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夏はライブだ、と妻語りき。

 我が妻待望のSMAPのライブ予定が発表になったそうである。7月末から9月末まで、北は札幌から南は福岡まで、ぎっしり詰まった日程だそうだ。早速妻が娘や友人と連絡を取り合って、いつどこの会場へ行くのか、一生懸命検討中である。私はもうどこにでも行って頂戴、という気でいるので、はいはいと頷くのみである。名古屋は4日間ナゴヤドームで興行されるそうだが、愛知万博と重なるため、遠方からやって来る人々にとっては、宿泊所を見つけることがかなり難しいそうだ。私の家からはほとんど電車1本で行けるので、一昨年のように豊田スタジアムで開かれるよりはアクセスがずっと楽だろう。
 しかし、毎回恐れ入るが、彼女のパワーには頭が下がる。どこでどうやって貯めこんだか知らないが、かなりの額をこのライブツアーにかける。漏れ聞いたところによると、名古屋は当然として、大阪、東京、横浜を予定しているらしい。娘は夏休みでもあり、札幌まで行きたいそうだが、そこまで予算が回るだろうか。私に頼ってきたとしても、ない袖は振れないから丁重にお断りするしかないが。
 今年のツアーはちょうど夏休みの時期に当たる。夏休みというのは、私が朝9時前から深夜12時近くまで、月曜から土曜までびっしり働かなければならない殺人的な日程のときである。換言すれば、家の中に私の影がほとんど見えない時期でもあり、私が妻の顔を見る機会が少ない期間である。そんな時に彼女が何をしようが関係ないが、自分が必死で働いているときに妻がキャーキャー騒いでいるかと思うと釈然としない気分にもなる。妻も私の心中を察して、一応低姿勢でお伺いを立てるような素振りを見せるが、胸には決然たる思いを秘めていることは一目瞭然であるので、結局は彼女の思いどおりになる。これも一種の通過儀礼のようなものなので、きちんと段取りさえ踏めばいいだけなのだ。
 今日ラジオで、結婚80周年を迎えた100歳以上の夫婦が世界一長い結婚生活を送った夫婦とギネスに認定されたと報じていたが、長続きした秘訣を問われた夫が、『喧嘩しても謝る勇気を持つことだ』と述べたそうだが、言い得て妙、含蓄に富んだ言葉だと感心した。私も近頃では、妻に腹が立つことがあってお互いの関係が怪しくなったときにでも、自分の方から折れていけるようになった。無駄な喧嘩で時間をつぶしても余りあるほど、私たちには時間が残されていないのだ。
 少々のことにはお互いに目をつぶり、仲良くやって行こうではないかと最近よく妻と話している。年をとるとエネルギーを無駄遣いしたくないという本能が働くのか、できるだけ波風立てずに静かに生きていきたいという思いが強まってくる。これって、生命力が衰えていってる証拠なのかもしれない。寂しい限りである。

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