月。「暑い、暑い」と言いながらも暦だけは確実に進んでいる。2007年も残すところ80日余り、来年の干支人形が売り出されても何も不思議ではない。

 そういえば、今年の初めにラジオで、『日本の他にも干支のある国がいくつかあって、干支の種類も日本の十二支「鼠・牛・虎・兎・龍・蛇・馬・羊・猿・鶏・犬・猪」とは違う動物が入っている国もある』という話を聞いたのを覚えている。その時はこのブログの記事にしようと思ったのだが、いつの間にか忘れてしまっていた。そこで改めていくつかの国々の干支を調べてみた。
 中国・台湾・韓国・ロシアの十二支は日本とまったく同じであるが、
  チベットとタイでは、「兎」の代わりに「猫」、「猪」の代わりに「豚」
  ベトナムでは、「牛」の代わりに「水牛」、「兎」の代わりに「猫」、「猪」の代わりに「豚」
  モンゴルでは、「虎」の代わりに「豹」
  ベラルーシでは、「兎」の代わりに「猫」
というようにお国柄からか、少しずつ違いがあるようで、面白い。
 
 面白いと言えば、いくつかの国では干支の中に入れられている「猫」が日本ではどうして入れられていないかについて、面白い話が伝えられている。

 『昔々の大昔のある年の暮れのこと、神様が動物たちにお触れを出したそうな。
「元日の朝、新年の挨拶に出かけて来い。一番早く来た者から十二番目の者までは、順にそれぞれ一年の間、動物の大将にしてやろう」
 動物たちは、おらが一番とて、めいめいが気張って元日が来るのを待っておった。ところが猫は神様のところにいつ行くのか忘れてしまったので、ねずみに訊くと、ねずみはわざと一日遅れの日を教えてやった。猫はねずみが言うのを間に受けて、喜んで帰っていったと。
 さて元日になると、牛は「おらは歩くのが遅いだで、一足早く出かけるべ」とて夜のうちから支度をし、まだ暗いのに出発した。牛小屋の天井でこれを見ていたねずみは、ぽんと牛の背中に飛び乗った。そんなこととは知らず、牛が神様の御殿に近付いてみると、まだ誰も来ていない。
 我こそ一番と喜んで待つうちに門が開いた。とたんに牛の背中からねずみが飛び降り、ちょろちょろっと走って一番になってしまった。それで牛は二番、それから虎、兎、龍、蛇、馬、羊、猿、鶏、犬、猪の順で着いた。猫は一日遅れで行ったものだから番外で仲間に入れなかった。それでねずみを恨んで、今が今でもねずみを追い回すのだそうな』

 TVアニメ「トムとジェリー」でも猫のトムはねずみのジェリーに翻弄されてばかりいるから、あながちこの言い伝えも嘘ではないような気がする。
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