土曜日が一番忙しい。

　週休２日制が定着して久しい。普通の会社員が土・日は休みというのは当たり前の感覚になってきた。日本人は働きすぎのエコノミックアニマルだと世界的に非難を受け始めた頃から、日本人も欧米並みに休日を多くとるようにしようという流れができて、生活を楽しもう、スローライフなどというキャッチコピーで時間的にゆとりある暮らしがこの国でももてはやされるようになった。私の周りでも土日が休みだというものが多くなり、以前は必ず日曜日に行われていた法事なども、土曜に催されることが多くなってきた。
　しかし、世の中には休みたくても十分休めない人はまだまだたくさんいる。以前のように猛烈社員といったイメージとは少し異なる。要するに、不景気なのだ。休みたくても、おちおち休んでいたら職がなくなってしまう。リストラが進んだ会社では少しの人員で多くの利益を上げなくてはならない。効率化を図れば、それだけスタッフに負担がかかる。勢い、休日出勤でもしなくては生産性を維持できなくなってしまう。
　社会に出て人に使われたことのない私が言うのもおこがましいが、お金を手にするのは大変な事なのだ。かく言う私も年間の休みは２０日前後しかない生活をここ１５年近く続けている。生徒のやる気を引き出すには、まず私が率先して範を垂れなければならない。定期試験が近づけば、休日補講、入試を控えた学年の生徒には休日特訓を行い、ぐいぐい引っ張っていくのが私の流儀であり、それを売り文句に今まで塾をやってきた。経営者としての資質など持ち合わせていない私にとって、泥臭くても生徒と一緒に精進していくしかないのである。
　さあ、今日も土曜日、頑張ろう！明日は久しぶりの休日だ。