goo

琉球朝顔

 ずっと不思議に思っていたことがある。どうして今年はいつまでたっても塾舎の花壇の朝顔は咲いているのか、不思議でたまらなかった。毎年父が育ててくれる朝顔だが、今年はいつまでたっても枯れない。もうそろそろ11月だというのにまだ多くの花をつけている。

 

 これはいったいどういうことなのだろう。毎年咲く朝顔とは種類が違うと父は言っていたが、それにしても長く咲きすぎている。ちょっと気味が悪いくらいだ、と思っていたところ、先日妻の友人がこの朝顔を見て、「これは種ができない種類だね」と言ったそうだ。妻からその話を聞いて改めてよく見てみたら、たしかに花が落ちた後に種はできていない。今までそれに気付かなかったのは迂闊極まりないが、私にとってこれは一大発見だった!!


「それじゃあ、いったいどうやって増えるのだろう?」と妻に尋ねたら、「お父さんが苗を植えたといってたから、サツマイモみたいに増えるんじゃないの」と曖昧なことを言う。「なるほどね」と思いながら、もう一度花壇をじっくり観察していたら、この朝顔の品種名の書かれた小さな表示板が、盛んに茂った葉の間に埋もれているのを見つけた。そこには「宿根琉球アサガオ クリスタルブルー」と書かれていた。「そうか、琉球朝顔か」と納得しかけたが、琉球朝顔なんてものは初耳だ。ちゃんと調べようと思って Google で検索してみた。

  琉球朝顔「クリスタルブルー」 Ipomoea indica "Crystal Blue"
 朝はブルーで、午後から夕方にかけてピンク色に色が美しく変化します。別名の多い宿根性の朝顔です。但し交雑しやすく、この名前で販売されていても、まったくの同一の種類ではないこともあるようです。(花の大きさなど)
いわゆる「朝顔」よりも生育が旺盛。暖地付近では家の2階まで届き、横にも広がります(壁を覆ってます)。葉も大きめで、地植えにすると花も大輪になります。かなり多花性です。花色は青~赤紫(中心やガク付近)のグラデーションが美しいです。高温になるとやや花色が薄くなり、ピンク色を帯びたような感じになります。
結実はせず、冬は地上部が枯れた(もしくは刈り込み)状態。九州などでは、葉は常緑のまま越冬するようです。
 秋遅くまで開花。時間的には、夕方まで咲くタイプです。

 朝と夕方で花の色が変わるというのが面白い。実際に上の写真にも2色が写っている。2年ほど前に父が知り合いから貰い受けて育てた「酔芙蓉」も夕方になると花の色が変わったから、同じメカニズムが働いているのだろうか。琉球と名前に付いているからには沖縄が原産地なのだろう。亜熱帯地方の旺盛な生命力を持った朝顔だと分かって、この時期まで咲き誇っているのに納得がいった。
 しかし、こういう植物は外来種と呼ばないんだろうか。この朝顔にずっと感じていた違和感は、私が今まで朝顔にもっていた「夏が終われば枯れる」という認識とかけ離れていたことからきている。これは私が慣れ親しんできた在来品種とは明らかに異なっているのだから、何か特別な名称があってもよさそうなんだが・・。
 いつまでもダラダラと咲いていて、花壇の周りだけ一向に夏が終わらないような印象さえ受ける。これじゃあ、季節感があまりにも歪んでしまいそうだ。もうそろそろ抜いてしまおうか、思案中である。
コメント ( 2 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする